順風満帆に物件取材を進めていたサトシだが、ひょんなことから未だかつてない悲劇に見舞われる。
この記事はその一部始終を記録したものであり、今後ここに住む方への注意喚起でもある。
本日やってきたのはJR環状線、大阪メトロ長堀鶴見緑地線・中央線『森ノ宮』駅。ここ森ノ宮は、中央区・城東区・東成区の境界付近となっており、どこに属しているのかハッキリしないポジショニングが特徴的です。
駅から大阪城も近いですし、大型ショッピングモール『キューズモール』もすぐそこ。紹介の物件は駅から歩くこと約8分、東成区中道一丁目にある昭和63年築マンションです。さっそく行ってみましょう。
玄関ホールを見ただけで分かる“良い部屋”感。誰を招いても恥ずかしくない仕上がりです。
玄関ドアは観音開き。奥の扉も同様です。大きな家具を搬入することを前提に考えられていますね。115.9㎡という巨大な面積を有するので、こまごました家具なんて置いてられません。せっかくなのでドデカくいきましょう。
これといったクセはありませんが、シンプルイズベストな無駄のない空間です。クセのある物件が大好きな渋井不動産ですが、渋井メンバーが住んでいるのは意外とFutoo!!の部屋だったりします。ま、信じるか信じないかはあなた次第です。
続いて写真右手の扉を開けてみましょう。
※Futoo!!:普通に良い。
SOHO可
おや、デジャヴですね。
また玄関前に戻ってきてしまいました。なぜ入り口が2つもあるのでしょうか。
何を隠そう、当物件はSOHO利用が可能。つまり、入り口が2つあることで、自宅用玄関とお客様専用入り口を分けることができるのです。となれば、先ほどの洋室は事務所として使うのがマストでしょう。
LDK19帖
さて、続いては19帖のLDK。
先ほどの洋室にはブラウンのフロアタイルが敷かれていましたが、ここから先は薄いベージュのフロアタイルです。好みの分かれるところでしょうが、これに関しては僕の力ではどうしようもありませんので潔く受け入れてください。
写真右手の扉はバルコニーに続くと思いがちですが、あそこはサンルームとなっております。
折戸をオープンすると、さらに9帖の洋室がスタンバイ。遠目からで恐れ入りますが、“抜群”と言っても差し支えない収納力を備えています。
寝室にしても良いですし、LDKをもっと広々と使いたい方は開けっ放しにしておくというのも一つの手です。
そして写真左手の扉は水回り。いかんせんトイレはLDKにしかありませんので、催したお客様はここに案内することになります。私生活を覗き見されてしまうのは少し気が引けますが、その分、日頃から整理整頓を心掛ける良いキッカケになりそうです。
今回、トイレや洗面台などの水回りは割愛しますが、せっかくなのでお風呂だけでも見ておきましょう。
追い焚きや浴室乾燥といった機能は備わっておりませんが、一度湯を張ってしまえば、それはそれは至福のひととき。広くて深い浴槽では、肩までゆったりと湯に浸かることができます。
そしていまいちカンンターの使い道が見えてきませんが、ガラクタをディスプレイするも良し、ここで食事を済ませるも良し。はたまた、マグロを捌く際のまな板として使うのも乙ですね。しかし、カウンターに傷をつけるのはご法度なのでご注意を。
10帖和室
続いては10帖の和室。畳の状態もバッチリです。6帖程度の和室ならあってもなくてもどっちでも良いですが、10帖もの広さがある和室というのはなかなか珍しいですし、インテリアにもこだわりたくなります。日本人としての遺伝子に組み込まれているのでしょうか。
今さらですが、全居室にエアコンは取り付け済み。夏も冬も、向かうところ敵なしです。ちなみに、ラッパーのZEEBRA氏は暑くてもエアコンを付けないらしい(※)です。
※ZEEBRA氏の楽曲『真っ昼間』にて証言。“喉にワリぃし朝起きたとき気分ダリぃし”とのこと。
和室を子ども部屋にした場合、反抗期を迎えたお子さんが親の目を盗んで夜中に家を抜け出すなんて朝飯前。門限制度を設けたところで何の役にも立ちません。手っ取り早い方法は、ここに出口があることをお子さんが知る前に、大量の荷物で動線を塞いでしまうことです。ご参考までに。
サンルーム
そしてここがバルコニー代わりのサンルーム。雨の日でも洗濯物を干せるのは嬉しいですが、“サンルーム”という名前の通り、溶けるほどの暑さに見舞われます。もはや外にいたほうが涼しいんじゃないかと思うほど。
それに加えて、実際の生活では室外機から排出される熱気と洗濯物から出る湿気によって、いつでもサクッと熱中症になることができます。洗濯物を干す際は小まめな水分補給をお忘れなく。
おそらくですが、このハシゴは上階に住む方の避難経路といったところでしょうか。マンションのバルコニーで見かける『非常の際には、ここを破って隣戸に避難できます』のアレみたいなもんでしょう。「防犯的にどうなの?」と思われる方もいるでしょうが、それについてはお互い様。上階の方も同じことを思っています。
そんなこんなで一通りの紹介は終えたので、中に戻っておさらいといきましょう。
ーサトシ
もしもし、お疲れ様ですサトシです。オザワさん、救援要請です。
ーオザワ
何があった。
ーサトシ
バルコニーに閉め出されました。あの手この手を尽くして脱出を試みましたが、あとはガラスを割るか飛び降りるしかありません。
ーオザワ
飛び降りたらいいやん。
ーサトシ
5階ですよ?不動産屋が自ら事故物件にするわけにはいきません。じっとしていたところで暑さに殺されかねませんが。
ーオザワ
それもそうか。しょうがねぇな、助けに行くから住所送っといて。
ーサトシ
感謝カンゲキ雨サトシです。
しかしこんなことってあるんですね。『開けたら閉める』というのは当たり前のことだと思っていたのですが、その“当たり前”によって絶望と孤独を味わうことになるなんて、なんと不条理な世の中でしょうか。
さて、僕が閉め出されたこちらの物件は東成区中道一丁目からの登場。115.9㎡の3LDKという振り切った広さの一室が絶賛募集中です。
気になる賃料は共益費込の月額17万円。決して安いとは思いませんが、SOHO利用も可となればこの賃料にも頷ける気がします。そして何と敷金礼金がゼロ。この機会をお見逃しなく。
お問い合わせは渋井不動産まで。
(物件番号:70119)
P.S. 例の扉はちゃんと修理してくれるので、僕の二の舞になる心配はございません。ご安心ください。