危うく樹々に飲み込まれそうでしたが、ようやく無事に滑り台へとたどり着くことができました。見てくださいこの大自然。奈良県の僻地と見紛うジャングル感ですが、実はみなさんもよく知る大阪市内中心部なのです。
「靭公園」をご紹介
『靭(うつぼ)公園』です。
なぜここに来たのかというと、「何その公園?知らんけど」的なテンションの方へのご紹介や、『よく「靭公園周辺は良い」なんて聞くけど、その具体的な理由って何だろう』と気になる方もいらっしゃるかと思い、事務所から5分もかけて来ました。
これまで街並みをご紹介する記事をあげてきましたが、今回は「靭公園」そのものです。
これまでの記事↓↓↓
『その街を知りたい。〜オザワ街ぶらり「東三国編」〜』
『オザワの街ぶら膝栗毛。〜湊町編〜』
まずは靭公園の青くさいプロフィールから。
❑所在地:大阪市西区靱本町二丁目1ー4
❑最寄駅:地下鉄四つ橋線「本町」駅より徒歩5分
❑総面積:9.7ha
❑入園料:無料
住所が靱本町二丁目となっておりますが、ご覧の通り東西にまたがりまくってますので、取り急ぎ大阪観光局が提示している住所で書きました。そして9.7haという広さですが、これは東京ドームおよそ2個分。東西にそれぞれ東京ドームがあると認識していただければ「デケェな」くらいのイメージはつくかと思います。
靭公園の歴史
靭公園の歴史についてですが、「靭公園」として開園したのは1955年のこと。それ以前は何だったのかと言うと、実は飛行場だったんです。
1945年の大阪大空襲によって、この西区を中心にあたり一帯焼け野原となりました。その後終戦を迎えた頃にGHQがこの靭エリアを接収し、占領軍の常用飛行場として「靭飛行場」を置いていたらしいです。
元々滑走路が走っていたのだと考えると、この細長い形をしているのも納得です。
(ちなみに靭公園の東西距離は約800mもあります。)
東園
ではまずは靭公園の東園から見ていきましょう。
地図上の、霜降りカルビみたいなところがバラ園です。バラといってもアバラ骨周囲の肉のことではなくROSEのほうです。食いしん坊はそのへんにしておいてください。
ここは屋外結婚式を挙げる方もいらっしゃるほど美しい造園で、約170品種、3,400株ものバラが園内の彩りを賑やかにしてくれています。ちなみに僕はこれまで「バラはヨーロッパから来た」みたいなイメージを持っていたのですが、そもそも日本に生えてたらしいです。なんなら日本はバラの自生地として世界的に有名なんだとか。
『万葉集』にも「うばら」という呼び名で詠まれているほどのバラは、日本人とDNAレベルでゆかりのある植物なのですね。
ケヤキというのは紅葉の美しさが特徴的であり、そのシーズンは多くの観光客の方がこの並木道を歩きます。通勤でこの並木道を通れる環境にあるのであれば、毎日でも歩きたくなるはずです。
また、並木通りにはベンチも点在していますので、この緑溢れる景色に癒やされに来る人も数知れず。靭公園が「都心のオアシス」と呼ばれる理由はこういうところでしょうね。
市内中心部にこれだけ開放的なグラウンドがあるとなれば、そりゃ子供と遊びにきます。小さい公園だと遊び場と道路の距離が近くて危なっかしいですが、ここはほぼ東京ドームなのでその心配もグッと減りますし。
「靭公園」というブランド
広大な緑がある憩いの場として人を集める公園なので、事業を考えている人は「ここにお店を出したい」と思うのは当然。ただ、人が集まる場所の「坪単価」は必然的に高くなってしまうので、周囲は実力のあるお店しか立ち並びません。(強力な地主を除く)
また、連動するように住む人も「ちょっとお金に余裕のある人」が多く集まるようになります。その結果「靭ブランド」が形成され、生活スタイルの憧れの場所としてさらに人気を集めていくことになりました。靭エリアが良いとされる理由は、この緑が培った「靭ブランド」でしょうね。
(公園お隣の築40年を迎えるヴィンテージマンション「靭パークサイドコーポ」は、現在でも売買価格が3,000万ほどします。)
西園
では次に西側を見てみます。
地図を見ておわかりのように、敷地のほとんどがテニスコートで埋まってます。が、実はひと昔前まではサッカー球場として栄えていました。長居陸上競技場と共に主要なサッカー大会が行われる施設でしたが、建物の老朽化・テニスコートの拡充を理由にサッカー球場は無くなってしまいました。(現在も大阪府サッカー協会が靱公園付近のビルに入居しているのはその名残。)
園内はセンターコート、一般コートと別れておりますが、内容については後述します。
今は御神木として祀られているこのクスノキですが、前述した飛行場建設の際には伐採の危機に陥っていました。ただ、その建設作業中にけが人などが相次ぎ、お祓いをしようとした際にこの神社から白い蛇が出てきたことから「この木は御神木なので切ってはいけない」ということになりました。
小さな神社ではありますが、西区住民を見守ってくれるありがたい神様なのです。
(Googleの口コミは神をも恐れぬ☆3)
そしてこの海産物の市場であったことが、この地を「靭」と呼ぶキッカケとなったのです。
「靭」の由来
秀吉の時代、付近一帯は雑喉場(ざこば)魚市場および塩干魚問屋街として栄えていました。町で魚商人たちが「やすい、やすい」と威勢のよい掛け声で魚を売っていたのを聞き、秀吉は「やす(矢巣)とは靱(矢を入れる道具)のことじゃ」と言ったことから、その言葉にあやかって「靱」という町名がつけられたとか。
要するに、太閤渾身のダジャレにより生まれたのです。
(ちなみに、西区は堀江・立売堀・江戸堀・京町堀など「堀」がつく名前が多いですが、これは大阪市内に人工的に整備された川、すなわち「堀」がたくさん流れていたからなのです。)
そして隣接する一般コートですが、実は最近注目を浴びているのらしいのです。その理由はあの大坂なおみ選手が幼少期にここで練習していたことが発覚したからです。3〜4歳の小さな頃ではありますが、大坂選手が大阪にいたなんて。グランドスラムをしてからというもの、知名度はうなぎ登りらしいです。
では最後に、靭公園でテニスをする場合の情報をお伝えします。
以下、2019年6月中の利用の場合
❑営業時間:9時〜21時
❑料金:19時まで一人1600円/時間(19時以降は照明が点くので4300円)
照明が点いてもなおテニスをしている人がいれば、ブルジョワです。
2019年6月中利用の場合
❑営業時間:9時〜19時
❑料金:一人あたり800円/時間
こちらは照明が無いので営業時間は短めです。また、両コートとも季節によって営業時間が変更になりますので、その都度電話で確かめるのがベストです。
お問い合わせ先
↓↓↓
ITC靭テニスセンター(06-6441-6211)
「周辺」ではなく「靭公園」そのものにフォーカスを当ててみましたが、個人的に面白い事実がいくつかありました。(照明代がむっちゃ高いとか)
この記事がみなさまの役に立つのかわかりませんが、渋井不動産へお越しいただいたお客様には、存分にひけらかしていこうと思います。
以上、オザワでした。