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ごきげんよう、渋井不動産の時間だ。
本日の舞台は十三。阪急宝塚本線・京都線・神戸線の計3路線が使えるということもあり、交通の便は非常に良い。しかし紹介の物件までは徒歩12分と腰が重たくなる遠さ。とはいえ、田舎育ちの筆者にとっては別にどうってことない距離だ。
駅の西側には「ションベン横丁」と呼ばれる飲み屋街。写真を見てお分かりの通り、地域を挙げて小便小僧をマスコットキャラクターにするという攻めた街でもある。キャッチのニィちゃんネェちゃんも多く立っているので、繁華街の喧騒が苦手な方にはあまりオススメできないエリアかもしれない。
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駅から物件までの道中には、大きな『野中南公園』がある。紹介の物件まであともう少しだ。
公園の面積8割ほどが広場となっており、遊具があるのは僅か1割ほど。残りの1割は植栽という、ほぼグラウンドみたいな公園だ。その広大な広場を活かして、時々フリーマーケットやチャリティーイベントなども開催されているんだとか。ちなみに、私が来た頃はじいちゃんばあちゃん達がゲートボールを楽しんでいた。
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物件から徒歩1分ほどの場所には「十三病院」がスタンバイ。まるでマンションのような見てくれだが、れっきとした病院である。
診療科目は内科と整形外科。万が一自宅で両足を粉砕骨折したとしても、匍匐前進で辿り着くことができる実に頼もしい距離感だ。
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階段5階

そうこうしていると物件に到着。
当物件は昭和49年4月生まれ。今年で築47年を迎える鉄骨造5階建てマンションだ。
駅から12分も歩かされたというのに、無慈悲にもエレベーターはない。しかも所在階は5階。匍匐前進で病院へ向かうにも、この階段が一番の難関となるのは言うまでもない。

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そしてどういうわけか、階段の踊り場には物干しスペースが設けられている。こんなところに洗濯物を干されると通行の妨げになりそうなものだが、これは決して住人が勝手に取り付けたものではない。あくまでもオフィシャルのソレだ。
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ワンフロア一戸

5階に着くと現れる鉄の扉。
紹介する一室はワンフロア一戸。上階からの床ドンや、左右からの壁ドンとは無縁のストレスフリー部屋。とはいえ、下階には人が住んでいるということをお忘れなく。受け身の稽古やバックドロップの練習は柔道場でヨロシクだ。
ちなみにこの鉄扉は玄関ではない。言うなれば、玄関へ行くための玄関なのだ。が、この扉は常時開放されているので、玄関前までは誰でも入ってこれる。そう聞くとセキュリティ面が懸念されるが、オートロックなしの物件ならどこでも同じ話だろう。万が一のときは、磨き上げたバックドロップで応戦してほしい。

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写真右奥の青い扉が玄関だ。その他にも階段や扉が見受けられるが、それらは一旦後回しにして、まずは室内から見ていくとしよう。
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玄関ドアを開けてみると、板張りの壁に囲まれた空間が待っていた。シューズボックスも設けられており、土間に求めたいものは最低限クリアしている。少しばかり時代を感じる仕様だが、“今どきじゃない”というところに私は痺れるのだ。
先に間取りを言っておくと、当物件は57㎡の3DK(+オマケ付き)。土間を上がって左側にはDKと洋室、そして右側には2つの和室がスタンバイ。順を追って見ていこう。オマケについては最後のお楽しみだ。
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ワイドキッチン

まずは食卓となるDKから。
サイズは約6帖で、冷蔵庫やレンジ台などを置くことを考えると、ダイニングテーブルを置くのが精一杯といったところだろうか。しかしキッチンはそれに見合わないワイドっぷり。コンロこそ置かれていないが、調理スペースがかなり広く確保されているので、カツオなどの大きな魚も軽々と捌けそうだ。
人気YouTuberの「気まぐれクック」さん、いかがだろうか。

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9帖洋室

DKに隣接するのは、さしずめリビングとなるであろう9帖の洋室。
何となく、小学校の校長室のような雰囲気を感じるのは私だけだろうか。もしくは昔のVシネなどで見かける組事務所に見えなくもない。デカいテーブルと黒い革張りのソファを置けばそれだけでサマになりそうだ。
比較的新しめのエアコンも装備済み(残置物)なので、入居初日から快適な生活を送ることができる。

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反対側からもご覧あれ。
プツリ
おや、ここに来て照明の電球が切れたようだ。スイッチを切ってもう一度オンすると再び点くのだが、数十秒経つとまたプツリと消える。接触不良か何かだろうか。何はともあれ、照明器具は新しいものを用意した方が良さそうだ。電球の交換だけで直れば万々歳なのだが。
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和室×2

続いては、土間上がって右手にある2つの和室。
手前が4.5帖で、襖の奥は6帖。照明器具は外されているが、採光窓は南向きで日当たり良好。昼間は照明要らずのエコ仕様だ。また、先ほどの洋室と同様、ここにも比較的新しめのエアコンが取り付けられている。

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襖を外してやれば、10.5帖の和室に早変わり。
畳に擦れや汚れなどはなく、イ草の香りが残る極めてフレッシュな状態だ。
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水回り

それでは水回りを見ていこう。
脱衣所には昔ながらの洗面台がポツリ。ひと目見ただけで分かる通り、朝シャンの難易度は高そうだ。
そして壁のタイルが少し騒がしい。好みの分かれるポイントかもしれないが、そんなことを気にしていては当物件に住むことはできない。これもひとつの個性として受け入れてあげてほしい。

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続いてはトイレ。
ウォシュレット無しのクラシックタイプで、これまた壁のタイルが騒がしい。立派な個性である。
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そして水回りラストを飾るのは浴室。ここのタイルは控えめに騒がしい。
浴槽は正方形に近く、入浴の際は三角座り必須。年季こそ感じるが、追い焚き機能が付いているのは素直に喜ばしいポイントだ。
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さて、室内の紹介をひと通り終えたところで玄関前に戻ってきた。
この階段は屋上に続いているわけだが、あくまでも共用スペースであることは予めご承知おきを。とはいえ、階段踊り場などの共用部分に物干しスペースが設けられていたことから察するに、基本的に誰も上がってくることはないだろう。そのため、ほぼ専有と言っても過言ではない。
そして階段脇には2枚の扉。まずは左側から覗いてみよう。
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するとそこにはバルコニー。
あなたはここに洗濯物を干すと良い。南向きで日当たりもバッチリなので、布団の天日干しもお任せアレだ。わざわざ言うまでもないが、強風対策はお忘れなく。
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さらに奥へ進むと室外機置き場。
室内にエアコンは2台しかないはずだが、どういうわけか室外機は5台。要するに、他の住戸の室外機もここに置かれているというわけだ。どこかの部屋でエアコンの交換や工事が行われる際、業者さんが立ち入ることもあるだろうだろうから、そのときは快く通してあげてほしい。
とはいえ、本来バルコニーは“共用部”という扱いなので、基本的に何も文句は言えないのだ。
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専用倉庫

階段すぐ脇の扉を開けると、そこにはあなた専用の倉庫。とっておきのオマケである。
個人的にはここが当物件イチの推しポイントだ。角波のトタン壁に守られているとはいえ、半分外みたいなものなので夏は暑くて冬は寒い。ストイックな方はここに寝袋を持ち込むと良い。

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ところで、この倉庫にロックンロールの精神性を感じるのは私だけだろうか。作られたジャンクさではなく、あくまでも経年変化によるナチュラルジャンク。ドラム缶やコカ・コーラのアルミベンチ、懸垂台やオンボロのギターなんかを置いて、秘密基地のような空間を作りたくなる。間違ってもゴミ置き場にはしないでほしい
石油ストーブでも焚きながら、ここで気心の知れた仲間たちと葉巻を燻らせバーボンを煽る。そんなオッサンになりたいものだ。ロケンロー。
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さて、最後はこの階段。鉄骨の躯体がこれまたジャンクな雰囲気を演出している。
屋上があると分かってはいるが一応見ておこう。
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ほぼ専有の屋上は思ってたよりも広かった。物干しスペースが設けられているが、案の定誰も使っていないようだ
さて、それでは気になる賃料を発表しよう。
本日紹介したこちらの物件は57㎡の3DK(+専用倉庫付き)。阪急各線「十三駅」から徒歩12分、淀川区野中南一丁目からの登場。
募集条件は敷金ゼロの礼金2ヶ月、賃料は共益費込の月額7.5万円での大募集中だ。
最後に、当物件の良かった点と気になった点を箇条書きでまとめておいたので、ご参考までにどうぞ。
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【良かった点】
◎ワンフロア一戸のストレスフリー部屋
◎フレッシュな畳が敷かれた日当たり良しな和室
◎料理が捗るワイドなキッチン
◎専用倉庫とほぼ専有の屋上付き
◎公園、病院が近い
【気になった点】
△駅から遠い上に階段で5階
△共用部に設けられた物干しスペース
△女性にはオススメできないジャンクさ
△最寄りのスーパーが徒歩10分と少し遠い
気になる点も数あれど、一癖も二癖もある希少価値の高い物件をお探しの方にはうってつけだ。
お問い合わせは、渋井不動産まで。
(物件番号:81937)
※誠に勝手ながら、日・祝日は定休日とさせていただいております。悪しからずご了承くださいませ。
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  • ナチュラルジャンクな十三3DK、専用倉庫を添えてロケンロー。
  • 淀川区

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