大阪の東西をつなぐ路線
大阪メトロ中央線は、前身の大阪市営地下鉄時代、1961年(昭和36年)の弁天町〜大阪港間を皮切りに開業。それ以来延伸を繰り返し、大阪市の東と西をつなぐ路線として、人々に親しまれてきました。
「いや、今さらアツいってどういうことやねん」とお思いの方、「そもそも中央線ってどのへん走ってるねん。わかってるテイで話進めんといてくれや」と殺気立ってる方のために、大阪メトロの路線図をお見せします。緑色が中央線です。

なんかアツそうでしょ。
皆さまご存知、開催まで1ヶ月を切った大阪・関西万博。その最寄り駅として1月に延伸開業したのが、夢洲駅です。万博へアクセスする鉄道としては唯一の路線ということで、否が応でも注目が集まり始めた中央線ですが、それだけではありません。
谷町四丁目・森ノ宮エリアも開発が進み、商業施設「なノにわ」や、大学キャンパスの設置に新駅開業も予定されるなど、激アツなトピックが満載なのです。

西は大阪ベイエリア、東は東大阪市を越え、近鉄けいはんな線と相互乗り入れをして奈良県までもつながる中央線。約60年の時を経て、人、モノ、お金が集まる“大阪の生命線”としてスポットライトが当たるって、めっちゃ面白いですよね。

ということで、少々前置きが長くなってしまいましたが、そんな中央線の全駅に実際に行ってきました。厳密には近鉄けいはんな線は大阪メトロではないのですが、「どうせなら一本で繋がってるということを伝えたい」という謎の情熱でけいはんな線も攻めました。
ちなみに、謎の情熱についてこれるスタッフは誰一人おらず、オール自撮りで取材に臨みました。駅の情報やトリビアもお届けしますので合わせてお楽しみください。それでは、夢洲に向かって出発進行。
●学研奈良登美ヶ丘
(奈良県奈良市)

2006年に開業。大阪府・京都府・奈良県にまたがるエリア、関西文化学術研究都市の「学研」と、県名の「奈良」と、昔からの地名「登美ヶ丘」が合わさっていて、気合が入りすぎている。バブリーダンスで有名になった登美丘高校は大阪府堺市なので、駅近くにある登美ヶ丘高校とは全く関係がない。
●学研北生駒
(奈良県生駒市)

副駅名は『奈良先端大学前』。開業前の仮称は『北大和』。学研ブランドをどうしても入れたかったのか。
●白庭台
(奈良県生駒市)

学研北生駒駅からは距離が0.8kmしかない。「白庭」という地名は、日本書紀にも記述がある由緒ある名前。
●生駒
(奈良県生駒市)

けいはんな線、奈良線、生駒線の3路線が集まる近鉄のターミナル駅。生駒駅からケーブルカーに乗って行く生駒山上遊園地が楽しい。夏の夜間営業はデートにもってこい。駅構内はマネケンワッフルの香りが充満していて気分がよかった。


駅の数が多いこともあり、このペースで進めるとボリューミーになりすぎてしまうので、ここからテンポアップでお送りします。
●新石切
(大阪府東大阪市)

生駒トンネルを抜けると新石切。「石切さん」でお馴染みの石切劔箭 神社が近くにある。
ちなみにこの日、家にあった中で一番中央線っぽいキャップを被っている。
●吉田
(大阪府東大阪市)

「よしだ」ではなく「よした」。花園ラグビー場が近くにあるが、特に何もない。
●荒本
(大阪府東大阪市)

副駅名は『東大阪市役所前』。近くには府内最大の蔵書数を誇る大阪府立中央図書館もあるが、特に何もない。
●長田
(大阪府東大阪市)

ここから大阪メトロの管轄駅。けいはんな線で言うと、白庭台〜学研奈良登美ヶ丘間は2006年開通だが、この長田〜生駒間は、1986年に旧・近鉄東大阪線として開通している。特に何もない。
●高井田
(大阪府東大阪市)

JRおおさか東線『高井田中央駅』と相互乗り換えが可能。何もなさそうだが、濃い醤油スープと太い麺が特徴の、“高井田系ラーメン”発祥の地として有名。また、関東の激安スーパーチェーン「オーケー」の関西初店舗が高井田にオープン。なぜ高井田が選ばれたのかはわからない。
●深江橋
(大阪市東成区)

マジで何もない。
●緑橋
(大阪市東成区)

何もない。深江橋と同じく、かつてこの地域を流れていた人工の川に架かっていた橋の名が駅名になった。大阪メトロ今里筋線も乗り入れしているし、やたら広い部屋が多いイメージの街で、深江橋に比べたらマシ。深江橋はマジで何もない。
●森ノ宮
(大阪市中央区)

大阪公立大学の森ノ宮キャンパスが今年の9月に開設。2028年には、キャンパスの前に大阪メトロの新駅も開業予定。府と市は、新大学をきっかけに駅ビルの整備や、大規模アリーナの建設も予定しているらしく、まさに“大阪の東の拠点”として盛り上がることが確実視されている森ノ宮。「もりあがる、もりのみや。」なんてキャッチコピーも今後どこかで使われそう。


〜〜今回の相棒〜〜

ちょうど半分まで来たところで、今回の相棒をご紹介。
SLIK製GX-S 6400くん。非常に伸びしろがあり、柔軟に形を変え対応してくれるところが魅力。視野も広く、安定感もあるが、ひんやり冷たいところが玉にキズ。しかし、彼なしではこの撮影は乗り切れなかったので、非常に感謝している。
さあ、残り半分。ひたすら西に向かって出発進行。
●谷町四丁目
(大阪市中央区)

谷町線乗り入れ。NHK大阪放送局と大阪歴史博物館がある。この辺りからホームに人が増えてきて恥ずかしくなってくる。
●堺筋本町

オフィス街。堺筋線を使えば阪急に乗り入れしているので、京都河原町まで行けて非常に便利。御堂筋線だと梅田で改札を出ないと行けないがその必要がない。個人的には“堺筋本町最強説”を唱えたい。
あと、改装工事を行いホームがめっちゃキレイになっていた(谷町四丁目、森ノ宮なども)。
●本町
(大阪市中央区)

泣く子も黙るオフィス街。中央大通と御堂筋、二つの大動脈が交わる要衝。四ツ橋線も乗り入れしているが、中央線や御堂筋線で降りた場合、同じ駅だとは言いがたい距離を歩かされる。1駅分は歩かされる。『西本町駅』でよかったやろ。
●阿波座
(大阪市西区)

千日前線乗り入れ。「阿波座」の由来は、徳島の商人たちがこの地に住んでいたことから来ている。ふざけた阿波踊りにも意味がある。
●九条
(大阪市西区)

阪神なんば線乗り入れ。1903年(明治36年)に、日本初の公営鉄道として開業した大阪市電(路面電車)。最初に開通したのが天保山と九条の間。実は九条は、大阪の鉄道の歴史において記念すべき場所だ。ちなみに大阪メトロの本社ビルがあるのも九条。商店街ナインモールにある八百鮮の野菜が安い。

●弁天町
(大阪市港区)

JR環状線『弁天町駅』の新駅舎が3月1日に完成したことにより、中央線との乗り換え経路がスムーズになった。万博へのアクセスを向上させるべく、西の玄関口の強化が進み、「空庭温泉」など周辺施設も絡めながら弁天町エリアも盛り上がってきた。激安スーパー「ロピア」のクリームたっぷりシュークリームが好き。

●朝潮橋
(大阪市港区)

大阪プールや大阪市中央体育館などのスポーツ施設を除けば、特に何もない。
●大阪港
(大阪市港区)

海遊館、マーケットプレイスなどの施設により、カップルや子供連れで意外と賑わっている。


“日本一小さな山”をウリにしている天保山がある。「何が山やねん」と言いたくなるが、「大阪港」という名前より知名度はあるから、駅名にしてもよかったと思う。なんで大阪港やねん。
●コスモスクエア
(大阪市住之江区)

埋立地・咲洲に1997年に開業した駅。中国表記は「宇宙広場」。バブルの勢いで建てられたATCは経営破綻後、ショッピングモールに生まれ変わったが、平日はほぼ人がいない。インテックス大阪で開催される音楽フェス「RADIO CRAZY」に行った良い思い出と、コンテナの傷をひたすらチェックするバイトに通った悪い思い出が蘇る。

●夢洲
(大阪府此花区)

ようやく夢洲に到着。自分で考案した企画にも関わらず、想定よりきつかったので、全駅制覇して思わずジャンプ。三脚の向こう側には、ヘルメットを被ったスーツのお偉いさんが大勢いたことを鑑みて、このジャンプを評価してほしい。

というわけで、中央線を全駅制覇してみた様子でした。
このブログをご覧の方も一度チャレンジしてみてほしいですが、けいはんな線の電車の来る間隔が長く、寒くて心が折れそうになるので真冬にはオススメしません。
今後も気になる駅や路線にフォーカスを当てていきます!
以上、渋井不動産エイキチでした。