開かずの扉を、開ける方法。

    本日はリノベーション物件にすこぶる強い渋井不動産が、開かずの扉の開け方をご紹介する。開いた時点で「開かずの扉」ではなくなるので、「開かずの扉の開け方」というのはいささか見過ごしがたい表現だが、気にしないで欲しい。

    ことの発端はあるお困りオーナー様との出会いだ。ある人から先日、「全く使っていない部屋を持っていて困っている人がいるから、リノベでもさせて貰えば?」そんな紹介を受ける。

    全く使っていない部屋を持っていて困っているなら売れば良いのに。そんなことを思いながら一本電話を入れてみることにした。

    「Hello.」「Hello.」

    そんな欧米風な挨拶から入り、事情聴取を開始した。
    「なぜ、持ってるんですか。」

    聞くと彼はこう言った。
    「ドアが、開かないんだ。」

    ドアが、開かない。玄関ドアが、開かないというのだ。それは困るだろう。家を持ってる意味が微塵も無い。

    そこで当社は、ちょっと面白そうなのでそのドアを開けてみることにしたのだ。

    開かないドアを開ける作戦会議は深夜遅くまで続けられた。

    「納豆を詰めてみる案」
    「ローション大作戦」
    「窓ガラスを割って侵入し、中からドロップキック」
    「巨大鉄球を用いた壁ごとぶち抜き」

    そんな名案が飛び交う中、自分の我ながらセンスのある「サンダーで詰まっているところを切断してバールで開ける」という案が採用されたのだ。

    今回このプロジェクトには、ご存知「MARUさん」を招集した。ねじりハチマキをキリリとしめた親方だ。サンダーとバールを握って30年、開かずの扉開け一筋でここまでやってきた名将である。第一印象としては、足が速そう。

    早速ドア開けにとりかかる。どうやら、ドアの下っ端がペンペンに詰まっているようだ。こんなことではゴキブリも通ることができない。ゴキブリ愛護協会の理事も兼任するMARUさんは、さらにやる気を漲らせてドア開けにとりかかった。

    「カンカンカンカンッ」朝早くから迷惑でしかないのだが、バールを打ち付けて様子を見る。勿論、事前に管理人及び周辺住民には声をかけていたのだが、「カンカンカンカンッ」が想像以上に大音量のため、現場の周りに50,000人を超える野次馬が集まったのは言うまでもない。

    MARUさんは、燃えていた。サンダーの火花も全く恐れることなくギュインギュインとドアの下っ端を切っていく。お陰様でかなり格好良い絵になった。

    ドアの詰まりをサンダーで切ったあとは、バールをねじ込む。MARUさんは寡黙な人間だが、この時ばかりはフンフンと鼻息を荒立ててバールをねじ込んでいった。かなり力がいるようだ。

    押したり引いたり、まるでねじりハチマキを締めてエイサーを踊っているかのように、バールをねじ込むMARUさん。この時、バックではBoAのVALENTIがBGMとして流れていたが、MARUさんのズボンはどっちかというとルーズな作業着であったため、妙な違和感を覚えた。(歌詞:タイトなジーンズをねじ込む、私という戦うバディ。)

    MARUさんは、決めた。ここ一番のところで、絶妙な送りバントを決めてみせたのだ。

    「やったぁーーー!!!」

    ドアが開くと同時に、3人に減った野次馬から歓声が上がった。開かずの扉を開けるまでに要した時間、約10分。死闘を繰り広げたMARUさんにはスタンディングオベーションが起こったほどだ。ありがとう、そしてさよなら!

     

    と、いうことで開かずの扉を開けてみたが、如何だっただろうか。開け方は前記の通り。もしドアが開かなくなった時はこれらを模範していただくか、MARUさんを呼んで欲しい。

    〜ドアの向こう側が気になって仕方が無い読者の皆様へ〜

    NONFIXリノベ第一弾「開かずの扉の向こう側」近日公開です。リノベのワークショップ等開催予定無し!いや、あるかもしれません。その際は、こぞって参加していただきますようお願いいたします。

    To be continued.

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    ulk