本日、8月18日で開店4周年を迎えられた『スシコーヒー』。江戸前寿司とエスプレッソを提供するという新たな業態で、オープン当初から大繁盛を見せてきた、今や堀江を代表する人気の名店です。ご仲介を担当したのはキンポン。
開店に至るまでの経緯や苦労話、また今後の展望や人生におけるポリシーなど様々なお話を、店主の斉藤ジロウさん・リナさんご夫妻に伺うことに。
インタビュアーはエイキチ。店主のジロウさんとは芸人時代の先輩・後輩で、大変お世話になった間柄です。思う存分、根掘り葉掘り訊いてきました。
-エイキチ
お久しぶりです!
-ジロウさん・リナさん
久しぶり〜!
-エイキチ
オープン当初に来て以来なので3年ぶりくらいですかね。
ジロウさんには芸人の時、服をくださったり、旅行に連れて行ってくださったりとめちゃくちゃお世話になりました。
-ジロウさん
海も行ったもんな。あれどこやっけ?
-エイキチ
水島でしたっけ。「北陸のハワイ」とか言われている。
あと、有馬温泉も行きましたね〜。
-エイキチ
すみません。関係ない話で盛り上がりすぎました。
真面目にインタビューさせていただきます(笑)。
以前は、芸人をやりながらカフェの店長を務める、「店長芸人」として活動されていましたが、カフェが閉店してからこの『スシコーヒー』をオープンされるまで結構早かったですよね。まず、どういった経緯でこのお店をやろうと思われたんですか?
-ジロウさん
もともとカフェの賃貸借契約の期限が決まっていたんですが、コロナの影響で2020年の4月末で閉店し、思ったより早く動かないといけなくなったんです。
そんな時にキンポンくんに会って、自宅の物件も彼に担当してもらったこともあって、物件を探していることを伝えたら、その流れでいきなり物件を見に行くことになって。堀江がいいと思っていたので、内見もここ一件でしっくり来て、その場で決めました。
-エイキチ
すごいスピード感(笑)。
-ジロウさん
自分の店を持ちたいと考えていたので、夫婦お互いの自己資金もあり、トントン拍子でオープンに至りました。
-エイキチ
事前の準備とノリの良さが、このスピード感を生んだわけですね。
-ジロウさん
早ければ早いほど面白いかなって。
「寿司屋おもろいですやん」と背中を押してくれたのもキンポンくんで。
-エイキチ
へぇ〜!前は定食メインのお店でしたが、なぜ「寿司」に挑戦しようと思ったんですか。
挑戦するにあたって修業はされました?
-ジロウさん
2019年の11月頃に活動していたコンビを解散して。その時に芸人としてのこれからを真剣に考えました。
周りの同期(NSC34期。さや香、蛙亭、ミキ亜生など)も売れてきている。どうやったら注目されるのか。その時思いついたのが、「寿司を握れる芸人なんていないぞ」ということ。
文化人枠でもなんでもいいから、世に出る手段として「寿司とコーヒーのお店」を思いついたんです。修業はしていません。
-エイキチ
そうだったんですね!知らなかった!
あくまで「芸人として」というマインドが軸だったんですね。
-ジロウさん
「カフェの店長が閉店後3、4ヶ月で寿司のお店をオープンしたら面白いやろ」が動機になっていました。
運転資金がほぼゼロで突き進んだのも、出たとこ勝負の“芸人マインド”があったと思います。
-リナさん
普通じゃないからね、そんなん(笑)。
-エイキチ
4周年を迎えてなお、予約が取れないほど大繁盛の『スシコーヒー』さんですが、お店を運営される中での苦労話などはありますか?特にリナさんは飲食業の経験もなかったそうですが。
-リナさん
本当に最初は大変でした。夫からは「横に立ってるだけでいいよ」と言われていたのに。騙されました(笑)。
-ジロウさん
(苦笑い)
-リナさん
オープン当時はランチもしていましたが(現在は昼と夜の完全予約二部制、おまかせコースのみ)、初日で150人くらい予約が入ったのですぐやめました(笑)。
電話予約もしていましたが、回線がパンクしてなかなか繋がらないなどの問題もあったりして、2022年いっぱいで来店・電話予約をやめました。
現在はテーブルチェックというサイトでのみ予約を受け付けています。
-エイキチ
うれしい悲鳴ですが、なかなか大変だったでしょうね。
ここまで大盛況になった理由や、お店の強みはご自身で何だと思われますか?
-ジロウさん
やはり、他と被らないからだと思います。
エスプレッソマシンを置いている寿司屋なんて探してもそうそうないし、カウンター寿司ではない別ジャンルとしてやっているからこそ、いろんな客層の方に受け入れられてるのかなと思いますね。
-エイキチ
寿司にこだわりのある方から、普段は高級寿司を食べる機会が少ない若者まで幅広い客層だそうですね。
-ジロウさん
あと、自分自身に師匠という存在がいない分、枠に囚われずに寿司作りに取り組めているのはあるかもしれないです。
シャリの酢の配合とかも、結構平気で変えたりします(笑)。こんなの暖簾分けしているお店だと簡単には出来ないですよね。
ですが、あくまで江戸前寿司というマナーに沿って、新しいことが出来ないか日々研究しています。
-エイキチ
寿司作りに対する情熱が素晴らしいですね。
お店を作るにあたってのこだわりは何かありましたか。
-ジロウさん
内装でいうと、寿司を楽しんでほしいという思いから、テーブルの高さや客席のパーソナルスペースなどはこだわりました。
カフェのように天井を抜いて高さを作ったのも、天井が低い日本家屋で食べる和食との違いを見せるためです。空間づくりは結構考えました。
-リナさん
毎晩毎晩、サイズの話を聞かされました。
-ジロウさん
それと、「堀江でやる」という部分にはこだわりました。
以前に堀江でカフェをしていた経験から、当初のターゲット層はこのエリアに多く住む自分達と同世代、30代半ばのご夫婦やカップルが中心かなと思っていました。
北新地や福島とはまた違った雰囲気の堀江という街で、その辺りの層のお客様が気軽に寿司を食べに来れるお店を作りたかったんです。カウンター寿司のお店自体も堀江にあまりなかったし。
-エイキチ
さすが、堀江を知り尽くした男。
では、4周年を迎えた『スシコーヒー』さんの、これからの展望について聞かせてください。
-ジロウさん
店舗展開とかは特に考えず、堀江のこの場所で、二人で長く楽しくお店を続けて行きたいですね。
-エイキチ
最後に、僕から伝えたいことがありまして。
だいぶ前にご飯に連れて行っていただいた時、ジロウさんがめっちゃ良い言葉を言ってくださったんですよ。
-ジロウさん
何も言うてないで(笑)。
-エイキチ
いや、照れんといてください(笑)。
ジロウさんはその時、「人生において何事も、“面白い”か“面白くない”かで決める」みたいな事をおっしゃったんです。
それがすごく胸に刺さりまして。今、僕の生きていく上での指針になってるんですよ。
-ジロウさん
でもそれは本当にそう。
「面白いか、カッコいいか、オシャレか。どれか一つでもハマったらGO!」みたいな生き方はするようにはしてる。だってその方が絶対楽しいやん。
-エイキチ
マジでその通りだと思います。
-リナさん
私も「面白い」って理由だけで彼と結婚しました。それでいつの間にかこんなお店をやることになって。
-ジロウさん
これからもずっと「面白い」という感覚は大事にしていきたいね。
-エイキチ
素晴らしすぎるご夫婦…お体に気をつけて末長く頑張ってください!
改めて4周年おめでとうございます。「面白いことをしたい」という誰もが見習うべきマインドで、今までありそうでなかった寿司とコーヒーのお店をやってこられた斉藤ご夫妻。
今後のご活躍も期待しております!
スシコーヒー
【住所】大阪府大阪市西区南堀江三丁目14-32
【営業日】完全予約制・おまかせコースのみ
【定休日】不定休