長年そのプライベートが公の場にさらされることはなく、全てが闇に包まれた男。長年すぎてあらゆるキー局が取材を諦め、世間の話題から葬り去られようとしていた。が、渋井は長年もの間諦めなかった。
そして、平成最後の冬。その男は遂に我々の取材に応じることとなった。
男から場所の指定があり、やってきたのは「ザ・タワー大阪」。
大阪市福島一丁目、俗にいう「ほたるまち」と呼ばれるエリアに構えるこのタワーマンション。豊中市にある「蛍池(ほたるがいけ)」という場所は、駅周辺にラブホが立ち並び、地元の高校生から「ホテルがいけ」との蔑称がついたが、ここは違う。
「文化・情報(朝日放送)」「にぎわい(堂島クロスウォーク)」「居住」、この3つの機能を備えたエリアとして、大阪市が注力している場所。
そして、「居住」の役割を担うのがこの「ザ・タワー大阪」だ。
この1枚からは想像もつかないだろうが、この日はかなり上機嫌だったので安心してほしい。
室内のこの時点から、次元が違う。
「土間」という概念を無くし、上質なタイルが延々と続く空間。そして何より正面の扉の存在感は、圧倒的だ。我々は言葉を無くし、しばらく呆然と立ち尽くしてしまった。
(リビングで話しましょうか。)
シュワさんがそのように脳内に直接話かけてきた。
※シュワちゃんは渋井が誇る不動産仲介ロボットのため、脳内に直接話しかけるスタイルです。
ドアに手をかけ、我々を先導するシュワさん。
「いつも部屋で過ごしている感じで室内を散策してください。あとは我々が質問を投げますので、それに答えていただければオッケーです。」
コクリと頷くシュワさん。
※現在、SERIES 4が展開されております。
Q.鈴木雅之を意識したことはありますか?
(無いですね。もちろん、彼の歌は好きですし、似ていると言われれば光栄です。でも私という人種はどちらかというと、「夢でもし会えたら」よりも「実際に会いに行ってしまう」せっかちなタイプです。)
Q.休日の過ごし方を教えてください。
(今の私は「休日」という日は設定していません。いつクライアントとのアポが入るかわかりませんからね。どんなことが起こってもすぐに対応できるよう常に準備はしていますし、たまたまその日に何も起こらなければ「あぁ、今日は休日になったな。」という感覚です。)
トイレであることは見紛う事なき事実だが、壁に掛けられた鏡が畳1畳分ほどはある。常識を超えた空間で記者陣が顔を見合わせる中、シュワさんがひと言。
(タタミラーってところですかね。)
沈黙はさらに加速していく。
Q.どんなときに喜びを感じますか?
(ありきたりだと言われるかもしれませんが、「お客様に喜んでいただいたとき」ですかね。お客様の顔や性格をみて、私がピンときたお部屋を紹介する。その部屋で喜んでいただいたときが、一番幸福ですかね。)
そう言って、シュワさんとの取材は幕を閉じた。我々が見た部屋というのは賃貸募集している部屋だったのだ。このドローンで撮影したような景色が手に入る部屋、家賃は驚愕の120万円。ちなみに、共益費は込みで、だ。
お問い合わせは、渋井不動産まで。