オーガニックビル
南船場四丁目でひときわ異彩を放っている、『オーガニックビル』をご存知ですか。
建物名は知らずとも、「ごっついビルあるやん」と多くの人が存在を認識せずにはいられない、そんな唯一無二の建築物でございます。
【物件概要】
所在地:大阪市中央区南船場4-7-21
築年月:1993年3月
設 計:ガエタノ・ペッシェ/UDコンサルタンツ
施 工:コーナン建設
規模/構造:SRC造・地下1階地上9階建
1993年にイタリアの建築家によって手掛けられた当ビルは、グッドデザイン賞の獲得歴もある名作ビル。
なにより目を引くのは、外壁から生えた132個の植木鉢でしょう。竣工当時は、世界各国から集められた50種余りの植物が植えられ、自動給水システムで管理されていたとか。
現在は環境負担に配慮し、すべての植物が自生できるものに植え替えられているそうで、よりオーガニックにパワーアップしておりました。
あらゆる生命体は、一つ一つの異なる細胞が有機的に結びつき、互いが合理的に作用し合い成長し、そして進化します。この生命体の完成された構造とシステムを取り入れたのが有機生命体ビル・・・ORGANIC-BUILDなのです。
ビルの外壁には、様々な大きさのパネルと132個のポッド(植木鉢)を付け、その鉢の中には世界各国から集められた50種余りの植木が植えてあります。これは「垂直の庭園」(古代メソポタミア文明の7大建築の一つバーチャルガーデン・・・縦庭・・・)として都市の中に自然を創ろうとしたものです。
オーガニックビル入口の掲載文
強烈なコンセプトのもと爆誕したビルだということがお伝えできたところで、いよいよ空き区画を見ていきたいと思います。
5階・6階/146.77㎡
こちらは、2フロアに分かれたメゾネット区画。「中めっちゃ普通やん」という感想は、撮影時に何度も何度も思いましたので、ここでは割愛させていただきます。
しかし実は、斜めになった特注の窓があしらわれていたり、傾斜がついた柱が通っていたり、細かいポイントが散りばめられていたりもするんです。
6階もいたって普通の事務所スペース。原状回復ありきですが、カーペットをはがすことは可能なので、オフィスライクなイメージを覆すポテンシャルは十分にございます。
上下階ともに空調も完備され、快適にお仕事がはかどるでしょう。
これにて、前編はおしまいです。前後編ともに基本的には事務所区画ですが、予約制の店舗なんかは相談できるかもしれません。アパレル会社やデザイン事務所など、感度の高いテナントさんが多く入っております。
大きな音が出る業種はNGのため、金物や機械を扱うアトリエなんかは難しいものの、アパレルの倉庫兼スタジオや、完全予約制のテーラーなどはいかがでしょう。とにもかくにも、相談する価値のある立地・広さです。
なにより、南船場の象徴とも言える「オーガニックビル」を拠点にするなんて、めちゃくちゃ渋い決断じゃないですか。誰もが知っているあのビルで、開業できるチャンスです。
以上、渋井不動産でした。