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—ozawaは物件の写真を撮るため谷町六丁目に来ていた。いつも通り、サクッと写真を撮って漫喫で時間を潰していこうと考えていた矢先、その出来事は起きた—

o「サクッと写真を撮って、今日は進撃の巨人でも読むか。流行りの漫画を読むのも、れっきとした取材だもんな。はぁー大変たいへん。」

??「よく来ましたね。」

o「!?誰だ!俺の脳に直接話しかけてくる奴は!」

精「わたしはこの家の精です。」

o「い・・家の精??森とか水なら聞いたことあるけど、家って・・」

精「毎日アナタがお部屋の写真を撮っているのは知っていました。そんな姿を見て、わたしも協力したくなりまして。」

o「いえ、結構です。

精「まずはそこの花壇ですけど・・」

o「いや、いいって!」

精「やっぱり玄関って人を迎え入れる場所じゃないですか。華やかにするためにも、チューリップでも植えればいいと思うんです。」

o「まぁ・・」

精「ちなみに花言葉は『失われた愛』です。」

o「重っ!!」

精「さぁ入りなさい、みすぼらしいサラリーマンよ。」

o「急にクチわるっ!!」

精「左手に土間スペースがあるでしょ?その濁った目で見てみるといいわ。」

o(家に入った途端のクチの悪さが尋常じゃないな・・)

精「ここに車でも何でも停めるといいわ。」

o「いや、全然むり!ママチャリが関の山だって!そもそも玄関から車突っ込めないだろ!」

精「まぁ!自分が車買えないからって、妬いてるのかしら・・」

o「性格の悪さすごいな!」

精「玄関入って右手が水周りよ。」

o「めちゃくちゃキレイじゃん。」

精「築2年しか経ってないのでね。アナタの実家と違って、設備はほとんど最新よ。」

o「実家の悪口も!?」

精「お風呂は浴室乾燥機付きだし、天井から差し込むLEDがオシャレでしょ。」

o「くっ・・認めざるを得ない。」

精「家賃は15万円。ここのお湯は、アナタが一生触れることのできない高潔なものよ。」

o「俺が何をしたっていうんだ・・」

精「トイレも、もちろん最新式のタンクレストイレよ。」

o「おぉー、これはなんかテンション上がるなぁ。」

精「ちなみに二階にも同じのがあるわ。」

o「タンクレスレスじゃん!」

精「ここが玄関突き当りの洋室、広さは4帖よ。」

o「寝室か。すごいヌクモリ溢れた部屋だな。」

精「照明のおかげよ。そのアホ面を上げて見てみなさい。」

精「おばあちゃんの帽子みたいな柄でしょ。これがヌクモリの正体よ。」

o「褒めてんのそれ?」

精「もちろんよ。この柄にすることによって、高齢者から絶大な支持を得ること間違い無しだわ。」

o「政治家みたいなアピールの仕方だな。」

精「さ、一階の部屋はこれで終わりよ。とっとと帰りなさい。」

o「いや、二階も見せろよ!」

精「先に言っておくけど、二階も土禁よ。」

o「心配してないわ!」

o「おや、アレは・・」
精「そう。案の定、システムキッチンよ。」

o「まぁそうだろうな。」

精「ここで作れない料理があるとすれば、教えてほしいものだわ。」

o「システムキッチンへの信頼がえげつないな。」

精「二階の広さは11帖。申し分なくって?」

o「知らねぇわ!」

精「11帖の計り知れない広さを、とくと味わうといいわ。」

o「いや、まぁ広いけど計り知れないほどでは・・ん?何だこれ?」

精「それは『ヒッピー布』よ。この部屋に足りないものを考えたときに、ヒッピー感の演出は必須だったから、採用したのよ。」

o「必須では無いと思うけど・・」

精「最後に、タンクレスレスよ。」

o「あぁ〜、ほんとに二階もタンクレスじゃん。」

精「確認したら、さっさと出ていきなさい。」

o「どんだけ帰ってほしいんだよ!」

—なんとか部屋の一部始終を見ることができたozawa。しかし、今回の取材で彼が受けた心的ダメージは相当なものだった。

果たして、次の取材までに彼のメンタルケアは間に合うのだろうか。

続く—

谷町六丁目の築浅戸建、1・2階ともに24.8㎡で店舗仕様も可。

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