1位の街
本日やってきたのは千日前線・長堀鶴見緑地線「西長堀」駅。
このあたりは、住環境として非常に完成されていると言っても過言ではない。その詳細は以前『渋井の論』にてアツく語ったことがあるのでそちらを参照してほしい。時間がない方のためにザックリ言っておくと、渋井不動産が選ぶ『住みたい街ランキング』でナンバーワンに輝いたエリアだ。
→『【渋井の論】Vol.2 「住みたい街ランキング」BEST3』
さて、お目当ての物件までは駅から徒歩8分ほど。決して駅チカと呼べるポジショニングではないが、軽い運動だと思えばどうってことはない。
心臓破りの階段
当物件は昭和45年生まれの御年50歳。
ご覧の通りエレベーターはない。あるのは階段と、お母さんから貰った二本の足だけだ。五体満足で生まれたことへの有り難みを感じ、一段一段感謝しながら上ってほしい。
そんなわけで目的の部屋は5階。これに関しては軽い運動とは呼べない。控えめに言っても結構キツイ。覚悟しておいてくれ。
5階に到着するとズドンと伸びる共用廊下。
何より目を疑ったのは、玄関前に自転車が置かれているということ。許可されているのか黙認されているだけなのかは分からぬが、いずれにせよ5階まで担いで上がってくるなんて相当な猛者に違いない。
紹介の部屋は階段を上がってスグ左手の角部屋。そのため先ほどの廊下を歩くことはない。仲間ハズレ感は否めないが、“オンリーワン”と表現すればこの部屋の無念も晴れるはずだ。
玄関を開けてみるとこんな感じ。
裸電球がぶら下げられた土間には小ぶりなシューズボックスがスタンバイ。土間自体もそこそこ広めなので、多少靴を脱ぎ散らかしたとしても足の踏み場に困ることはないだろう。
違う角度からもご覧あれ。
建具や雰囲気は築50年のソレだが、清潔感については何の問題もない。良く言えば“レトロ”、悪く言えば“古臭い”だ。
ここで間取りを言っておくと、当物件は35㎡の2DK。写真右手の引き戸は和室と洋室に続き、ド正面の扉はDKに続く。順を追って見ていこう。
和室5.5帖
まずは5.5帖の和室から。
畳に擦れや破れなどは見受けられないが、い草の香りは限りなくゼロに近い。
そして採光面は東。ここを寝室にすれば、窓から差し込む朝日によって清々しい目覚めが期待できそうだ。逆に言えば、朝帰りした日は眩しくて寝苦しいかもしれない。
エアコンが装備されているのは嬉しいが、あいにくエアコンのある居室はここだけ。洋室やDKはエアコン無しのスパルタ仕様だ。
小ぶりではあるものの、バルコニーもバッチリ完備。
見ての通り物干し竿なんてものはなく、洗濯物を吊るすのは2本のヒモ。このあたりからも当物件のレトロっぷりが感じられる。
洋室6.5帖
続いては6.5帖の洋室。
和室にもDKにも隣接しているので、ここはリビングとして使うのが正解だろうか。
押入れの容量も申し分ない。突っ張り棒や収納ボックスを駆使すれば、洋服の収納もお任せあれだ。
そして「窓が多い」というのも、この部屋を紹介するに至った理由のひとつ。
北と東の二面採光で、昼以降の直射日光は期待できないが明るさとしては十分だ。むしろ、直射日光を避けたい敏感肌の方にとっては丁度良いのかもしれない。
先述の通りこの洋室にエアコンはないが、窓を開けておけば気持ちの良い風が吹き抜ける。
DK4帖
場面変わって4帖ほどのDK。ここで言う「DK」とはドンキー・コングでもなければドリフト・キングのことでもない。あくまでもダイニング・キッチンのことだ。わざわざ言うまでもないが。
何より目を引くのは、やたらと低めに設置された可愛らしい洗面台。いかんせん筆者(身長173cm)の膝ぐらいの高さしかないので、腰への負担が懸念される。猫ひろし(身長145cm)なら丁度良い高さだろうか。
キッチンにコンロは置かれていないので、ご自身で用意いただく必要がある。
そしてこれまた立派な窓たちだが、換気扇が窓に埋め込まれているため、上部の窓は開けられないものだと思っておいてほしい。よくもまぁ網入りガラスをあれほどキレイに切り抜けるものだなと関心する。「その気になれば何でもできる」ということを教えてくれているようだ。
水回り
続いては水回りを見ておこう。
築年数を感じさせないFutoo!!のバスルームには、追い焚きや浴室乾燥機なんてものはない。地味ではあるが、換気窓があるのは嬉しいポイントだ。
※Futoo!!:普通に良い。
もちろんトイレにも窓。おかげでニオイが籠もる心配もない。
便器自体はウォシュレット無しのクラシックタイプ。一応コンセントもあるので、その気になればウォシュレット付きの便器にアップグレードすることもできる。とはいえ、賃貸という性質上、アップグレードする前にオーナーさんへ取り替えの旨を確認しておくのが利口だ。
おまけ
ずっと黙っていたが、屋上は共用の物干しスペースとなっている。バルコニーで干しきれなかった洗濯物はここに干すと良い。
インスタ映えは望めないが、いわゆる“ootd”の撮影なんかには向いていると思う。
※ootd:「今日のコーデ」の意。”outfit of the day”の略。
さて、ここまで紹介してきた当物件は、千日前線・長堀鶴見緑地線「西長堀」駅から徒歩8分ほど。
築年数相応の年季は感じられるが、窓が多くて気持ちの良い空間は独立角部屋ならでは。バルコニーもあるし、風呂・トイレはセパレート。階段で5階というハードルの高さを除いては、生活する上で何の不便もない。
それでいて賃料は月額6万円(礼金6万)。
住みたい街ランキングナンバーワンのエリアから登場したオンリーワンの当物件は、争奪戦必至だ。
【良かった点】
◎住環境が整った南堀江四丁目
◎最上階角部屋
◎広さや内装に対して破格の賃料
◎豊富な採光面
【気になった点】
△階段5階
△やや年季を感じる設備