通天閣を見上げる戸建とは
本日やってきたのは大阪メトロ堺筋線「恵美須町駅」。
地下鉄の真上に通る堺筋を北上すると、そこは電化製品のメッカ、『でんでんタウン』だ。東京で言うところの秋葉原のようなものをイメージしていただればと思う。アニメショップやホビーショップ、メイド喫茶なども多く、歩いているだけで童心に戻れるワンダーランドなのだ。
それもそうだが、ここ恵美須町のランドマークといえばやはりコレ。
大阪のシンボル、通天閣。
通天閣のお膝元に広がるのは『新世界』。国内外問わず、あちらこちらから大勢の人がやってくる観光スポットだ。来る度に思うのだが、『新世界』という名称とは裏腹に、建物や街並みからは昭和のニオイがぷんぷんしている。新世界の「新」とは一体何に対してのNEWなのだろうか。
調べてみると、1912年に通天閣を中心とした『ルナパ-ク』が開園し、そこはメリーゴーランドやロープウェイなどの他に、様々な施設が建ち並ぶテーマパークだったそう。それまでにはなかった最新技術をふんだんに取り入れ、当時の人にとっては見るもの全てが斬新だったから『新世界』と名付けられたんだとか。
そんな歴史ある新世界から、住んで良し、商って良しな戸建て物件を紹介しよう。
それがコチラ。昭和23年築(築73年)、木造瓦葺2階建て。入り組んだ場所にあり、初見殺しも甚だしい隠れ家のような戸建てだ。
何よりこの物件、そのポジショニングがエグい。
通天閣の真下
空を見上げてみると、そこには通天閣がそびえ建っている。
通天閣塔頂の天気予報(※)が見えないほどの至近距離。これほど間近に大阪を感じられる部屋はそうそうない。地方から大阪に出てきた方も、ここに住めば大阪弁の上達も早くなること間違いナシや(※個人差があります)。
※白く光っていれば「晴れ」、オレンジは「曇り」、そして青が「雨」といった具合。ちなみにピンクは「雪」で、かなりレア。
門扉を開けると、石畳が敷かれた風情のある庭。
純粋にガーデニングを楽しむのも良いが、このようなスペースがあると、駐輪場所に困りがちな中型~大型バイクも突っ込んでおける。ま、使い方はあなた次第といったところだ。
玄関扉はこんな感じ。
建物自体は骨董品レベルのチクフルっぷりだが、玄関扉は比較的新しめ。白い汚れが付着しているが、『激落ちくん』などのメラミンスポンジで擦ればキレイになりそうだ。一度試してみてくれ。
ちなみに、少しだけエリアが異なるが、『でんでんタウン』の少しハズレにも似たような隠れ家戸建てがあるので、是非そちらもチェックしてみてほしい。
※『 日本橋の隠れ家戸建て、事務所利用可で月額7万ちょい。』
玄関を開けると、まずは4.5帖ほどのホールスペース。板張りの壁にナチュラルカラーのクッションフロア。築73年ということもあり内装にはあまり期待していなかったが、どうやらそれは余計な心配だったようだ。普通に良い。
冒頭で「住んで良し、商って良し」と言ったが、聞くところによると以前は料理教室として使われていたらしい。これでもかと大阪を感じられる場所で、大阪のソウルフードを教える。実に小粋じゃないか。
各種教室はもちろん、物販店や事務所としてもOK。その他業種の制限については一度お問い合わせを。
ホールスペースにはトイレがあり、お便器は比較的高年式タイプに入れ替え済み。
写真にはうつっていないが、お尻に優しいウォシュレット付き。あなたにとってもお客さんにとっても嬉しいスペックだ。
そして階段下には収納スペース。
紙ヤスリが放置されていたが、何を磨いたのものかは不明。察するに、前入居者さんが料理の腕でも磨いていたのだろう。
6帖洋室
さて、玄関ホールのお隣には6帖の洋室。キッチンは写真右手側にスタンバイしており、間取りで言うなら3Kといったところだろうか。
そして視界の9割が障子に侵されるという圧巻の光景。これほどの数のマス目を見ると、ついつい得意の北斗百裂拳が炸裂しそうになるが、この障子はガラス製。破ろうものなら皮膚も破れて大惨事になるのでご注意を。
シャッ
障子を開けてみるとそこには縁側。スイカの種でも飛ばしたくなるが、庭のサイズ的に飛距離を競うのは難しそうだ。線香花火もよく似合いそうだが、火気の使用にはくれぐれも注意してくれ。
キッチンスペースは約3帖。
シンク上部に取り付けられた給湯器に時代を感じるが、シンクや調理スペースは広く確保されており、コンロさえ置いてしまえば使い勝手の良いキッチンになるだろう。吊戸棚も豊富で、収納力も十分に備わっている。
キッチンの向かい側には洗濯機置場のような形跡があるのだが、蛇口があったであろう部分には蓋がされており、あいにく現状は使用不可。もう一度洗濯機置場として使うこともできるかもしれないが、無理だった場合は庭に洗濯機を置くことになるだろうか。
洗面台×浴槽
キッチン向かって右手にはバスルーム。
この空間には洗面台と浴槽が同居中。浴槽は洗面台の向かい側にあるのだが、現状とてもお見せできる状態ではなかったので、今回は割愛させていただくとしよう。実際に現地で確認していただければと思う。
スペックのほどは追い焚き機能が搭載。とはいえ、三角座り入浴必須の正方形タイプなので、湯をはる機会はそう多くなさそうだ。
もっと広々とリラックスして入浴したい場合、物件のスグ近くには新世界の老舗銭湯『ラジウム温泉』があるのでそちらでどうぞ。
看板にも書かれている通り、露天風呂に浸かりながら通天閣を見上げることができる唯一無二の銭湯だ。根強いファンがいる理由も頷ける。
※営業時間や料金システムなどについては、ラジウム温泉HPでご確認を。
2階へ
場面戻って、続いては2階をチェケラしていこう。
6帖和室×2
2階には6帖の洋室が2つ。この雰囲気、茶道教室や書道教室なんかもハマりそうだ。
本来は真ん中に襖があり2つの空間に仕切られているのだが、今回は紹介の手間を省くために取り外した状態でお送りしている。個人的にはこのぐらい広々とした和室の方が好みだ。
また、最後の間取り図でご確認いただければと思うが、写真左手にはたっぷり容量の押入れがあるので、収納力については何の心配もない。
地袋(写真右下)や違い棚(写真左)など、和室ならではの造作に興奮を覚えるのは私だけではないはず。「和室はいらない」という声をよく耳にするが、こんな和室ならインテリアの妄想も膨らんでくるのではないだろうか。
さて、これにて紹介はオシマイ。
浪速区は恵美須東一丁目、通天閣の真下から登場したコチラの物件は45㎡の3K(庭付き)。最寄りの大阪メトロ堺筋「恵美須町駅」から徒歩5分。繰り返しになるが、当物件は住んで良し、商って良し。もちろん、住みながら商うというのも大歓迎だ。
ここで具体的な初期費用や賃料は発表しないが、とりえあえず10万を切るということだけは言っておこう。その他、業種の制限などについてはお気軽にお問い合わせを。
まとめ
【良かった点】
◎住んで良し、商って良しという間口の広さ
◎通天閣の真下という希少なポジショニング
◎風情を感じる石畳の庭
【気になった点】
△現状渡しなので、細かい汚れが気になるかも
△洗濯機置場が庭になる可能性アリ