あゝ金剛山
おまつです。本日は中央区東平一丁目へやってきました。
どこやそれ、と思う方もいるかもしれませんが、まずは咲き始めた桜でも見て落ち着いてください。そして物件話に花でも咲かせませんか。
上手いこと整ったところで、写真は、紹介物件から徒歩3分の場所にある東平北公園です。今日のように晴れた日には、サンドイッチなんか片手にお花見気分を味わうのも一興ですね。
公園入口には明治の詩人・薄田泣菫「金剛山の歌」の文学碑も。こちらは同氏が谷町八丁目にある本長寺に仮住まいしていた頃、朝日を浴びて金色に輝く葛城山嶺に感動して歌ったものだそうです。あゝから始まる冒頭は、久石譲がメロディをつけると校歌にでもなるんじゃないでしょうか。
なお、現在ココから金剛山は見えないとのことなので、石碑に刻まれているのは幻の景色ということになります。
寺、招集
また、大阪市中央区から住吉区まで約12kmの一帯は「上町台地」と呼ばれ、お寺が多く存在。写真の上町筋にも等間隔で寺院が並んでおり、人から船まで様々なものが供養されています。
寺が多いのは、豊臣秀吉が大阪城を築く際、防壁代わりに大阪各地の寺をここに移転させたためとの一説も。大阪各地の坊主を集結した天下一仏閣会だったわけです。
分譲賃貸
さて、大阪メトロ千日前線・谷町線『谷町九丁目駅』、近鉄奈良線『上本町駅』より徒歩7分。辿り着いたのは、築43年を迎えた9階建ての分譲マンション。
白い壁にブルーのフレンチデザインが効いた外観はどこか上品さが感じられ、写真左手の駐輪場には自転車が整然と並べられています。
宅配ボックスも備わったエントランスはオートロック付き。セキュリティを突破すると、カラフルな絵画が飾られていました。
徒歩3分ほどのスーパー・阪急オアシスで食料品など沢山買い込んだとしても、重い荷物を一旦ベンチに置いてエレベーター待ちが出来るのは嬉しいですね。
開くと分かる
目的の5階へ到着。スカイブルーの玄関ドアは築古マニアにグサリと刺さる絶妙なレトロ感です。
ちなみに写真右手は非常階段。すなわち、角部屋でございます。では早速お邪魔しましょう。
玄関ドアを開けると、視界に飛び込んでくる採光が眩しすぎて「おおお」などと普通のリアクションしか取れませんでした。光とともにユーモアも消し飛んだのかもしれません。
この玄関からのビューで部屋の紹介が9割ほど終わった感じもありますが、ひとまず探索を続けます。
シューズボックスは土間の上部に。容量は4足ほどです。決して十分とは言えませんが、無いよりはあった方が嬉しいでしょう。刺身の上のタンポポみたいな。
また、上段への出し入れとなると脚立必須。手間ではないと言えば嘘になりますが、無いよりはあった方が嬉しいでしょう。フルーチェの上のミントみたいな。
私の体感的には
室内は15帖のワンルームですが、体感的には20帖はあろうかという広さでした。二面採光から入る抜群の陽光が開放感を与えてくれるのでしょうか。
築年数の割りに内装はキレイめ。これはリノベーションの賜物でしょう。
くるりと角度を変えて。
リノベーションと言ってもビシビシの内装という訳ではありません。レトロな部屋の雰囲気と馴染みのいい絶妙なデザインです。キッチンのコンロはご自身で用意いただくタイプ。2口でも3口でもお好きなものを設置くださいませ。
では、目玉のバルコニーへ出てみましょう。
バルコニーは西向き。陽当りは午後からが本番となります。
これほど太陽がサンサンと降り注いでくれるならば、一日に二回洗濯したとてバッチリ乾いてくれるに違いありません。
再び室内へ。
アクセントカラーはスカイブルーで統一されており、北欧風のカラーリングは右手の玄関ドアからフランスパンを抱えたパリジェンヌが現れても何ら違和感はないでしょう。
ちなみに、真ん中のドアを開けると給湯器が格納されています。そう、当物件には収納がございません。部屋のゆとりは十分なので、チェストやワードローブなど自由に配置したいただければ幸いです。
では、最後に水回りを紹介しておさらいに移りましょう。給湯器スペースの左隣、引き戸なのか開き戸なのか分からないドアの向こうにスタンバイしております。
これほど綺麗めなお部屋ですから、俄然その辺りの期待値も高まりますね。バスルームは白いピカピカの逸品だったりするんでしょうか。
青ぉ。
風呂場だけ水中かと思いましたね。地上です。
中に入ると、そこまで青くはありませんでした。昔ながらの銭湯って、こんな色だったっけ。ちょっとやそっとじゃ落とせそうにない細々した汚れは、居室の分の年季まで凝縮されたのかと思うほど。
特筆する機能は備わっていないものの、浴槽はYAMAHA製。ここで音楽教室を開けば、YAMAHA音楽教室が爆誕します。
洗面台もYAMAHA製。楽器やオーディオ機器、バイクなどでお馴染みの同社は2013年まで浴室製品や洗面台を扱っていたそうで、約10年ほどしか製造されていなかった幻の逸品。
もちろん蛇口が伸びることもありませんし、内開きのドアを開くと完全に隠れる位置に設置されていますが、YAMAHAブランドというだけで許容しそうではないですか。あ、許せませんか。
トイレは、令和とは思えない空間。
当然ウォシュレットはありませんし、便座ウォームなんてものも知らない世界線で存在しています。
とてもじゃないですが、同じ室内とは思えないこのギャップ。
しかしながら、敷金ゼロ・礼金12万円の月額6.4万円で住めるのならば、このギャップも愛らしく感じませんか。
『谷町九丁目駅』『大阪上本町駅』も徒歩7分で、東梅田や難波、神戸三宮も電車1本。フレンチブルーが効いた35㎡の陽当り抜群ワンルームで、ゆとりある一人暮らしはいかが。
【良かった点】
◎2駅3路線のアクセス
◎整理整頓が行き届いた共用部
◎抜群の陽当り
◎安くて広い15帖のワンルーム
【気になった点】
△年季を感じる設備面
△収納なし
お問い合わせは、渋井不動産まで。
(物件番号:86239)