紹介する物件の最寄り駅はJR阪和線「南田辺」駅。メジャーかマイナーかで言えば、マイナーな駅だろう。北は「天王寺」駅、南は「和歌山」駅をつなぐ路線。市内中心部へのアクセスはそれほど良くないが、電車一本で和歌山までの日帰り旅行を楽しめるのは大きな強みと言える。
古き良きが残る街
ところで、このエリアは『大阪市HOPEゾーン事業』の対象地域。
駅周辺には昔ながらの古民家や長屋が多く現存している。地域を挙げて、昔ながらの古き良き景観を後世に残そうとする取り組みだそうだ。
そんな風情溢れるこのエリアから、本日紹介するのは築年数不詳の長屋。
※大阪市HOPEゾーン事業:歴史的・文化的な雰囲気や街並みなどに恵まれた地域がそれぞれの特性を活かし、魅力ある居住地づくりを目指す事業のこと。
バイカーズ長屋
玄関を開けると縦にグンと伸びた土間。
なんとこの長屋はまさかのライダースハウス。一体誰が想像できただろうか。
土間そのものの幅がそれほど広くないので、ワイドハンドルのアメリカンタイプをブチ込むのは少し厳しいかもしれない。一度現地で確認していただきたいところだが、個人的にはCBやZなどの国産旧車をブチ込んでほしい。建物の雰囲気と相まって猛烈に似合うと思う。
LDK14帖
当物件は延73㎡のニ階建て。一階部分には14帖のLDKと水回り、納戸がスタンバイ。
この日は退去したばかりということもあって、少しばかり生活臭と汚れが目立つ。ま、それだけフレッシュな情報ということで納得していただきたい。
建具や設備などは2011年に全て新調されているのだが、天井の板からは相当な年季が感じられる。いかんせん築年数不詳なので何とも言えないが、20年や30年のソレでないことは確かだ。
大地に感謝を
筆者には家具職人の友人がいるのだが、彼いわく「木は二度いきる」とのこと。非常に興味深い言葉だ。ついつい酒の席での戯言だと聞き流してしまったが、おそらく地に根を張って“生きているときの命”と伐採され用材として“活かされてからの命”を言いたかったのだろう。
森林破壊などの環境問題は大変シリアスなテーマだが、伐採された木々が数十年あるいは何百年もの間、住居や道具として私たちの暮らしを守ってくれていることも事実。だからこそ、このような物件が現存していることが嬉しくなるし、感謝すら覚えるのだ。
正面の引き戸を開けると先ほどのバイク土間。開けっ放しにしておけば常に自慢の愛馬と隣合わせ。こんな家に住めば、テレビやスマホを見る時間よりもバイクを眺める時間の方が長くなりそうだ。
キッチンスペース自体も大変広々としており、お好みのコンロさえ置いてしまえば使い勝手の良いFutoo!!のキッチンだ。
※Futoo!!:普通に良い。
追い焚き機能や浴室乾燥機はないが、ライダーたるもの、お湯すら使わず水浴びするぐらいの気概がほしいものだ。そうでなければ冬の凍てつくツーリングには耐えられない。
とは言っても、当物件の間取りは2SLDK。一人暮らしにしては広すぎるし、きっと彼女や奥さんと暮らすことになるだろう。あなたが気に入ったとしても同居人が反対するかもしれないから、今のうちにバッチリ口説き落としておいてくれ。
洋室②
続いての洋室②は5.5帖。
広さは①とさほど変わらないが、①は長方形で②は正方形に近い。詳しくは間取り図で確認してくれ。
窓は南向き&大きい。採光についてはお任せあれ。二階部分の弱点としては、どちらの洋室にもエアコンが付いていないということ。これについては早々にクリアしておきたいポイントだ。
物件所在は東住吉区山坂一丁目。JR阪和線「南田辺」駅から徒歩2分。古き良き街並みと人情が残った、ヌクモリを感じられるエリアだ。
紹介した物件は築年数不詳の木造長屋。間取りは延73㎡の2SLDK+ライダース土間。「彼女とも暮らしたいしバイクとも暮らしたい」、そんなワガママが叶う唯一無二の長屋だ。
敷金5万の礼金2ヶ月、気になる賃料は月額10.5万円。
お問い合わせは渋井不動産まで。
(物件番号:67582)