万博会場、唯一の駅
いよいよですーー。来たる4月13日から10月13日にかけて半年間開催される「大阪・関西万博」。会場への交通機関としては唯一の鉄道駅となる、大阪メトロ中央線『夢洲駅』が本日1月19日、開業しました。
大阪メトロとしての新駅開業は、2006年今里筋線の全線開業以来、19年ぶりのことです。万博かどうか以前に、新駅が出来ることに鉄道ファンは心躍るわけですね。
万博期間中は、来場者のために増便される大阪メトロ中央線ですが、最初に大阪港〜弁天町間が開通したのが1961年。その後延伸を続け、60年以上。ここに来て再評価される中央線、めっちゃ面白くないですか?
相互直通運転をしている近鉄けいはんな線を使えば、奈良から乗り換えなしで万博まで行けるんですよ?
2028年に開業を予定している森ノ宮新駅も含め、ますます注目が集まる中央線については、また改めて特集したいと思います。
そもそも夢洲って何?
さてさて、万博の会場として利用される夢洲という土地ですが、「そもそも一体何なん?」という方のために、軽く歴史のおさらいを。
ゴミの処分場不足を解決するために、大阪港に埋め立て地を造り始めたのが、1970年代後半。その後、北にある舞洲と南にある咲洲も絡めて、「埋め立て地、いわゆる人工島を利用して、どんどん大阪を大きくしていこうや!」という掛け声で、1980年代後半に“テクノポート大阪計画”が掲げられます。
バブル崩壊で計画は頓挫するものの、1990年代に、オリンピックの開催予定地として注目を集めます。しかし、2001年にオリンピックの開催地が中国・北京に決まったことで、再び夢洲の活用については白紙になります。
“負の遺産”と揶揄されるほど、持て余されていた夢洲ですが、2010年代半ばに入ると、万博、そしてIR(統合型リゾート施設)の予定地として脚光を浴びることに。2025年大阪・関西万博の開催が2018年に正式決定したことで、夢洲駅への延伸工事も決まりました。
実はオリンピック誘致の段階で、コスモスクエア駅がある咲洲側からの海底トンネル(夢咲トンネル)は造られていて、鉄道が通る部分の準備工事も終えていたのです。すでにちょっと出来てたんですね。
そういった流れでスムーズに工事が進み、完成した夢洲駅。万博だけではなく、2030年の開業が見込まれているIRでもますます盛り上がることは確実視されています。そんな、将来的にも大阪の要衝になるであろう夢洲駅に、早速取材してきました。
初日に取材してきた
「せっかく初日に行くなら、夢洲駅1番乗りの電車に乗りたい!」ということで、夢洲行き5:39着の電車に乗り込むことに。ねっっっむぅ。
鉄道ファンの方を中心に1両目はぎゅうぎゅう。試乗会などは開催されていたものの、営業運転1発目の電車に乗れたことは一生自慢できますもんね。僕も孫の代まで語り継ぐつもりです。
誰もいない綺麗なホームに、大勢の人が押し寄せます。大阪メトロの関係者や、テレビ局の取材班もいました。少しソワソワするものの、インタビュアーから声はかけられず。
地下2階のホームから、地下1階の改札階に上がります。
幅17mという広大な空間を確保しているコンコースは、「世界中の人たち、ナンボでも来てええで」という受け入れ態勢がバッチリ。近未来的なデザインと相まって、この場所に来た時点でもうワクワクが止まりません。
大阪メトロの駅としては初の試みである、「ジェンダーレストイレ」や「ベビーケアルーム」が設置されていました。
発達障害やパニック障害を持つ人が、人混みや騒音などによる感覚過敏な状態から避難できる「カームダウン・クールダウンスペース」も完備。あらゆる方に対する配慮が見受けられました。
駅内部を楽しんだ後は、改札を出て地上に上がります。
夢洲駅出てすぐにあるのが万博会場の東ゲート。もちろんまだ絶賛工事中でしたが、世界中の国旗が飾られるポールなどは広場にすでに設置されていました。ここで待ち合わせしたり、ツアーガイドの人が立って待ってたりするのかな、と妄想が膨らみます。
会場最大の目玉だとされている、「大屋根リング」も遠くからチラッと拝むことが出来ました。各パビリオンの工事の進捗状況などは伺えませんでしたが、一体どんな風景が広がっているのか。それは、4月の開幕を待つしかありませんね。
「大阪の未来は、なんて明るいのだろう」と、思わず朝焼けを見ながら顔がほころんでしまいました。
大阪メトロ中央線で気軽にアクセス出来るようになった夢洲。是非その目で確かめてみてください。
新駅開業という貴重な瞬間に立ち会うことが出来たのと同時に、「大阪に万博が来るんだ」という実感を改めて噛み締めた、渋井不動産広報部でした。