ここは国道2号線を北上して淀川を渡ったところだ。今日は姫里一丁目からとっておきの戸建てをディグってきたぞ。今見てもらっているのは今回紹介する物件の裏口にあたるところなのだが、朽ち果てた赤レンガにロマンを感じる、そんなあなたにピッタリの物件だ。
※ディグる:「掘り起こす」などの意。DJがよく使う。
さっそくお邪魔しようかと思ったのが、玄関扉の鍵が全然開かない。通行人に不審な目で見られながら20分くらい格闘したのち、なんとか開錠に成功。開けるのに少々コツがいるが、慣れればどうってことはない。扉をグッと押しながら鍵をクィッと回す感じだ。
それではお邪魔します。
定食屋「LDK」
玄関土間を上がるとすぐにLDKが登場。カウンターといい、対面キッチンのデシャップ感といい「もともと定食屋だったのかな?」と思わせる内装だが、真相は不明だ。家族横並びで食事するのも悪くないかもしれない。斬新ではあるが。
その向かいにはこちらのトイレ。この物件は昭和54年生まれの40歳だが、便器は比較的新しいものが導入されている。写真には映っていないが、ちゃんとトイレットペーパーホルダーもあるからご安心を。そしてウォシュレットを諦めかけたそこのあなた、ちょっと待った。写真に映っていないだけで、ウォシュレットのリモコンもちゃんと設置されているぞ。
しかし風呂場が見当たらない。近所の大衆銭湯に通うしかないのだろうか。
5帖の洋室
床のフローリングはどこか懐かしさを感じる市松模様。なぜ懐かしいのかを考えてみると、学校の床も市松模様だったことを思い出した。そういえば天井の材質も学校の天井で使われてたものと同じだ。ちなみにこの天井の柄はトラバーチン模様(正式名称:ジプトーン)という。中間テストには出ないので覚えなくても大丈夫だ。
6帖の和室
和室の雰囲気も昔ながらの感じだ。畳の状態は決して新しくはないが、「その昔ここで誰かが生活してたんだな・・・」というヒューマンドラマを感じられる。
奥には洗濯機置き場があり、その奥の扉はバルコニーにつづく。洗濯機置き場とバルコニーが近いというだけで、面倒な洗濯が少し楽になる気がする。あくまでも気がする。面倒なことに変わりはない。
ビッグルーフバル
たどり着いたのはビッグなルーフバル。ここに来る用事が特になかったとしても、「屋上」というだけでワクワクしてしまう。ここにベンチを置いて夜空を見上げながら一人黄昏てみるのも悪くない。しかしここは交通量の多い国道2号線沿い、静かに黄昏るというのは諦めた方がいいだろう。
ルーフバルがあるだけでも充分希少価値は高いが、この物件にはあとひとつ、更に希少価値を高めるボーナスステージが用意されている。
ミシ・・・ミシ・・・
ボーナスステージ「地下」
地下の広さは13帖。コンクリート特有の匂いが少し鼻につくが、「地下」とか「屋上」という言葉にビビビッとくる人にはこの上ない物件ではないだろうか。しかし厳密に言えば「地下」と呼べるのかどうかは微妙なところだ。その理由は内覧の際に実際に目で見て確かめてほしい。あくまでも私は「オーナーが地下と言うのだから地下なのだ」という長いものには巻かれるスタンスだ。
そしてエアコンが付いていないので当然だが、夏は暑いし冬は寒い。写真を撮っているだけなのに汗だくになるほどだ。「物置き」として使うのがベターだろう。
「『S』って何?スーパー?スペシャル?」
と思った方のために解説しておこう。私的には「スーパー」も「スペシャル」もハナマルをあげたいところだが、業界的には不正解だ。ここでいう「S」とは「サービスルーム」の意味である。要するに、「居住空間としては使えないけど物置きとして使っちゃえよ」という意味合いの空間だ。まぁこの家に住むのはあなたなのだから、ここで寝ようが食事をしようが立ちションしようが、もちろんあなたの自由だ。
次に磨りガラスの扉を開けてみよう。
地下に風呂
風呂はないものだと半分諦めていたが、なんと地下室にあった。壁のタイルと浴槽、そして鏡に赤が施され、なかなかにオシャレだ。建物全体の中でここだけがズバ抜けてナウい。どうせなら五右衛門風呂ぐらいのものを期待していたのだが、普通に良い。
場所は国道2号線沿いの姫里一丁目、最寄り駅は阪神本線「姫島」駅から徒歩7分、JR東西線「御幣島」駅からは徒歩11分。駅チカとは言えないが、それ以上にこの2SLDKは魅力的だ。ちなみにこんな感じの戸建だが、意外にもペットの飼育は不可。残念だ。
敷金は0円の礼金は2ヶ月、賃料は込5.9万円の低カロリープライスで登場だ。
お問い合わせは渋井不動産まで。
(物件番号:45997)