長居公園の新スポット
「長居公園に新スポットが誕生していた」
できるできると聞いていた長居公園の新スポットが、夏をエンジョイしている間にオープンしていました。これは由々しき事態。というわけで、夜の長居公園に馳せ参じた次第です。
お目当ては、チームラボ ボタニカルガーデン大阪。「昼間は植物園である場所が、夜はそのまま作品空間になる」というのですから、いわば長居植物園の”夜の部”とも言えます。
「夜の街と長居公園なら、僕に任せてください」
頼もしい一言とともに、あの男も一緒にやってきました。
タイクンです。
あれは今年の春頃、ひょんなことからリニューアルした長居公園の取材に同行することになり、「長居公園といえばあの男」というイメージをやんわりと植え付けられたタイクン。
しかしそんなイメージも甘んじて受け入れる彼は、今回の取材にも快く駆り出され、そこそこ通行量の多い公園内でご覧のポージングをとってくれています。
チームラボ ボタニカルガーデン大阪
そもそもチームラボとは、最新のテクノロジーを活用したシステムや開発を行うデジタルコンテンツ制作会社です。「デジタルアートコンテンツ」の先駆けとして知られ、国内はもちろん、ニューヨークや上海など世界中で多くのアート作品を手掛けています。
そんなチームラボが手掛けた「ボタニカルガーデン大阪」の概要が上記。要約すると、『季節によってインタラクティブに移り変わる植物園の景色や自然、人々の影響をアート作品にする』といったところでしょうか。わたしも定かではないですが、インタラクティブが肝というのは何となく掴みました。
ちなみに当スポットは期間限定ではなく「常設」です。先述のように、”季節によって移り変わる自然”が作品ですから、シーズンごとに違う表情が見られるかと思います。また、季節の植物による作品(今夏はヒマワリ畑でした)も見どころです。
入場開始
チケットは事前購入が必要。取扱いは公式HPやローチケなど、各サイトをご確認ください。チケット料金は下記の通りです。(2022年8月時点)
大人(高校生以上) ¥1,600
引用:https://botanicalgarden.ticket.teamlab.art/#/
子ども(小中学生) ¥500
※中学生以下の方の入場は、18歳以上の保護者同伴。無料のお子様含め、子ども3名につき保護者1名が必要。
営業時間は時期ごとに異なり、8月は19:30~22:00(最終入場21時)、9月は19:00~21:45(最終入場20時45分)とのこと。詳細は公式HPをご確認くださいませ。
園内には10を超える作品があり、光や音でそっと表現されたものから、視覚に訴えかけるような生命力が感じられるものまで様々。
全てに共通して言えるのは、昼の植物園とは全く異なる空間に仕上がっているということです。今の言葉でいう「フォトジェニク」な作品たちは、平日夜でも多くの人が訪れていました。
風の中の散逸する鳥の彫刻群
こちらはキービジュアルのひとつである作品。「実際に周辺を飛ぶ鳥が、周辺の環境に連続的に与えるエネルギーを描き続ける、巨大な彫刻群」という内容です。
現地で見ると、この彫刻には映像が投影されており、躍動感のある渦巻きは、とてつもないエネルギーが感じられました。だんだんと移り変わる色からは、朝や日中、夕方のその時々に飛び立つ鳥たちの風景が浮かび上がります。
ツバキ園の呼応する小宇宙
ツバキ園の木々がライトアップされた空間「ツバキ園の呼応する小宇宙」も、当スポットを代表する作品です。
あちらこちらにOvoid(オウヴォイド/卵型の物体)が散りばめられており、”メタリック”とも形容できるこのOvoidは、61色の光から成る「固形化された光の色」。
一方、タイクンがお触りしているOvoidは、57色から成る「液化された光の色」と名付けられた作品。先ほどの”固形化された光の色”に比べ、乳白色がかった色味が特徴です。
自立しつつも呼応する生命の森
球体はユーカリの広場にもあり、ツバキ園のOvoidに比べ、ゆらゆらと自立しているのがこの作品の特徴。解説では「人にかき分けられたり、風に吹かれたりして倒れると、立ち上がりながら光の色を変え、色特有の音色を響かせる」とのことでした。
当スポットで意外に思ったのは、「触れられる作品」が多いこと。もちろん全ての作品に通づることではないですし、立入禁止エリアもございます。
しかし作品の多くは、人々が近づいたり触れたりすることで光や音の変化が感じられるようになっており、それもまた「人々や自然の影響もアートになる」という真理なのでしょう。
番外編:もっと作品を楽しむ
ちなみに、最大限に作品を楽しみたいという方は、チームラボのアプリを駆使してみてもいいかもしれません。
写真右側の黒いアイコンは、作品のコンセプトが読めるガイドアプリ。ご注意いただきたいのは、ただダウンロードしただけではガイドが表示されないということ。
「近くにある作品のコンセプトを知る」ため、実際に作品を目の当たりにして初めて説明が読める仕様です。
そして「Distributed Fire」は、二次林の『森に憑依する炎』の前で起動すると、”炎を持ち帰る“ことができるアプリ。一度持ち帰った炎は、今もなお、アプリを起動するとぼうぼうと燃え続けています。
面白いのは、他の人のアプリに近づけて”炎をつなげる“ことも出来る点。繋がった炎はアプリ内の「炎地図」で確認でき、世界各国に分け与えられた炎もまた分権型のアートになるのです。
大池に浮遊する呼応するランプ
最後にピックするのは、大池に浮かぶ無数のランプです。
それぞれに自立したランプたちは、人がランプの近くで立ち止まっていたり、風に吹かれて傾くと、強く輝き音色を響かせます。周辺のランプたちもそれに呼応するように光を輝かせることで、辺りは一気に幻想的な空間へ。
大池を取り囲むようにぐるりと列を成す人々の大半は、レンズ越しに作品を見ていた印象です。ぜひ肉眼にも焼き付けてほしい。池に浮かぶ光の変化を見ながら、そう思いました。
いかがでしたか。7月29日にオープンしていた「チームラボ ボタニカルガーデン大阪」は、連日多くの人が訪れるフォトジェニックなアート空間です。
「自然そのものがアートになる」コンセプトの通り、光や音、そして人や自然の影響により呼応する作品たちがお楽しみいただけ、園内を一周したタイクンも、キムタクに呼応する男前へと変貌を遂げました。
ぜひとも、昼間の植物園から訪れてみてください。昼と夜のギャップもまた、作品を味わうスパイスになるはずです。
以上、チームラボ ボタニカルガーデン大阪のレポートでした。