究極のおにぎり×コーヒー

おにぎりとコーヒーの静謐な食体験を提供する『KOME MAME』が、今年1月オープンしました。場所は、空堀商店街近く。迷い込んでしまいそうな路地裏に、異彩を放つ焼杉の古民家が佇みます。
谷町六丁目の炭火焼き割烹「炭kappo hirac」のオーナーシェフ井上さんとラテアート世界チャンピオンで「BARISTA MAP Coffee Roasters」のオーナー深山さんプロデュースのおにぎりとコーヒーのお店。

井上拓氏 プロフィール
築100年近い庭付きの古民家を改装した「炭Kappo hirac」を2017年にオープン。全国各地をめぐり、日本の美味しいものを探求。
昨年11月に開催した「渋井不動産10周年記念大感謝祭」では、ライブ感たっぷりにおにぎりを振る舞い、瞬く間に完売。
深山晋作氏 プロフィール
元プロスノーボーダーで、バリスタに転身。キャリア2年で世界チャンピオンに。ブラジルで催された世界で最も権威ある大会「World Coffee Event」では堂々の世界4位を獲得。地元大阪で、日本一小さい焙煎所兼カフェ「Barista Map Coffee Roasters」をプロデュース。
素材と一対一で向き合う

海外移住歴10年の深山さんが、”おにぎりが大好き”という海外の方が驚くほど多かった、という実体験に基づき、日本のソウルフードであるおにぎりを海外へ広めたいと思ったのがきっかけだそう。

-深山さん
「米はおにぎりやお茶漬け、丼と色を変えやすい食材。コーヒーもドリップやエスプレッソなど変えやすいものなので、それを掛け合わせると面白いんじゃないか、ということでアイデアを出しました。それを具現化してくれたのが、井上さんです」
井上さんと深山さんが、構想に1年ほどかけて精度を上げていき、このたび、ここ谷六で開業されました。

「コーヒーとおにぎりが合うのかは最初の段階では分からなかったんですが、コーヒーは酸味・甘味・苦味がある。おにぎりは、鰹節やのりの塩味がある、その”旨み”を体験するようなお店を開きたかった」と言います。
一見意外な組み合わせを掛け合わせることで、慣れ親しんだ”おにぎり”を再発見する装置となる「KOME MAME」。

そんなおにぎりとコーヒーを味わうのが、6坪という黒で統一されたストイックなスタンディング空間。
井上さんは、お父様の仕事の関係で、物件に出入りしたり、内装を見学したりする環境にあったそう。物件や内装は井上さん主体で見つけ、作り上げられました。

-井上さん
「お店づくりでいうと、照明は特にこだわっています。一部のライトにはフレアカットが入っているので、見上げても眩しくないよう緻密に計算して配置しています。手元も見えづらいほどの暗さで、米一粒一粒と淹れたてのコーヒーの芳香とを、研ぎ澄まされた感覚の中で向き合う贅沢な時間を提供しています。
内装や什器に関しても、渋井不動産さんと打ち合わせを重ねて、石板を調達して脚を取り付けてハイテーブル(下写真中央)にしたりと、創意工夫を凝らしてこの空間を作り上げました。」

もちろん食材ひとつひとつにもこだわりが詰まっており、お米は新潟米の「新之助」、海苔は有明産の最高級海苔、鰹節は「農林水産大臣賞」を受賞した鹿児島・指宿産の最高級の鰹を使用。

ユニフォームもオリジナルで、割烹着の堅いイメージを脱却したいと、井上さんが岡山のメーカーと一からデザイン。いずれアパレルの物販にも力を入れていきたいとのこと。

コーヒーの提供は、伊万里焼の蓋つきコーヒー器で。「コーヒーの香りを最大限に感じられる器を作りたい」と、こちらもオリジナル。

-井上さん
「これからは夜の時間帯も営業をして、イベント開催もしたいです。バーテンを配置して、アルコールの提供にも力を入れていきたいです」
と、これからどんどんアップデートしていくKOME MAME。”お客様”をもてなす一方で、簡単には辿り着けない路地裏という立地や、緊張感とライブ感のあるスタンディング空間で、訪れる人も能動的になる最先端の食体験をぜひ味わってみては。
以上、渋井不動産でした。
KOME MAME
【住所】大阪市中央区谷町六丁目14-18
【営業時間】10:00-17:00
【営業日】金・土・日曜日
Designer:Witty Supplement
Constructor:Witty Supplement