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北大阪急行

迫る、北大阪急行延伸

北大阪急行
箕面船場阪大前駅前広場 2024年2月中旬撮影
駅前広場完成イメージ 箕面市HPより

「箕面まで伸びるらしいよ」
そんな噂を小耳に挟んでいる皆さま、ご機嫌よう。渋井不動産です。

2024年3月23日(土)、ついに北大阪急行が延伸開業いたします。伸びる伸びるとは聞いていたものの、気づけば開業まで30日となっていました。

写真は先日、『箕面船場阪大前駅』の様子を見に行った1枚です。箕面市の公式HPに載っている完成イメージとエグいギャップがあったため、「残り1ヶ月でコレになるのか」と少し不安になりましたが、あとは緑を植えて青空をはべらせば完成すると信じて、まずは第1報をお届けします。

『千里中央駅』の先へ

画像 北大阪急行電鉄公式HPより

そもそも今回の延伸とは、どのようなルートなのでしょうか。上記は北大阪急行の公式HPの画像を拝借したものですが、要は、北の発着駅として君臨している『千里中央駅』の先に、『箕面船場阪大前駅』『箕面萱野駅』が新設される、というもの。

ご存知の通り、北大阪急行は、1970年の大阪万博会場に来場者を運ぶため開通した路線です。そこから52年の時を経て、今回、北へ約2.5㎞の延伸を決行。大阪メトロ御堂筋線から相互直通ということを考えると、堺市から箕面市までをつなぐ一大プロジェクトなのでございます

北大阪急行延伸開業 公式HP

画像 北大阪急行電鉄公式HPより

そもそも「船場団地」がある箕面市の中部エリアは、西部の阪急電鉄沿線エリアに比べ、鉄道網が整備されておらず、バスと車が主な交通手段。“大阪中心部へのアクセスが不便”という長年の課題がありました。

そこでこの度、大岩が動くわけです。開通するとどうなるか。終点『箕面萱野駅』から『梅田駅』までが、なんと25分で着くんですねバスと電車を乗り継いで1時間弱かかっていたり、新御堂筋の渋滞に巻き込まれながら車でなんとかたどり着いていた梅田が、25分電車に乗るだけで着く存在になるわけです。

もはやこれは、「北摂の新章幕開け」と言っても過言ではありません。千里ニュータウンに次ぐ、大規模な再開発が鋭意進行中の「箕面市船場地区」。そんな話題の新駅に迫ります。

『船場』の由来を紐解く

画像 大阪船場繊維卸商団地協同組合公式HPより

ではまず、地名の歴史を紐解いていきましょう。「船場」と聞いて思い浮かぶのは、渋井不動産も事務所を構える大阪市中央区の地名ではないでしょうか。

高度経済成長に沸いた1960年代、繊維の街として栄えた中央区の船場は、荷下ろしするトラックによる渋滞が問題になっていました。そこで、「船場の繊維卸商を集団で移転して物流問題を解消しよう」という案が持ち上がり、地名ごと現在の箕面市船場地区に移転したと、なんとも大胆な歴史がございます。

移転先は、千里ニュータウンの北側。総面積73haにも及ぶ商業団地を新たに建設し、250社を超える大阪有数のアパレル・テキスタイルなどの繊維企業が集結。「東洋一の商業団地」と呼ばれるまでに発展しました。

参照記事:大阪・船場は箕面にも 繊維の街、地名ごと移転/日本経済新聞

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2021年5月にオープンした箕面市文化芸能劇場

しかしながら、そんな箕面船場も、バブル崩壊や安価な中国の繊維製品の流入により、加盟社数が半減。大型パチンコ店やシャッターを下ろしたままの会社が目立つようになり、かつての繁栄は一気に変わりました。

そんな箕面船場ですから、今回の新駅開業は起死回生を懸けた大きなチャンス。現地へ足を運ぶと、思わず感嘆の声が漏れるほどのニュータウンがひろがり、箕面船場のルーツである繊維モチーフ・デザインも随所に散りばめられています。

箕面市立船場広場

広場完成イメージ 株式会社久米設計HPより

駅前の複合公共施設『SEMBA HIROBA』は、図書館・生涯学習センター・文化芸能劇場・駐輪場などが一体となった施設。設計は、東急歌舞伎町タワーや神戸市西区の「なでしこ芸術文化センター」も手がけた、株式会社久米設計です。

建物は、箕面の繊維団地の「繊維をイメージした様々なハコが組み合わさった構成」で、施設規模に対し威圧感がなく軽快で愛着のもてる「街のような建築」としたとのこと2023年グッドデザイン賞にも選ばれました。

お隣には大阪大学箕面キャンパスが移転し、令和3年4月より開校。北大阪急行線の延伸に合わせたまちづくりの一環として、箕面船場広場でアートフェスを開催するなど、すでに様々な取り組みが始まっています。

箕面市立文化芸術劇場・箕面市立船場図書館・箕面市立船場生涯学習センタープロジェクト/㈱久米設計

それでは、駅前の複合公共施設について詳しく見ていきましょう。

箕面市立文化芸能劇場

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文化芸能劇場は、その名の通り、文化芸能の創造と振興の場として作られた中核拠点。箕面大滝をモチーフにした大ホール(1,401席)、柔い音を奏でる豊かな音響を実現した小ホール(300席)で構成され、「ここ箕面から文化芸能を発信していくぜ!」という意気込みが伝わってきます。

グランドオープン記念として、円広志のコンサートや、Mr.マリックのスーパー4KマジックSHOWなどが開催予定。恐らくオープンイベントの担当者は、平成初期生まれでしょう。

箕面市文化芸能劇場

箕面市立船場図書館

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続いて、大阪大学が運営する箕面市立船場図書館。2〜4階が図書館、5・6階が生涯学習センターになっており、国立大学が公共図書館を運営するのは日本初の試みです。

2階フロアには、子どもたちがのびのび過ごせる「にぎやかエリア」があり、吹き抜けの明るい空間にキッズスペースや授乳スペースも。館内にはハワイアンカフェが併設し、図書の持ち込みも可能です。

箕面市の蔵書約11万冊に加え、大阪大学の蔵書約60万冊を所蔵し、一般の方も閲覧、借りることができます。

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そして館内では、書棚の高さにも注目。児童書エリアはもちろん、一般書エリアも、書棚の高さは160cm程度に留められており、館内隅まで見渡せる開放的な配置になっています。

「アメリカのZ世代・ミレニアル世代の間では、図書館通いがニュースタンダード」という記事を読みましたが、こちらの図書館はまさにうってつけ。居心地が良く、足繁く通いたくなる図書館です。

箕面市立船場図書館

大阪大学 箕面キャンパス

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3階の食堂はランチのピークタイム以外 誰でも利用可

ひときわ存在感を放つこちらは、大阪大学の箕面キャンパス北大阪急行の延伸計画に伴い、2021年に「都市型キャンパス」として移転開校した建物です。

主に外国語にまつわる学部が入っており、2007年に大阪大学と統合した大阪外国語大学が母体だとか。開放的なデッキではトリリンガルがデフォルト、といった学生たちの高尚な会話が行き交っていることでしょう。

地価、ぐんぐん上昇中

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竣工間近のBrillia Tower 箕面船場 TOP OF THE HILL

2023年3月に公表された「公示地価」によると、『箕面船場阪大前駅』が開業する箕面市船場東の価格上昇率は+8.8%と、大阪で2番目の数字を叩き出しました。この影響で周辺の”住宅地の地価”も、箕面市船場西でプラス5.8%と上昇。

なかでも特に注目を集めているのは、絶賛工事中の「Brillia Tower 箕面船場 TOP OF THE HILL」です『箕面船場阪大前駅』徒歩3分30階建てタワーマンションで、ラウンジ兼ゲストルームなど、共用施設も充実。最上階のお部屋は3億2,500万円だというのですから、地価が急上昇するのも頷けます

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駅自体は地下3階にあるため、入口や改札が大々的に見えるわけではないのですが、ピクトサインや駅看板もちらほら。

延伸開業と同時に、箕面市立市民ギャラリーもオープン予定。地下3階改札口直結です。ギャラリーは全3室あり、カフェや貸し会議室も併設するとのこと。

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COM2号館 1階に繋がる出口
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さらなる高層住宅 商業施設も建設予定

3月23日(土)延伸開業、『箕面船場阪大前駅』いかがでしたか。都心部からダイレクトにアクセスが叶うことで、学術・文化・芸能のまちとして、全国からの来訪が期待されますね

さらに朗報!箕面市立病院『箕面船場阪大前駅』より徒歩4分(船場COM1号館跡地)の場所に移転予定。これからもますます、住みよいニュータウンへ育っていくのではないでしょうか。

次回は、北大阪急行南北線の新しい終着駅『箕面萱野駅』を取り上げます

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  • 【北摂延伸】開業まで30日!『箕面船場阪大前駅』を見てきた。

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