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第2ステージが始まる

2025年10月13日、半年間に渡る世界の祭典、大阪・関西万博が閉幕を迎えました。
大阪における一大イベントが終わり、「ひとまず大阪は落ち着くやろな」と思っている方も多いでしょうが、万博と同じ夢洲で、すでに新たな計画が始まっていることを皆様ご存知でしょうか。そうです、IRです。

10月13日 IR建設予定地近く 筆者撮影

「IRってカジノやんな?」「万博の跡地に出来るんやんな?」と、イマイチなんのこっちゃわからんという方に、現時点で決まっている情報をもとに、”ギャンブルはやったことないけど、生き方がギャンブル”でお馴染みのエイキチが、夢洲の第2ステージ、IRのことについて改めて調べてみました。

そもそもIRってなに?

引用 Osaka IR KK

IRとは「統合型リゾート(Integrated Resort)」の略で、国際会議場、ホテル、レストラン、ショッピングモール、コンサートホールなどが一体となった大規模な複合施設のこと。この中にカジノがあるといった考えです。

引用 World Casino Navi

このIRはすでに世界各国に存在し、シンガポールやフィリピン、韓国などアジアに多く、中でも香港のお隣マカオのIRの売上高は、アメリカのラスベガスを抜いて世界一です。
このように、IRをつくるということ自体は、他の国はすでにやっていて、日本独自のものではないのです。

なぜIRをつくるのか

実はIRは、民間事業者が設置、運営する「民設民営」の事業。カジノやエンターテイメント施設を世界中で運営しているMGMの日本の法人MGM Japanと、オリックス株式会社のほか、関西地元企業を中心とする少数株主22社(大阪ガス、関電、大林組、近鉄、JR西日本、パナソニックなどなど)から成る「MGM大阪株式会社」が整備や運営を行います。

「カジノを作るノウハウがある海外の会社と手を組んで、大阪発祥の民間企業を中心に、みんなでIR作ろうや!」的なノリですね。

引用 産経新聞HP

では、一体なぜIRをつくるのか?それはわかりやすく言うと「お金」ですね。

大阪府・大阪市としては、「高齢化による労働力の減少で、正直税収だけじゃどうにもならん!それやったら、夢洲という広大な土地を民間企業に貸して、カジノをはじめとするリゾートなど、成長産業である観光業に徹底的に力を入れてもらって、賃料プラス売上を大阪に収めてもらおうやないか!!」という考えなのです。

IR事業者からの賃料だけで、年間約25.3億円が市に入るそうですが、それ以外にも、納付金や入場料収入も含まれます。
一見、自治体側だけオイシイ感じがしますが、事業全体の売上は約5,200億円(カジノ事業:約4,200億円、非カジノ事業:約1,000億円)を見込まれており、毎年の経済波及効果は約1兆1,400億円、約9.3万人の雇用創出効果という数字も出ていて、大企業側にとっても損はないみたいです。家賃なんて屁でもないほどのお金が入るというわけですね。

民間企業も潤って、大阪府・市はIRで得たお金を住民のためのインフラや福祉に回す。これが実現できたらみんなハッピーですよね。

IRは万博の跡地ではない

10月9日 大屋根リングの上から 筆者撮影

「万博の後にIR」=「万博の跡地にIRができる」

と、思ってる人も多いみたいですが、実際は違います。実は、万博開幕直後の今年4月から、万博会場の北側でIRのための工事は始まっていました。

引用 マイナビニュース

IR整備法(2018年成立)により、“カジノOK”となってからの2019年、大阪府・大阪市によって策定された「夢洲まちづくり基本方針」に基づき計画は進みます。

正式な事業計画が国に認定されたのが、2023年4月。そして2024年10月に土地の引き渡しが行われ、今年の4月に工事が始まったという流れです。IRの開業は2030年の秋を予定しています

引用 大阪府HP

IRを建設する場所は、第1期区域です。ここにホテルや国際会議場などがつくられるわけですが、注目のカジノ(ゲーミング区域)は、IR全体の床面積の3%以内としており、区域以外でのカジノ行為やオンラインによる参加はできません。治安が悪くなることをしっかり防いでいますね。

上図の黄色の枠が第2期区域。ここがいわゆる万博会場(全てではない)の跡地で、エンターテインメント施設を2030年代前半に開業を目指すことが発表されました。IRと同じタイミングでもないんですね。

引用 大阪府HP

ちなみに今年の1月には、民間企業による優秀提案が2つ選ばれました。大林組を中心としたグループは、F1を誘致できるようなサーキットを構想。関電不動産開発を中心としたグループは、ウォーターパークなど。夢洲駅や大屋根リングにも携わった大林組の案が有利なんですかね。どうなるんでしょうか。

引用 Googleマップ

万博施設の残し方で、よく話題になっているのが大屋根リング。現時点では、北東の200mを残す案が出ています。ドイツ館や韓国館の近くですね。

また、静けさの森や、大阪ヘルスケアパビリオンも少し形を変えながら残すことが既定路線のようです。

〜まとめ〜

カジノに関しては、日本居住者には6,000円の入場料や、7日間で3回、28日間で10回までという入場回数制限、さらにはマイナンバーカードによる本人確認やATMの設置禁止など、さまざまなギャンブル依存症への対策が考えられています。
シンガポールでは、カジノ導入後に強化したギャンブル依存症対策によって、依存症が疑われる人の割合が低下したと言われているので、大阪でも対策が上手いこといってほしいですね。

10月には、IRを巡る新しい動きも。政府はIRの整備地域の追加を検討。追加枠は最大2カ所で、選定を希望する自治体があれば、申請を受け付ける方針。これから大阪だけではなく他の地域で、IRが増えていく可能性があるということですね。

いずれにせよ、平和にみんなが潤って、日本が豊かになればそれでいいですね。

というわけで、日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の影響で、有馬記念で初めて馬券を買ってみようかなと考えている、エイキチでした。

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  • 万博閉幕から1ヶ月。夢洲に出来る「IR」って何だろう?

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