『白商店』

豊中市清風荘という閑静な住宅地にある、築100年を超える邸宅を改修した複合ショップ「白商店(つくもしょうてん)」。
1階はメンズ&レディースの古着「TAIAN」とキッズウェア「つくもきっず」、そして「喫茶 ねりね」。2階はイベントなどを開催するギャラリースペースと、鍼灸院 「MARU」など、さまざまなお店が入ります。手がけるのは大阪市内を中心に古着屋を展開するCHAPPIE株式会社。仲介はキンポンです。

そんな『白商店』が、去る2月11日に4周年を迎えられました。おめでとうございます。
2/8〜11日の4日間ゲストを招いたイベントを開催され、盛況をおさめられました。その周年イベントの真っ只中にインタビューを快諾してくださった店長の安竹さんに、歴史ある邸宅のこと、お店づくりについて、広報部キョンが話を伺いました。コーディネート提案もしていただきましたので、あわせてお楽しみください。
歴史のうえに生まれた「白商店」

-キョン
やっぱり一番気になるのは、こちらの立派な邸宅。築100年を超え、敷地も125㎡とのことですが、そもそも北摂エリア、古民家で探しておられたんですか。
-安竹さん
いえ、そういうわけではないんです。弊社の社長が、「おもしろい物件に出会ったから新店舗をやろう」と。
ここを見つけてくれたのがキンポンさんなんですけど、最初の内見は、うちの社長と前店長と私の3人で、キンポンさんの案内で訪れました。建物内をひと回りして社長が、「やろう、ここで。ええよな?」と、とても気に入った様子で決めました。

-キョン
そうなんですね。この物件は千載一遇の出会いとも言えますもんね。
エリアと物件それぞれどういったところに惹かれたのでしょうか。
-安竹さん
この建物のある清風荘は、閑静な住宅地であり、近くには商店街・大学・飲食店が多く建ち並ぶ町なんです。そんな”日常”と、100年以上この場所で地域を見守ってきた邸宅の”非日常感”のバランスがとても心地よかったんです。
老舗の喫茶店や食堂・スナックなど、人とのコミュニケーションが密にとれる心温まるエリアだと、4年の歳月を経て日々実感しています。

-キョン
めちゃくちゃロマンがありますね。確かにちょっとタイムスリップしてきた感覚がありますよね。
内見した当初は家屋や庭など、どんな状態だったんですか?
-安竹さん
しばらく空き家だったので、室内も荒れていて、庭も草がぼうぼうでした。大工さんとうちの社長と前店長が泊まり込んで、どのように改修するかを打ち合わせていましたね。電気も通っていなかったので、ろうそくを灯して。笑
-キョン
うわぁ、なんかワクワクしますね。
そんな築100年を越える日本家屋ですが、歴史について伺えますか。

-安竹さん
元々庭仕事が大好きな男性がお一人で住まれていたそうです。その後、日本料理店や写真館として活用され、しばらく経ってからうちが古着屋やギャラリースペースとしてオープンさせていただく運びになりました。
ご近所の方から聞いた話やこの家にあった調度品などを見て感じたことですが、和洋中の良いところを選りすぐって、日本式の型にはまらず、バランスよく造られたお家だと感じています。

-キョン
ん〜なるほど。手を加えたところ、残したところは?
-安竹さん
ほとんど手を加えてないです。”いかに残すか”ということを大工さんと話し合いましたね。ただ、床だけ土足で出入りできるよう、土間を打ち、床を傷つけないよう絨毯を敷いたりしました。

-安竹さん
このアーチになっているところも、元々は茶室だったようで、そのまま残しています。
和洋中の融合を体現しているこの邸宅で、現在まで生き残ってきた”海外から仕入れた服”と、何年も大切にされてきた”調度品や空間”に通じるものを感じましたね。

コーディネート 2LOOK
-キョン
歴史を味わったところで、『白商店』で取り扱うTAIANの古着を使ったコーディネートを安竹さんに組んでいただきました。
モデル:ミュウ
-キョン
『白商店』っぽいカラーを取り入れたレイヤードコーデと、これから控える卒業・入学などのセレモニーシーンを想定したルック。着用してみていかがでした?
-ミュウ
自分では絶対しないようなレイヤードとバランス感が、とても新鮮でした。身長も高見えしてスタイルアップも叶った気がします。何より、この空間で素敵な服を着れたことが特別でした。
-安竹さん
ありがとうございます。古着に抵抗のあるお客さまも、この場所を訪れることで、見え方も変わるとおっしゃっていただきます。
お店づくりについて

-キョン
『白商店』のコンセプトがあれば伺えますか。店名の由来など。
-安竹さん
本来数の多いことを意味する「つくも」という言葉は、漢字で「九十九」と書きます。百から一を引いて、漢字の”白”で「つくも」としました。常にひとつ足らない状態(余白をつくり)で、その時その時で新たな何かをプラスしてお客さんに楽しんで頂きたいと思い、名づけました。

-キョン
歴史ある日本家屋にぴったりの店名ですね。じんときました。何か手本にされたショップなどがあったりするんでしょうか。
-安竹さん
特には無いですが、来店される方の年齢層が幅広い大型商業施設をかなり小型にしたら…をイメージとして持っていました。
-キョン
確かにここでは、洋服や小物が買えて、お茶を飲んで談笑することもできる。さらにワークショップに参加したり、開放的なこの庭園で四季を感じたり…。そしてそれをすべて飲み込むのが、この築100年を超える日本家屋で、歴史に触れることもできる。
この場所でたくさんの出会いと創造、ムーブメントが生まれているわけですね。
喫茶とPOP UPはお客さまとのつながりから

-キョン
昨年オープンされた「喫茶 ねりね」はどういう経緯で始められたんですか。
-安竹さん
オープン当初から、カフェのようなもっとくつろげる空間を提供できないか、と漠然と考えていました。そんな中、2年ほど前に古着屋TAIANのお客さまからの繋がりで、邸宅でカフェをしたいと考えられていた、今「喫茶 ねりね」の運営をしていただいている窪田さんに出会い、オープンに至りました。

-キョン
2階では、ワークショップやPOP UPなども開催されてますね。
-安竹さん
そうです。基本的には白商店のお客さまが素敵なことをされていることが多くて、自然な流れでPOP UPの開催が決まることが多いです。これまで植物のイベントや調香体験など、多様なイベントを実施してきました。

-キョン
インスタを振り返ってみても気になるイベントが盛りだくさんです。お客さまは近隣、もしくは遠方からも来られますか。
-安竹さん
ご近所のおじいちゃんおばあちゃん、GWやお盆期間中は、帰省される近隣の方のほか、全国からお越しくださいますね。最近は、海外からのお客さんもご来店くださいます。
4年を振り返って

-キョン
90代のお年寄りの方から赤ちゃんまで訪れる場所って本当に素敵ですね。
最後に、この4年を振り返っての思いと今後チャレンジしたいことがあればお聞かせください。
-安竹さん
豊中の清風荘という、わざわざ足を運んでいただく場所にあるので、今までと変わらず、来てくださる方へのおもてなしの心をベースとして、常に新たな刺激と変わらない空気感を提供できればと思っています。
小さな試みですが、今年のゴールデンウィークを期にオモチャの取り扱いを始める予定です。より、年齢を気にせず楽しめる場所になれるよう取り組んでいきます。
-キョン
それは引き続き目が離せないですね!これから気候も良くなるので、このテラスでお茶しながら時々買い物やおしゃべりをする、最高の時間ですね。きっと訪れるみなさんが望んでいることですが、末長く続けてください!

白商店
【住所】大阪府豊中市清風荘二丁目4-14
【営業時間】12:00-19:00
【定休日】不定休(Instagramをご確認ください)
【公式HP】https://chappie.biz/tsukumosyo-ten