アート集う北区の1K

やってきたのは、北区豊崎一丁目。周辺一帯は、古い長屋が多く現存するエリアです。

大阪市立大のチームにより、大正時代に建てられた長屋群の幾つかを改修・耐震補強する取り組みが行われ、街の再生とともに増えた若い住民層によって、新たなコミュニティが生まれつつあったり。

そんな豊崎で特にご紹介したいのは、有形文化財の古民家が並ぶこちらの路地。めちゃくちゃ渋くないですか。

不定期に個展やイベントなどが開催されているコチラは「gallery_yolcha」で、様々なジャンルのアーティストが企画展を開くギャラリー。なんて覗きたくなる間口なのでしょう。好奇心がそそられます。

“小さくて安価なアート作品に出会える宝探しのような場所”をコンセプトに、個展やサロンのレンタルスペースは常時利用者を募集とか。

そして同通りには、同じく長屋を活かしたアンティークショップ「2m」も並んでいました。ネットショッピングが普及した現代だからこそ、空間そのものが楽しめる店というのは大変貴重な気がします。

手が届くデザイナーズ

さて、親しみ易いアートに触れたあとは、手が届くデザイナーズへ。

マンションは1975年築の鉄骨造4階建てで、オートロック有り・エレベーター無しの一長一短仕様。しかし所在階が3階という点を鑑みると、筆より重いものが持てない方の体力でも辛うじて上りきれるかと思います。

室内は22㎡の1K。無垢の床に塗装された壁、さらに、天井は鉄骨むき出しの王道デザインです。

くるりと角度を変えると、この部屋の全貌が現れます。あいにく、バルコニーが無いコンパクト1Kであるものの、ぐんと伸びる天高により閉鎖感は皆無。

収納はハンガーパイプ1本のオープンクローゼット。デザイナーズに住みたい方々は得てして服が多いだろう、という予想を、潔く無視した容量です。

そして右手のガラス張りが、視認性抜群の水回り。浴槽は無く、シャワー・トイレ・洗面台がひとつに纏められています。

全てが絶妙に計算された空間なので、水回りのドアさえも、匠の技が感じられる可動域。触れるか触れないか、の開閉をお楽しみくださいませ。なお、ドアに神経を全振りしたのか、ウォシュレットは無し。

さらに特筆すべきは、右手の壁に流水音発生器が設置されており、用を足す音をかき消してくれます。

そもそもスケスケなのに。

とは言ったものの、さすがに引き戸で目隠しは可能。腕前だけでなく、配慮の心も併せもった匠だったんですね。

引き戸が動くことで現れたキッチン。ガス1口の簡易的なキッチンですが、一人暮らしの自炊は、だいたいがワンパンで済ませられる麺類のはず。そこまで深刻に捉えることはありません。

では、おさらい。

北区豊崎一丁目から登場した1Kは、大阪メトロ谷町線『中崎町駅』徒歩7分。再生された長屋により、新たなコミュニティが広がる注目のエリアです。

諸費用は、敷礼ゼロの賃料共益費込み月額5.5万円。もう一度言いましょう。このデザイナーズ、敷礼ゼロの月額5万円台なのです。奇跡かよ。

毎度、秒で埋まるコンパクト1K。押さえられるかどうかは、もはや運。絶対にお見逃し無く。

以上、渋井不動産でした。