写真の場所は『桜川公園』。決してサボっているわけではない。ただただ缶コーヒーを飲みながらハトに餌をやっているだけだ。

それにしても、誰もいない公園を見ると少しばかりアンニュイな気分になる。これ以上ここでサボっていては気が滅入ってしまいそうになるから、そろぼち物件取材に向かうとしよう。

本日紹介する一室は今年で築33年を迎える鉄骨造6階建てマンションの1階。しかも、ただの1階ではなく路面。マンション自体はオートロック完備だが、この部屋に関してはオートロックの管轄外。あなたを守ってくれるのは黒い門扉のみ。セキュリティーを気にする方にはオススメできない。

先に言っておくと、この日はまだクリーニング前ということで、ところどころに汚れが見られた。入居時にはキレイに生まれ変わっていることを祈ろう。

シューズボックスは正面にある黄緑のアレ。計20足ほどは飲み込んでくれそうなサイズ感だ。

アップ＆ダウン

これはこれは、随分と変わった間取りだな。

地下と上階のトリッキーなメゾネット。まさにアップ＆ダウン。カッコよく発音するなら「ｴﾍﾟﾀﾞﾝ」ってとこか。

上がったり下がったり、浮いたり沈んだり、人生に通ずるものがある。ここに住めば、人生の荒波もうまく乗りこなせるかもしれない。

上階

上階部分は8帖のDK（ダイニング・キッチン）。

ダイニングだけでなく、リビングとしても充分機能するほどのサイズ感ではあるが、ここでLDKと表記しないのは定義上の問題だ。『DKとLDKの違い』については各々で調べていただければと思う。Google先生か池上彰なら即答してくれるはずだ。

遠目からですまないが、キッチンには据え置きタイプのIH2口が設置済み。普通に使う分には特に問題ないだろう。正面右手の扉は水回りに続くが、そこは後で見るとしよう。

パークビュー

別角度からもパシャリ。

奥に見える大きな窓は南向き。公園に面しているため日当たりについては申し分ない。逆に言えば、外からは室内が丸見え。ありがたいことにブラインドが既に取り付けられているので、プライバシーについては安心していただいてOKだ。

寝室にするにはちょうど良い。収納の容量は必要十分。フローリングの状態については“まずまず”と言ったところだ。

これまたトリッキーな仕掛けが。どうやらクローゼットからも脱衣所にワープできるようだ。「後で見る」とは言ったが、こうなったら今のうちに見ておくとしよう。

水回り

水回りはトイレと洗面台が同空間にあるアメリカンセパレート。

朝シャンが捗るシャンドレタイプでもなければ、トイレもウォシュレットなし。洗面台の隣には室内洗濯パンがスタンバイしているが、バルコニーがないという弱点が挙げられる。

そしてバスルームについてだが、この日はまだクリーニング前ということで、とてもじゃないが人様に見せられる状態ではなかった。そういうわけなので、今回のところは泣く泣く割愛させていただこう。

地下ステージ

続いては地下、すなわちアンダーグラウンド。

地下というだけでテンションが2~3倍上がるという人も少なくないだろう。お天道様に背中を向けて歩く日陰育ちのアウトロー気分を味わえる。とは言え、意外なことに日光がたっぷりめに入ってくるので比較的早い段階で現実に戻される。

部屋のド真ん中には硬くて黒い円柱が突き立てられており、空手チョップの鍛錬にはピッタリかもしれない。ポールダンスの練習をするには少し太すぎるだろうか。硬くて黒くて太い、これ以上言うと下ネタになってしまいそうなので、この辺でヤメにしておこう。

なんてワガママな使い方も当物件では可能となる。

いかんせん地下なので、少しくらい大きな音を出しても問題はなさそうだ。音楽制作に勤しんでも良し、ひたすらバク転の練習をするも良し、その使い方なら自由自在。ま、いくら地下とは言え、モラルと良識をわきまえた音量でヨロシクだ。

このサイズならドラえもんも寝返りを打てるだろうし、誰かを招く際に散らかった荷物をがむしゃらにブチ込むというストロングスタイルも可能だ。

個人的な意見を言わせてもらえば、押入れにこれだけの面積を割くぐらいならもう少し部屋を広くしてほしかったとも思う。便利であることに変わりはないが。

本日紹介したこちらの物件は延べ84㎡の2DK。珍しさ満点のアップ＆ダウンメゾネットだ。物件の所在は浪速区桜川四丁目。最寄り駅は大阪メトロ千日前線・阪神なんば線「桜川」駅。どちらの駅からも徒歩5分。

敷金ゼロの礼金20万、賃料は共益費込の月額11万円。

部屋の設備や内装・清潔さよりも、とにかく面白さを重視したい方にとってはまたとないチャンスだ。

お問い合わせは渋井不動産まで。
（物件番号：64609）