CafeBar NitakaNa

大阪城のお膝元『森ノ宮駅』徒歩1分の場所にある『CafeBar NitakaNa』。去る、3月9日に1周年を迎えられました。おめでとうございます。施工は渋井不動産。
社内で1・2を争う酒好きのディレクター・GOが、仕事という免罪符を片手に、気持ちよくお酒を嗜みながらインタビューしてきました。オーナーは中谷さんご夫妻。ウイスキーの世界に漬け込まれたお2人が、「美味しいご飯とスイーツが食べられるバーが欲しい」と始められたお店です。

”お酒が飲める人も飲めない人も居心地よく過ごしてもらいたい”という思いやウイスキーの深いぃ話など、ぜひお酒片手にお楽しみください。
お酒の種類は250種以上

-GO
まずはこのお店の顔とも言える、この酒棚。だいたい何種類くらい置いてるんですか?
-中谷さん
ウイスキーだけで、200種類以上。他にワインや日本酒・焼酎。最近はジンやラムも増やしてます。全部で250種類は超えているんじゃないでしょうか。

-GO
へぇ〜。壮観ですね。これだけのお酒を提供するということは、知識はもちろん、お酒の世界にどっぷりと浸かっていないといけないと思うのですが、ワインソムリエとウイスキーコニサーという資格を持っておられるんですよね?
*ワインソムリエ:単なるワインの知識だけではなく、テイスティング能力・料理とのペアリング提案・サービスマナーなど総合的なスキルが求められる。
気になったらチェック→ 日本ソムリエ協会
*ウイスキーコニサー:ウイスキーの製造工程や世界各国のウイスキーの特徴、蒸溜所の歴史やブランド知識を有する。要するに、知識と感性でウイスキーの奥深さを語れる人のこと。
ウイスキーのスペシャリストになりたいなら→ ウイスキーコニサー

-中谷さん
そうなんです。元々僕と妻が、飲食チェーン店の同じ職場で働いてたんですけど、バーテンダーのコンクールがあって、妻がお酒好きなんで、「そんなに好きだったら資格取ったらいいんじゃない?」と本社から打診されて、ウイスキーの資格を取ったんです。

-GO
試験ってどんなところを審査されるんですか?
-中谷さん
12分間で、出された大量のオーダーをいかにスピーディに、丁寧に正確に提供できるかが見られます。
-GO
わぁ〜それは難しそうですね。
たくさん提供できても風味が損なわれてたり、丁寧に作りすぎて、オーダー全てに応えられなくてもだめってことですよね。

-中谷さん
そうなんです。だいたい緊張してみんな何かしらミスするんですけどね。メニューを知らなかったら作れないので、知識は問われます。
ワインソムリエは、サービスの試験と3年の現場経験が必要です。
-GO
蒸留所にも行かれるんですか?
-中谷さん
行きますよ。遠いところだと、北海道のニセコとか。この近くだと歩いてすぐの玉造に蒸溜所があります。そこでつくられたのが、大阪初のクラフトジン『OSAKA GIN ORIJIN 』(ラベルデザインは「ミャクミャク」をデザインした山下浩平氏)なんです。
-GO
へぇ〜!玉造に蒸溜所があるなんて知らなかったです。選ぶのに困ったときは、パッケージで選ぶのもアリですね。
通な2人が選ぶ、好きなウイスキーとは
-GO
それだけお酒に詳しいお2人が好きなウイスキーが何か気になります。この中から選ぶとすれば、どれですか?

-中谷さん
お店に並んでる中だと、『山崎18年』ですね。
妻は、元々ウイスキーが苦手で、「何が美味しいのか分からへん」と言っていたんですけど、これを飲んで好きになりました。正規の価格で6万ほど。ネットオークションだと10万前後はするかな。
うちのお店では、ショットで8,000円です。ホテルだと1万超えますね。「実際に置いているのを初めて見た」というお客さんが飲まれて、感動してましたね。
僕は、ここにはないんですが、『響30年』ですね。今、1本40万近くするので、さすがに店に置けないんですけど。(笑)

\ここで小話/
教えて!中谷さん。そもそもウイスキーって何?原料は?原料は大麦麦芽。それを酵母で発酵させて、蒸留するんだけど、その時点では無色透明。それを樽に入れると、色や香りが変化して深い味わいになるよ。
ちなみに、スモーキーな香りは大麦を乾燥させてるからなんだ。乾燥させる時にワイン樽に入れておくと香りも色も変化していくよ。ぜひ、いろんなウイスキーを試してみてね!
GOのご褒美『オクトモア』

-中谷さん
GOさんはスモーキーなウイスキーがお好きですか?
-GO
わりと何でも飲みますね。自宅には今、『オクトモア』を置いていて、良いことがあった時にちびちび大切に飲んでます。(笑)
-中谷さん
最高の飲み方ですね。家飲みでオクトモアって初めて聞きました。
酒棚の壁は鏡だった

-GO
やっぱりお客さんは、ウイスキー好きな方が多いですか?
-中谷さん
そうですね。常連さんとかはご飯目当てに来られる方もいますけど、その人も酒飲みですね。(笑) 若い人たちはワインですかね。でも、だいたいは40代以上のお客さんが多いです。もっとウイスキーを増やしたいけど、置く場所がないんです。棚を増やしたいなと考えてます。

-GO
確かにこの左手の白壁にもう少し増やせそうですね。
元々ここはバーだったので、残してる部分もありますよね?
-中谷さん
そうですね。この酒棚とカウンター、それにこの照明はそのままなんですけど、酒棚の壁は元々鏡だったんですよね。結構割れたりしてたのもあって、白壁に塗装しました。他には、窓側の照明を変えたり、キッチンを作ったり、小上がりスペースを作ったり。元々のハコの良さを生かしつつも結構手は加えましたね。

-GO
バーには珍しいこの小上がりがあるの、いいですよね。
-中谷さん
このスペースは作って良かったなと思ってます。
この前、子連れのお母さんが飲みに来られて、小上がりで子ども遊ばせながら飲んでいる姿が、お店の理想の風景でもあって、良いなぁと感じました。
子どもを連れてお酒を飲むって、ちょっと白い目で見られたり、入店を断られることもあったりして。でも、誰もが楽しく過ごせる場所にしたくて。お酒が飲めない人も、コーヒーやスイーツもあるので、思い思いに過ごしていただけたらなと思ってます。
美味しいご飯が食べられるバーが欲しかった

-中谷さん
僕たちが飲み歩いていた時期、夜中の12時頃に仕事が終わって、そのあとご飯が食べられてお酒も飲めるお店を探すことがよくあったんです。でも、意外とご飯がしっかり食べられて夜遅くまで開いているバーが少なくて。そんなお店が欲しいな、と思ってたんです。なので、ご飯の美味しい飲み屋さんにはよく行ってましたね。
-GO
だからフードメニューも、おつまみやパスタ、スイーツまで、種類が豊富なんですね。「お夜食セット」なんて、家の近所にあったら絶対帰りに寄ってしまいますよ。

-GO
夜はこの辺り、人通りどうですか?あまり多くないですよね。
-中谷さん
びっくりするくらい人が歩いてないです。(笑)
周辺の店舗もあまり遅くまでやってないですし。だからこそ夜の10時くらいから混みだすとか、職場近辺で飲んで帰ってきた近隣に住む方が飲みに来られるとか、そういうことはありますね。

-GO
やっぱりこの辺りは夜になると風景が一変しますよね。
森ノ宮の開発が進んで、最近「なノにわ」もオープンしましたけど、何か町の変化は感じたりします?
-中谷さん
減りもせず増えもせず変わりないかなぁ。海外のお客さんが増えた感じはありますね。
真の酒飲みは女性が多い!?

-GO
1年振り返ってどうですか?
-中谷さん
ジェットコースターのような1年でした。試行錯誤で気づいたら1年経ってた、という感じ。1年目は前年と比べられないので正解がわからないですね。
でも、意外とまだお酒を飲む人が残ってたなという印象です。コロナになって減ったかなと思ってたんですが。あと、女性はお酒強いですね!女性の方がよく飲まれますね。(笑)

-GO
年配の男性とかのイメージですけど、そういうわけでもないんですね。
-中谷さん
常連さんは年配男性が多いんですけど。夫婦で営んでいるので安心感があるのか、女性1人でも来たりとか。そういう方がウイスキーにハマっていくとか。角ハイボールしか飲んだことがないっていう人も、いろんなウイスキーに挑戦して世界が広がっていくのを見ると嬉しいですね。
-GO
新しいお酒を知って、買って自宅で飲んでみようとか、楽しみが増えるのも良いですよね。

-中谷さん
家飲みとか居酒屋でしか飲んだことない人が、ここで角ハイボールを飲んで、「全然味が違う!」と言ってくれると、嬉しいですね。
同じ角でも、グラスの薄さや氷、濃さで味が変わるので。そういった深い味わいを知ってほしいですね。
-GO
なるほど〜。そうやってウイスキー沼にハマっていくわけですね。(笑)

-中谷さん
それに、”蒸溜所の人が来てくれるお店にしたい”というのを目標にしてて、ありがたいことにちょっとずつ増えてきてます。北海道の蒸溜所の方が来てくれたり、そういう繋がりでお酒の情報を入手したりはしてますね。新しいお酒ってどんどん発売されるので、棚が空いたら新しいものを入れるようにしてます。

-中谷さん
ラムは最初入れてなかったんですけど、意外とラムを求めるお客さんがいらっしゃって。どうせなら変わったラムを入れようかなということでペルーのお酒「ミロナリオ ソレラ15」を置いてるんですけど、好評です。

-GO
今後の目標は?
-中谷さん
売り上げの底上げはもちろんですけど、あとはイベントやセミナーを開きたいですね。
今年は落語会とワイン会をやり始めて。ワイン会では、フランスのワインをメインにしたので、その地域の郷土料理をあわせて提供したり。ジンやラムも人気なので、お酒の知識が深まるようなイベントができたらなと。
”なんか面白そうなイベントやってるな”と思ってもらえるようなお店にしていきたいです。うちも子どもが小さいので、縁日みたいな子ども向けイベントもしたいですね。
-GO
それきっかけで、親御さんに知ってもらってお客さんになればいいですね!僕もお酒にはもっと詳しくなりたいんで、イベント開催楽しみです。これからの活躍も期待してます。1周年おめでとうございます!
Photo by : MIU
CafeBar NitakaNa
【住所】大阪市中央区森ノ宮中央一丁目2-25 天方ビル2階
【営業日・時間】Instagramをご確認ください。
【定休日】日曜日・祝日+不定休