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本日9月25日で、開店1周年を迎えられた『THE HANARE IN SHOCK』(以下、『HANARE』)。同じ南船場に店を構える『THE MUSEN IN SHOCK』の2号店的な位置付けで、ファッションやカルチャーに精通した人たちが心ゆくまでお酒を楽しめる、憩いの場として愛される人気店です。仲介・施工を担当したのはキンポン氏。

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今回は、飲食店経営にとどまらず、数々のイベントを成功に導くなど、マルチに活躍されてきたオーナーの秋好哲也(通称:テテヤン)さんにお話を伺ってきました。
店舗にまつわるエピソードだけではなく、バンド活動やアパレル会社時代の話など、過去の経歴も余すところなく掘り下げてきました。テテヤンという人物の半生にも迫る、熱い内容のロングインタビュー、必見です。

きっかけは“おにぎり”

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ウーロン茶で乾杯

-エイキチ
この度は『HANARE』1周年、おめでとうございます!

-テテヤンさん
あざます!!(大きい声)

-エイキチ
『HANARE』開店に至るまでの、ご自身の経歴についてお伺いしたいのですが、確か出身は大分県ですよね。まずどういった経緯で大阪に来られたのですか?

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弾ける笑顔のオーナー テテヤンさん

-テテヤンさん
だいぶギュッとしながら話しますね。(笑)

まず、大分の高校を卒業後、服飾の専門学校に行くために上京しました。その時の寮が、色々な学校の学生が集まるところで、他の学校の生徒がやっていたバンドに誘われる形で加入し、そこから約5年ほど本格的に音楽活動をしました。

ですが、24歳の時に方向性の違いで解散。バンド活動と並行して某アパレルブランドで働いていたんですが、解散した後に大阪への異動が決まり、こっちに来たって感じです。

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タイの控えFWエイキチ

-エイキチ
ご自身の意志というよりかは、アパレル会社の社員として辞令を出されて大阪に来られたんですね。

-テテヤンさん
当時出来たばかりの新店舗に1年ほど所属して、その後は本社で営業職を5年ほど勤めました。今思えば、その時期に経営の脳みそを鍛えられましたね。

-エイキチ
現在の飲食業とは畑違いに見える世界でご活躍されていたと思うんですが、飲食店をやりたいと思われたきっかけって何かあるんですか?

-テテヤンさん
28歳の時に、ある夢を見たんですよね。『水戸黄門』のうっかり八兵衛が川の土手沿いで美味しそうにおにぎりを食べている、エンディングのようなシーン。それを見て、「おにぎりか。。」となったんですよ。

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水戸黄門のカメラワークを再現

-エイキチ
急に降ってきたんですね。(笑)

-テテヤンさん
きっかけはそうなんですが、よく考えるとおにぎりってサクッと食べれるフィンガーフードのはずなのに、「なんでイベントの出店とか少ないんだろう?」とか、「専門のお店もあまり無いな」とか、「日本文化を伝えるツールとして、家紋を取り入れてアパレルもいけるな」とか、おにぎりにまつわる疑問やアイデアが次々に溢れてきたんですよね。
そこからしばらくは、出張先で食べ比べしたりして、会社に留まりながらイメージを膨らませ続けていたんです。

そして、30歳の時。Dropbox(※)の社長の演説をYouTubeで見て、「人生どこまで頑張れるんだろう。必死に走るとしたら40歳くらいか。動くなら今か、よし辞めよう!」となり、すぐに退社を申し出ました。

※Dropbox:アメリカのDropbox,Incが提供するクラウドストレージサービス。デジタルドキュメントの管理や共有を目的としており、個人やチームで利用できる。

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めっちゃ話を聞く控えFW

“卓球”でつかんだ成功体験

-エイキチ
いろいろ構想が固まっていた状態の中、最後の最後でDropboxの社長の話が背中を押したわけですね。
その後は、『THE BAR』という卓球バーの店長を約5年ほど務められたテテヤンさんですが、いきなりお店を軌道に乗せるってすごいですよね。

-テテヤンさん
でも怖かったですよ〜。(笑)なんせ飲食経験がないから、知識もないし、いきなり店長なんて、、って思ってましたが、必死に色んなことにチャレンジしました。それで、もともと2年で辞めるはずだったんですが、なんやかんやで5年ほど店長を勤めましたね。

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-エイキチ
『THE BAR』では、どういったことに挑戦されたんでしょうか。

-テテヤンさん
実は『THE BAR』時代も“おにぎりの火”は消えてなくて。イベント出店など、実店舗を持たずに活動はしていたのですが、専門店をやるには『THE BAR』の運営が足枷にはなっていました。「辞めて誰かに引き継ぐにしても、どうせならTHE BARを盛り上げるだけ盛り上げてから辞めよう!」と心に決めてから、積極的に各方面へアプローチしました。

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まず、オシャレな空間で卓球をするという、新たなカルチャーに共鳴した者同士が集まる「酒場卓球倶楽部」を発足し、活動を始めました。
そこから、EDIFICEとのコラボイベントを渋谷で開催したり、卓球プロリーグであるTリーグともコラボを果たし、チェアマンにはお店に来ていただいたりもしました。
卓球の従来のイメージを変えるための活動が、これからますます本格化するぞ、というタイミングでコロナが直撃しました。お店も閉めることになりましたね。

-エイキチ
なるほど。しかし、それまでに積み上げた成功体験は、次にお店をやる中でだいぶ自信につながったんじゃないでしょうか。

-テテヤンさん
「やるぞ」と言って、「やれるんだ」を味わえたのが『THE BAR』時代でした。今まで積み上げてきた経験が身を結んだ感じがしましたし、思考した上で、ある程度確証を持って臨むので、ちょっとやそっとじゃビビらなくなったかもしれませんね。

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約1時間のトークライブ

コロナを有意義に過ごせた

-エイキチ
そしてコロナ禍で、「バーのような二軒目向きのお店ではなく、ガッツリご飯を出す一軒目にふさわしいお店がやりたい」という思いのもと、2021年に『THE MUSEN IN SHOCK』(以下、『MUSEN』)をオープンされます。
そこから飲食店の経営にとどまらず、フェスへの出店や、お店主催の音楽イベントを何度も成功させられるわけですが、音楽関係者とのつながりは、やはりバンドマン時代の人脈が大きいんでしょうか?

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HANAREではあて盛りや締めのカレーなど二軒目向きのメニューが豊富

-テテヤンさん
いや、実はそこは関係なくて。先ほど言った、イベント限定でのおにぎり屋の出店をコロナ以前によく行なっていたんですが、その時にオーガナイザーやDJ、様々なアーティストと仲良くなったんです。
そしてコロナ禍に入った時、「ROOM」というメディアが主催する、毎週ゲストとインスタライブで1時間トークする、ステイホームのイベントのナビゲーターをやらせてもらうことになりました。

-エイキチ
当時よくありましたね!コロナ禍のSNSで数珠繋ぎ、リレー形式で発信する企画が。

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サクサクのとり天を頬張る

-テテヤンさん
初対面のゲストと1時間オンラインでトーク。これを延べ97組、約2年半にわたって続けさせてもらいました。
1時間という縛りの中で、絶対に気まずくはなりたくない。(笑)その一心から、たくさんの方と仲良くなれたと思います。
MINMIさんやDJ KAORIさん、SIRUPにTENDREに空音など、あらゆるジャンルのアーティストとお話しさせてもらいましたが、この時をきっかけに一気に人脈が広がりましたね。お店が出来てから実際に来てくれたりと、オンライン上からリアルの付き合いが生まれたというか。

-エイキチ
コロナという期間を上手く活かされましたよね。芸人もそうでしたが(筆者は元芸人)、コロナをきっかけに仕事を増やせた者と減らした者、二分した気がします。

-テテヤンさん
コロナを有意義には過ごせたかなと。一つのことに集中する美学もあるけど、色々と挑戦することで、多方面で自分の価値を上げるやり方もあると僕は思います。

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和のテイストで楽しめる空間を

-エイキチ
そろそろ、本題である『HANARE』の話に入ります。(笑)
『MUSEN』が2周年を迎える直前に『HANARE』をオープンされましたが、結構早いですよね。やはり、繁盛していたからということでしょうか。

-テテヤンさん
ありがたいことに大勢の方に来ていただくようになり、人が集まれる空間をもう一つ作りたいなと思いました。場所は『MUSEN』の半径1km以内の南船場で、イメージは二軒目目的としてのお店がいいなと。また、バンドマンの打ち上げ会場や貸切での宴会、音楽イベントなども出来るような、『MUSEN』とはまた違った雰囲気のお店が欲しかったんです。

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イベントの時はソファを移動させDJブースを設置

-エイキチ
南船場に対してのこだわりがあったんですね。物件探しは難航しましたか?

-テテヤン
6件くらい見ましたけど、なかなか決まらずでしたね。そんな中でキンポンくんがここを見つけてくれました。元はギャラリーだったそうですが、良いハコに出会えてよかったです。

-エイキチ
畳のテーブルや壁のイラストなど、ところどころに和のテイストを感じるのですが、これはテテヤンさんのこだわりでしょうか。

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-テテヤンさん
やはり、アイデアの根底にあったのがおにぎり屋の存在でした。「おにぎり屋を出すなら絶対に畳のテーブルを作りたい!」という思いがずっとあったんです。
このテーブルは、宮城県石巻市の「草新舎」という畳専門店にお願いしました。現地にも行ってコンタクトをしっかり取り、カッコいい仕上がりになったと思います。

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イラストは知り合いのシュンナカオというアーティストにお願いしました。タトゥーに『MUSEN』のロゴや好きな銭湯のマークが入るなど、自身の歩みやアイデンティティを上手く入れてくれました。

「何屋さん?」と思われたら勝ち

-エイキチ
1周年を迎えて、現在の『HANARE』の状況はどうですか。現状の課題などもあれば。

-テテヤンさん
今は毎日営業ではなく、金、土、日、月のみの営業です。休みの日には、お店で運営しているYouTubeチャンネル「MUSEN STATION」の編集などで使っています。休む時には編集、営業時にはガッと頑張るといったメリハリでお店を回していますね。

課題というかはわかりませんが、もう少し貸切予約のお客様が欲しいところですね。カラオケも用意して宴会に適した形に作ったので、多くの方に利用してほしいです。
ただ現時点でも、たくさんのお客様が根付いてきている印象なので、スタッフには感謝しています。

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左 スタッフのタクミさん 右 店長のヤスさん

-エイキチ
ファンも付いてこられて、素晴らしいことですよね。

では最後に、今後の展望などあればお聞かせください。

-テテヤンさん
これは僕自身の野望なんですが、移動型のフェスをしたいなと考えています。
自分たちのYouTubeチャンネルで取材し、MUSENのフィルターを通した上でつながったそれぞれの街の飲食店や、知り合いのアーティストをブッキングして、各地でイベントを成功させたいです。
飲食、イベント、YouTubeをパッケージ化して世界に発信できたらなと思っています。

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-エイキチ
大きな野望ですが、すごくやりがいがありますよね。

今回のインタビューで、「一体この人何者なん?」という部分が少し明らかになったと思います。テテヤンさんのこれまでの経歴を伺って、ただやりたいと思うことは大事だけど、それを実現させるためのしっかりとした経験やバックボーンが必要だなと改めて思いました。

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-テテヤンさん
「何屋さん?」と思われたら勝ちかなと。イベンターの顔もあるし、YouTubeもやっている。でも正体は、大阪・南船場の立ち飲み屋さん。「飲食っぽくないけど、ぽいよね」と思われることが狙いです。
絶対に必要ではないことを頑張ることによって、自然と『MUSEN』にも『HANARE』にも「何かをやっている人」が集まってくるんですよね。そこに大きなパワーが生まれて、新たなビジネスチャンスも生まれるんです。今後も面白いコラボがあるので楽しみにしていてください。

-エイキチ
めちゃくちゃ熱い話が聞けて最高の時間でした!今日はありがとうございました!

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次々と面白いことを仕掛けてきたオーナーのテテヤンさん。その凄まじいチャレンジ精神は誰もが学ぶべきですが、何より大事なのは自分が一番ワクワクすることなのだなと改めて実感しました。『MUSEN』、『HANARE』の今後の展開が楽しみですね。

THE HANARE IN SHOCK

住所大阪府大阪市中央区博労町四丁目3-14 8R BLD.7 3階
営業時間20:00-3:00(料理L.O. 2:00/ドリンクL.O. 2:30)
定休日火曜日・水曜日・木曜日
HPhttps://thehanareinshock.owst.jp/

THE HANARE IN SHOCK 1st Anniversary Party
2024.9.25(wed)
OPEN 20:00/CLOSE 3:00
Door ¥1,000(Food Free)

THE MUSEN IN SHOCK 3rd Anniversary
無線遊宴

場所:味園ユニバース

日時:11月18日(月)
OPEN 17:00
START 18:00

チケット:¥5800+1D
※来場者全員にステッカープレゼント

LIVE
TENDRE(TRIO SET) @tanaakin
NIKO NIKO TAN TAN @nikonikotantan
brkfstblend @brkfstblend
luv @luv_official2023

DJ
近日発表
FOOD
近日発表

協力
GREENS
ぴあ

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  • 『THE HANARE IN SHOCK』祝1周年。“何者?”を追求する日々。

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