姫里二丁目
私が今突っ立っている場所は国道2号線。この道をひたすら突き進めばやがて福岡県は北九州に辿り着く。
本日はそんな国道2号線の少しハズレにある戸建物件を紹介しよう。私もまだ見ていないのだが、聞くところによると、どうやらトリッキーでエッグいらしい。
ということで百聞は一見にしかず、さっさと移動するとしよう。こんなところに立っているせいか、さっきからクラクションが鳴り止まないのだ。
一体どうなってる。エッグいとは聞いていたが、とてもじゃないが人が満足に生活できる幅ではない。以前の入居者は前世で何か悪いことでもしたのかと疑ってしまうほどだ。
内部を調査すべく、そそくさと玄関に急ぐ。
予想に反して、土間を上がると5帖の洋室。しかも、室内は思いのほかキレイな状態だ。時代に取り残されたエアコンを除いては。
さて、白々しい小芝居はやめにして、ここでネタバラシしておこう。おそらくもうお気づきだとは思うが、この建物は三角形になっており、先ほど見たあの細い部分が先端。そして左手の壁が底辺にあたる。サインコサインを求めたいなら勝手にやってくれ。
湯はり機能は付いているが、追い炊き機能はない。その代わりと言ってはなんだが、「ゆらぎのシャワー」なる機能が搭載されている。調べてみると、設定温度のプラスマイナス5度の範囲で、給湯温度が文字通り「揺らぐ」らしい。緊張と弛緩の繰り返しによってマッサージ効果と癒し効果があるのだとか。
ネットには「企画倒れの機能」だとか「イラつくだけ」などの散々な書き込みが目立ったが、この機会にどうかうまく使いこなしてやってほしい。
換気扇は少しばかり頼りなさそうだが、窓さえ開けておけば特に問題はないだろう。これから寒くなってくるが。
床のタイルに古めかしさを感じるが、トイレそのものはウォシュレット付き。トイレットペーパーなどをストックしておける吊り戸棚も完備されているのは嬉しいポイントだ。
三角形というトリッキーな形状だからこそ、1センチたりともスペースを無駄にはしまい。そんな心意気を感じる設計だ。知らんけど。
1階を見終えたところで、続いては2階を攻めていこう。
タイタニックバルコニー
窓を開けてみるとそこにはバルコニーが。
ここもまた三角形の頂点にあたる部分。まるで船の先端に立っているようだ。バルコニーに出るには、大股を開いて窓枠を跨がなければならないが、一度出てしまえば気分はディカプリオ。恋人と同棲するなら、一度はここに立ってタイタニックごっこを楽しんで頂きたい。その際、周囲からの視線は気にするな。
ここは約2.5帖の洋室・・・と呼ぶには少し違和感を感じるが、便宜上そういうことにしておこう。簡易的な物置きとして使うのが良さそうだ。あまり大量の荷物を詰め込むと、左手の和室にアクセスできなくなってしまう。
スタンド照明の配線がお粗末だが、あまり気にする必要はない。なぜなら、さっきからチラホラ映り込んでいる小物類は全て撤去する予定だそうだ。ま、あくまでも「予定」なので、どうしても欲しいと言うのなら僅かな可能性に賭けてみるのも悪くない。可能性は低いかもしれないが。
おさらい
ここまで紹介してきた姫里二丁目のとんがった貸家。いかがだっただろうか。
広さは48㎡の3K。最寄り駅は阪神本線「姫島」駅から徒歩5分。国道2号線を車でひた走れば、福岡県北九州までたったの12時間半。
敷金ゼロの礼金2ヶ月、賃料は管理費込みの6.4万円。
一癖も二癖もあるトリッキーさはあるが、「普通の家じゃ満足できない」「おもしろい家に住みたい」「人とは違うことがしたい」なんて人にはピッタリの物件だ。
お問い合わせは渋井不動産まで。
(物件番号:50821)