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渋井不動産は遂にある男の取材に成功した。

長年そのプライベートが公の場にさらされることはなく、全てが闇に包まれた男。長年すぎてあらゆるキー局が取材を諦め、世間の話題から葬り去られようとしていた。が、渋井は長年もの間諦めなかった。

そして、平成最後の冬。その男は遂に我々の取材に応じることとなった。

男から場所の指定があり、やってきたのは「ザ・タワー大阪」

門構えから、このタワーマンションの品と重厚感が感じられる。

大阪市福島一丁目、俗にいう「ほたるまち」と呼ばれるエリアに構えるこのタワーマンション。豊中市にある「蛍池(ほたるがいけ)」という場所は、駅周辺にラブホが立ち並び、地元の高校生から「ホテルがいけ」との蔑称がついたが、ここは違う。

「文化・情報(朝日放送)」「にぎわい(堂島クロスウォーク)」「居住」、この3つの機能を備えたエリアとして、大阪市が注力している場所。

そして、「居住」の役割を担うのがこの「ザ・タワー大阪」だ。

エレベータ前の廊下でもこの荘厳な空気。

下手なダジャレでも言おうものなら、コンシェルジュに射殺されそうだ。

そして男がやってきた。

そう、今回取材させてもらったのは他でもない、渋井不動産住宅担当「シュワ」さんである。

5分ばかり遅れての登場に、取材陣と手を上げて軽く挨拶を交わす。

廊下が少し暗かったこと、玄関前の照明がスポットすぎたことが相まって、眉毛が無くなったような写りになったシュワさん。

この1枚からは想像もつかないだろうが、この日はかなり上機嫌だったので安心してほしい。

我々は目を疑った。

室内のこの時点から、次元が違う。

「土間」という概念を無くし、上質なタイルが延々と続く空間。そして何より正面の扉の存在感は、圧倒的だ。我々は言葉を無くし、しばらく呆然と立ち尽くしてしまった。

すると、

(リビングで話しましょうか。)

シュワさんがそのように脳内に直接話かけてきた。

※シュワちゃんは渋井が誇る不動産仲介ロボットのため、脳内に直接話しかけるスタイルです。

ドアに手をかけ、我々を先導するシュワさん。

(こちらです。)
(リビングで話しましょうか。)

遂に我々は、他局では立ち入ることができなかった、シュワさんのリビングへ向かうことが叶った。

(さ、リビングで話しましょうか。)

「バグかな?」と思うほど、執拗に同じことを繰り返すシュワさん。しかし、とうとう闇に包まれたプライベートな空間を見ることができるのだ。

(こちらへどうぞ、話ができるリビングです。)

もうどいてほしい。

(はな・・リ)

ジャマだったが強引に写真を撮ることに成功した。

す、すごい。

陳腐な褒め言葉だが、思わず漏れるのはこの言葉だった。広さを確認すると、なんと45帖も。

人はスケールの違いすぎるもの(大自然や超常現象)と出会うと身体が硬直してしまう。そして我々がそうなっているのをよそ目に、慣れた動きでソファーに腰を据えるシュワさん。
ふと我に返り、これからの流れをシュワさんに説明する。

「いつも部屋で過ごしている感じで室内を散策してください。あとは我々が質問を投げますので、それに答えていただければオッケーです。」

コクリと頷くシュワさん。

Q.シュワさんにとって、「仲介業」とは?

(間に挟まるプロフェッショナル、ですかね。)

間に挟まれることに多忙を極めるシュワさん。袖からチラリと顔を覗かせるのはアップルウォッチだ。彼自身の日常は分刻みで予定と予定に挟まれており、そんな彼にとって最新のアップルウォッチ(SERIES 3)は欠かせないデバイスであり、相棒なのだ。

※現在、SERIES 4が展開されております。

Q.成功の秘訣は何だと思いますか?

(私自身、成功したとは全く思っていません。まだまだ成長の過程である存在に過ぎないです。「成功」は、その先のステージに見えるものだと思っています。)

タワーマンションの最上階に来てもなお、その先を見据えているシュワさん。

彼を満足させるステージとは、いったいどんな景色なのだろうか。ただひとつ言えることは「サングラス越しの景色は暗め」であることだ。

Q.鈴木雅之を意識したことはありますか?

(無いですね。もちろん、彼の歌は好きですし、似ていると言われれば光栄です。でも私という人種はどちらかというと、「夢でもし会えたら」よりも「実際に会いに行ってしまう」せっかちなタイプです。)

Q.いつもスーツ姿ですが、こだわっているポイントを教えてください。

(スーツに着られないこと、ですね。ライフスタイルもそうですが、身の丈に合うものを選ぶのが大事です。)

100均めぐりが趣味というシュワさん。

「もっと室内を見てみたい」そんな我々の思いが通じたのか、なんと寝室まで見せてくれることになった。

Q.休日の過ごし方を教えてください。

(今の私は「休日」という日は設定していません。いつクライアントとのアポが入るかわかりませんからね。どんなことが起こってもすぐに対応できるよう常に準備はしていますし、たまたまその日に何も起こらなければ「あぁ、今日は休日になったな。」という感覚です。)

夜は22時に寝て、朝10時に起きる。

並の小学生より睡眠を取るシュワさんの、活力の源はこの寝室にあるのかもしれない。

Q.室内で一番お気に入りの場所を教えてください。

そう言われ、しばらく黙り込んだシュワさん。そして、沈黙を破るように寝室を出て、ある場所へと向かった。

ここがシュワさんのホットスポット

トイレであることは見紛う事なき事実だが、壁に掛けられた鏡が畳1畳分ほどはある。常識を超えた空間で記者陣が顔を見合わせる中、シュワさんがひと言。

(タタミラーってところですかね。)

沈黙はさらに加速していく。

毎朝の支度はこのエレガンスな空間で始まる。

我々には非日常的な景色も、彼にとっては「信号が赤から青に変わる」「自動販売機でお茶を買う」ように、ただの日常の一部に過ぎないのだ。

Q.どんなときに喜びを感じますか?

(ありきたりだと言われるかもしれませんが、「お客様に喜んでいただいたとき」ですかね。お客様の顔や性格をみて、私がピンときたお部屋を紹介する。その部屋で喜んでいただいたときが、一番幸福ですかね。)

先日、大好きな奥様からプレゼントを頂き、instagramで数えきれないほどのハッシュタグを付けて投稿していたシュワさん。

それを凌駕する喜びというのは、彼が根っからの「仲介マン」であるからだろう。

Q.最後に、シュワさんはこの部屋にどれぐらい住んでいるのですか?

(私ですか?この部屋には住んでませんよ。)

(高いですから。)

そう言って、シュワさんとの取材は幕を閉じた。我々が見た部屋というのは賃貸募集している部屋だったのだ。このドローンで撮影したような景色が手に入る部屋、家賃は驚愕の120万円。ちなみに、共益費は込みで、だ。

お問い合わせは、渋井不動産まで。

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  • 【49/50】ザ・タワー大阪の超高層階、120万の部屋でインタビューしてきた。
  • 福島区

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