本日は福島区玉川四丁目にやってきた。本日紹介する物件は、千日前線「玉川」駅から徒歩2分、この5番出口から出るのがマストだ。JR環状線「野田」駅にも徒歩4分でアクセスできるため、交通の便に関して文句は言わせまい。
駅周辺には個人経営の飲食店も多くあるので、お気に入りの店を探し当てるのもこの街に住む楽しみと言える。
野田恵比寿神社
この貫禄ある神社は、物件から歩いてスグの野田恵比寿神社。
神社を見かけると、ついつい立ち寄ってしまうのは私だけだろうか。せっかくなので参拝していこう。
「今日も渋い物件に出会えますように」
そう願った瞬間、強烈な耳鳴りと目眩を起こし、視界はみるみると歪んでゆき、まるで渦潮の中に突き落とされたような感覚に陥った。
この貸家は、3戸の住居が連なる連棟住宅で、その築年数はなんと80年。数字と玄関扉を見る限り、「渋い」と呼ぶには十分だ。私の願いが神様に通じたのだろうか。
床の無垢フローリングは、すでに程良くヤレている。築80年なので当たり前と言えば当たり前ではあるが。
キッチン台にコンロは装備されておらず、入居者ご自身で揃えていただく必要がある。キッチン台とその向かい側には、黒と白の小石が敷かれているが、何を意図して敷いたのかまでは分からない。きっとオセロの必勝法を編み出している内にこうなったのだろう。
見ての通り間仕切りは外されているが、この方がスッキリとして広々と使える。もちろん、どうしても間仕切りたいと言うのなら、どうぞ好きなだけ間仕切ってくれて結構だ。
奥の暗闇には独立洗面台、トイレ、風呂、洗濯機置き場がスタンバイしているが、暗すぎて写真に収めることが困難であった。室内の雰囲気に反して、水回りは至って現代的だ。ひとまず、トイレだけお見せしておこう。あとは内覧時のお楽しみということで納得して頂きたい。
中庭
先ほどの板の間から視線を左にパンすると、そこには中庭がある。
動物園であればレッサーパンダが飼育されていそうな雰囲気だが、あいにくレッサーパンダは絶滅危惧種に登録されているため、個人で飼うことはできない。
この貸家にバルコニーはないので、洗濯物を干すとすればここが正解だろうか。あいにく、日当たりは期待しないでほしい。
写真をよく見ると、建物が全体的に少し歪んでいることが分かる。「築80年」という大義名分のもと、ご理解願いたい。だからといって性格まで歪むことはないので、どうかその真っ直ぐな瞳のまま生きてほしい。
朱色の扉を開けるとそれは驚愕の光景だった。「歪んでいる」とかのレベルではない。家を支える柱が斜め45度に傾いているじゃないか。これにはさすがの私もご機嫌斜めだ。憤りを隠しきれず、おもむろに反対側を覗いてみた。
2階
2階には洗練された佇まいの和室が二部屋。
手前が6帖の奥が4.5帖で、一階よりも一回り広めだ。手前側の畳は比較的新しいが、奥側の畳はそれなりのヤレ具合。しかし破れなどはなく、1階同様まだまだ現役だ。
ちゃぶ台でも置いて煙管なんかを気取って吹かしたくなる。
少しばかり歪んだ玉川四丁目の貸家は71㎡の4K。リノベられた古民家ももちろん好きだが、この貸家に関しては全室和室という潔さがポイントだ。オールドスクールを貫くその姿勢に渋さを感じてならない。バルコニーがないのが少しネックだが、水回りは誰もが快適に使用できるものに置き換えられている。リノベーションが主流の昨今、「他人とは違うぜ」アピールするのにもってこいな物件だ。
敷金10万の礼金20万、賃料は7.5万円で募集開始だ。
「こんなのを待ってた」とレトロ物件マニアも納得の一部屋が、福島区玉川で入居者を待っているぞ。
お問い合わせは渋井不動産まで。
(物件番号:49260)