皆さまは、『安田ビル』をご存知でしょうか。
所在地は西区京町堀一丁目、靭公園の目と鼻の先。藤原ビルや髙木ビルなどが建ち並ぶ京町堀通において、ひときわ目を引く名建築です。
渋井不動産が事務所を構えていた石原ビルをはじめ、再開発の憂き目にあう名建築は決して珍しくなく、こういったヴィンテージビルは大変貴重な存在。
余談ですが、現在わたしたちのお店が入る大阪農林会館もそのひとつで、2022年2月に放送された「名建築で昼食を」でもフューチャーされました。
同じくフューチャーされたマンションがこちら
※空室情報は当時のものです
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安田ビルで開業を
話が少しそれましたが、本日はご紹介する『安田ビル』もレトロビルや建築好きのあいだでは有名なビルです。
鉄筋コンクリート造の地上3階建て、なんと築年数は87年(昭和11年竣工)にも及びます。入居するテナントは、デザインや建築系の事務所、インテリアショップ、ジュエリーショップなど様々。
本日は前編ということで、「空きがあるよ」という情報だけお伝えしておき、ここから先はビル自体の詳細を書き連ねていきます。待ち切れない方は、この時点で問い合わせいただく方が断然早いでしょう。
安田ビルの魅力、まずは建物正面のファサードをご覧ください。建物の顔とも言えるタイルは、多くの登録有形文化財に使われている黄褐色のスクラッチタイルです。
スクラッチタイルは、多数の細い溝の模様があるタイル。世界で初めて外壁にスクラッチタイルを用いた帝国ホテル旧本館(ライト館)が1923年(大正12年)の関東大震災で無傷だったことから、震災復興期の建築に多く使用された。
参照:Wikipedia
安田ビルも阪神淡路大震災では全く被害が無かったものの、震災後には更に大がかりな耐震補強工事が施されました。大阪では他にも、中央区平野町の生駒ビルヂング(登録有形文化財)にスクラッチタイルが採用されています。
そしてもうひとつ印象的なのは、横4本に並ぶ柱。こちらは古代ギリシア建築で用いられていた、ドーリア式の柱です。
ドーリア式は、古代ギリシア建築における建築様式のひとつであり、イオニア式、コリント式と並ぶ3つの主要な様式に位置づけられる。ドリス式、ドリス様式とも呼ばれる。ドーリア式の柱はほとんど装飾を用いずに屋根を支えているため、その印象は「荘重」(そうちょう)と言われることが多い。
参照:Wikipedia
その響きからドドリア様がチラつくタイミングがあるものの、実際に見ても非常に重厚感があり、安田ビルの存在感をひときわ示していました。
ちなみに、安田ビルを所有する「安田ビル株式会社」は、もともと薬種商を営んでいた会社で、創製文化年間(1804〜1818年)になる「はこべ塩歯磨」の製造販売を続けているそう。なんでも、発泡剤・化学合成品は一切含んでいない自然派歯磨き粉だとか。
というわけで、安田ビルの全貌は以上。区画の紹介は、明日掲載されるブログをチェックしてください。
「あの安田が出てるの?」と思った方や、「はこべ塩歯磨」が気になる方は、明日が来る前にお問い合わせを。なにかしらの回答をさせていただきます。
その他ご相談も渋井不動産まで、お気軽に。