弊社でご仲介させていただいた『MAISON PARK』が6月8日で1周年を迎えられました。おめでとうございます。
今回は物件探しを担当した渋井不動産のトモが、『MAISON PARK』代表の石本雄人さん、ディレクション・バイヤーの永友怜央さん、ショップスタッフの吉村正浩さんにインタビュー。
広告代理店でビジネスのノウハウを学び、アパレルとは全く違う業種で独立されていた石本さん、開業にあたり福岡から大阪に居を移した永友さん、インタビュー前日が初出勤だった吉村さんと、多彩なバックグラウンドを持つ御三方に迫ります。それでは、どうぞ。
開業のきっかけについて

ートモ
石本さんはファッション業界とは違う事業をされてましたが、服屋さんを開業するキッカケって何だったんですか?
ー石本さん
僕がもともと買い物に行ってた福岡のお店で、永友さんが接客してくれてて、「服の経費をいっぱい使うんです」って話したら、「じゃあ、服屋さんやったらいいじゃないですか」って言ってくれたのが最初で。
ートモ
永友さんの提案だったんですね。てっきり私、石本さんが永友さんをヘッドハンティングしたのかと思ってました。永友さんはその時、どれくらい本気だったんですか?
ー永友さん
僕はセールストークもあったんですけど、”1人でやりたい”って思ってたのもあって。なので、最終的に僕にディレクションが来るんじゃないかなっていう予感はありました、なんとなく。

ートモ
なるほど。石本さんが「やる」って言うなら、福岡から大阪に行くぞっていう感覚だったんですか?
ー永友さん
いや、最初は福岡を打診してましたね。でも、結局やりたかったことが一つ叶った瞬間でもあったので、大阪に行くのは凄く楽しみでした。もちろん怖さもありましたけど、何よりも楽しさの方が勝ったかなっていう。
ートモ
そろそろ独立したいなっていうタイミングだったんですか?
ー永友さん
誰よりも早く独立したいって凄く意識して生きてたので、タイミングというより、明日にでも明日にでも、って考えてました。福岡時代は、コロナとか色々重なって我慢を強いられることも多くて。なかなか希望のショップに就職できなかったって事もあるんですけど、それでもそこで学べる、自分から学びに行けるところを、とにかく必死でやってきた結果だと思います。

ートモ
なるほど。チャンスを掴みに行ったんですね。石本さんは、実際に開業しようと思い立ってからオープンまで、どういった流れだったんですか?
ー石本さん
最初、渋井不動産にお願いしたときは、確か事務所を借りたくてオーガニックビルを見に行ったんですよ。京橋の事業を手放すから、大阪に新しい事務所が欲しいなと思って。お洒落な事務所に服屋さん併設したら便利かなって、相談してたじゃないですか?
ートモ
そうですね。自分の事務所にちょっと販売もできるスペース、って感じでしたよね。

ー石本さん
でもいざ自分がお店に立つとなったら、営業日もまちまちで、段々やらなくなると思ったんです。で、ふと永友さんのこと思い出して、彼が来てくれたらめっちゃいいのにって思ったんですよ。それが2024年の12月ぐらい。
それで福岡に行って。焼き鳥屋のカウンターで話をしたら、前向きに考えてくれて。年明けてから、「こういう条件でお願いしようと思うから改めて時間取ってほしい」ってカフェに行ったんですね、確か。
ー永友さん
そう、FUGLEN COFFEEに。そこからは結構、二つ返事で。行きましょうかってなって。

ートモ
もともとお客さんと店員さんで、大阪と福岡っていう距離もある状況っていう中で、開業までのお二人の信頼関係はどういう風に築かれたんですか?
ー石本さん
何回か喧嘩はしてます(笑)
ものすごい軽い言葉で言うと、僕は多分ノリでやりたいタイプで、彼は洋服だけを追求してきてるし、音楽や映画にも精通してて、それを深めてきた人なんで。
ー永友さん
僕はファッションの文化的な部分とかに凄く興味を持ってて、やっぱり提案する以上、ひとつひとつのモノに対してちゃんと本質的でいたいっていう考えで。石本さんはビジネスの面で凄く頭がいい人なので、僕の抽象的な観点と、どうしても矛盾が生じてくるというか。アパレルって、ビジネスでは非常に難しくて。どちらかというと僕はそこが苦手なんで、ぶつかることは結構ありました。

ートモ
お互いに無いものを持ってる良い関係性ですよね。では、”ファッションの文化や本質的なところ”について、少し噛み砕いてお伺いできますか?
ー永友さん
やっぱり物事には、ひとつひとつ用途や歴史があって。色んな背景の中で、それらを日常に楽しんでもらうのって凄く無限性が高いんです。沢山ありすぎるからこそ難しくて、結局は伝える側が自分のスタイルを確立しないといけない。”自分自身が本当にカッコいいと思える確信を持つ”ことをずっと追求し続けて、お客様にも信じてもらえるような、そういった部分を今もやり続けてますかね。そこがある種、本質的な部分かもしれないです。
ートモ
お客様の希望の奥にあるものを読み取って、どういうシーンで、どういう風に使うか、歴史やデザインの背景も理解した上で、説明や提案をするのは大事ですよね。
物件探しについて

ートモ
物件探しについて。当初の希望エリアではない「靭本町」を私が提案したとき、正直どう感じましたか?
ー石本さん
当時たまたま家がこの辺だったので、街自体は好きっていう感覚があって。あとこれは表現難しいですけど、大阪は服を買う街が決まってて面白くないなと。梅田、堀江、心斎橋、南船場かな。だから靭周辺が開発されてる空気感はいいなと思ってたんです。ちょっとずつセンスある店が増えてきて、なにわ筋線も開通するし。直感で良さそうと思いました。
ートモ
空中階のアパレル店舗に、抵抗はなかったですか?
ー石本さん
あんまり深く考えてなかった(笑)今考えたら路面の方が良いって絶対なると思うんですけど。ま、家賃とかもあるんで。
内装と唯一無二の強み

ートモ
内装についてもお伺いしていいですか?
ー石本さん
全国の色んなお店を見に行きまくって、良いって思った店の設計士さんに直談判しました。途中から永友さんにも打ち合わせ入ってもらって。僕は人の影響を受けやすいから、その人のデザインがいいなと思うけど、永友さんは僕に対して、石本さんのオリジナリティはどこなんですか?あなたの背景や文化はどこに表現されてるんですか?ってめっちゃ言うから、やめて⋯ってなって喧嘩(笑)
ー永友さん
でもその甲斐あって、建築の知識深い人だったり家具が好きな方とか、服じゃない部分にも興味を持っていただけるんで、やっぱ嬉しいです。

ー永友さん
古着屋って凄く沢山あるんですけど、まず僕は、このショップを古着屋って捉えて欲しくなくて。セレクトも置いてますし、アーカイブと言われるもの、当時のコレクションを展開したメゾンブランドのアイテムも置いてますし、US、EUROのヴィンテージもあるので、僕としてはクロージングショップでしかないというか。他には無いお店を作らないと、意味ないとは思ってますね。
ートモ
他にはない強みは、どういうところですか?
ー永友さん
展開の仕方もそうですし、この坪の広さとか。ギャラリー的にもなっていて、一応服屋ではあるけど、服屋に来た感覚にならない、面白いところでもあるのかな。
物件の決め手と店名の由来

ートモ:
この物件の決め手みたいな部分はどういった観点でしたか?
ー石本さん
雰囲気っすね。外観、周辺の空気感、共有部の階段とかエレベーターの中とか。この空間自体、なんか雰囲気が良かったです。
ー永友さん
昨日もそれこそ、お客様がいない時とか窓の近くに椅子を置いて、ゆっくりする時間があったんですけど、凄く陽が綺麗に射してくれて、本当に独特な気持ち良さがあるというか。この空間じゃないと味わえないような、空中階なのに吹き抜けのような物件で。石本さんも僕もレガシー感のある内装が好きっていうのがあるんです。ちょっと遺跡のような。

ー永友さん
その遺跡の雰囲気に、ミッドセンチュリーなアイテムたちっていうモダンさに非常に魅力を感じてて。そういうものの表現って、どうしても海外の建物との親和性が高いんですけど、この大洋ビルもレンガ調の建物で親和性が高いなって。ある種クロージングな雰囲気もあって、大人な、アダルトな雰囲気で色気もありますし、そういった部分で凄く良い物件だなと思いました。
ー石本さん
公園の前って感じなのも良かったですよね。

ートモ
『MAISON PARK』っていうお名前も、ロケーションからきてるんですか?
ー石本さん
ロケーションですね、直感です。「PARK」だけだと駐車場っぽいので、「MAISON」をつけて、家族って意味もいいなと。ロゴのデザイナーさんに、子どもたちと公園で遊んだのが一番好きな思い出って話をしたら、その意味を込めてロゴ作りますって言って下さって。 一応そういう背景もありますけど、最初は公園が目の前にあるから付けました。ロゴの線も、公園の横の道みたいな意味があります。
『MAISON PARK』のスタイル

ートモ
吉村さんは、いつから参戦ですか?
ー吉村さん
昨日から。 何年かいる顔だと思うんですけど(笑)
ートモ
昨日から!?めちゃくちゃフレッシュ!偉い方みたいな風格、すごいです(笑)
どういう経緯でここに入ることになったんですか?
ー吉村さん
もともと存在は知っていて。メゾン系のブランドでずっと働いてたんですけど、Instagramで募集を拝見して応募しました。石本さんや永友さんが思い描いてるビジョンに対して、ご協力できたらなっていうので。

ートモ
『MAISON PARK』は、アパレル業界の方からどういう風に見えてたんですか?
ー吉村さん
本当に今っぽいと言うか。感覚的な部分で、業界をリードしたようなお店が出てきたなって。家具とか洋服もそうですけど、 複合的なカルチャーの側面が見えるショップってなかなか少ないので、 携われるなら面白そうだなと。大きいメゾンさんだとこのスタイルは幾つか思い当たるんですけど、この規模感は全国的にも少ないと思います。
ートモ
最初からこのスタイルを狙った感じですか?それとも、思い描くものがたまたま、業界的には新しい感じだったんですか?

ー永友さん
ヴィンテージって物売りではなく、 あくまでファッションですし、洗練されたものほどお値段もしますよね。そういう空間の敷居を跨ぐ怖さもあるでしょうけど、若い子に試してもらう機会を作っていきたいですし、誰でも触れる、見える空間っていうのを作りたかったんです。
90年代の原宿カルチャーとか渋谷もそうですけど、古着っていうとその世代の若い人たち、若かった人たちが今大人になって、 どうしてもそのイメージが強いと思うので、そうではなく、ちゃんと色気のある空間にして、 そこに当時懐かしいアイテムだったりを置いて、久々に着てみようかなって、きっかけのお店になればって思ってますね。 意外とメゾンブランドって、昔のアイテムを元ネタに作ってたりとかするので、全然トレンドでもありますし。ちょっと、だいぶ話ズレてますかね。
ー石本さん
うん、大丈夫。

ートモ
私自身もこういうヴィンテージのお店は、「何にもわからない素人が行っていいのかな」とか「高いんだろうな」「冷やかしみたいに思われたらどうしよう」って感じだったので、きっかけのお店って聞くと行きやすいなと思います。
ー永友さん
そうですね。フラッと来て空間を楽しんで下さるのも嬉しいですし、他のお店には無いようなアイテムも非常に多いので、見て楽しんでいただけたら僕たちもありがたいです。何よりも、普段は絶対に手に取らない、見れないであろうお洋服を纏った時に、自分がどういう気持ちになるのか、そんな楽しみ方もあります。20代のお客様から50代・60代の方もいらっしゃるので、誰でもぜひフラッとお立ち寄りいただけたら。
ー石本さん
こう見たら威圧感すごいと思うけど、喋ったらめちゃくちゃ優しいんです。

改めて、『MAISON PARK』1周年おめでとうございます。そして、インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。お話の中では、次の表現も模索しているといった内容もあり、今後の展開にも注目です。
以上、渋井不動産でした。
MAISON PARK
【住所】大阪府大阪市西区靱本町一丁目15-20 大洋ビル4階
【営業時間】12:00-19:00
【定休日】水曜日