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6月の昼下がり、事務所で不労所得セミナーの動画を見ていたozawaに、一本の電話が。

シュワ店長「土佐堀の川沿いで空室が出た!さっさと行ってこやぁ!」

何故か名古屋弁のシュワ店長を軽く無視して、事務所を出る。

半裸の男が、土佐堀へ向かった。

玄関前に着くもなかなかドアノブを回せない。

「まさか名古屋コーチンが放し飼いにされているのでは。。。」

底知れぬ不安が、虚弱体質のozawaを襲う。

恐る恐る入ってみると、コーチンはいなかった。

恐らくシュワ店長の頭の中は、先日カラオケに行った時に代表が歌っていた「名古屋はええよ!やっとかめ!」が充満していたのだろう。

しかし良い雰囲気の部屋だな。無垢材の床が、ozawaを暖かく迎えてくれた。

北向きの大きな窓から差し込む光が、不摂生で脂ぎったozawaの肌にテカりを加える。

おそよ12帖ほどであろう1ルームが、今のozawaにはタージマハールのように広く感じられた。

白と紺のコントラストで区画された木製の戸を開けると、そこはクローゼットだった。

中を見ると洋服持ちの前入居者の遺物が。突っ張り棒が突っ張りまくってるのである。

度重なるストレスからか、ozawaの口内炎がまた一つ、産声をあげた。服くれ!

「まさか…ここで?」

日当たりのいい窓際にポツンと置かれたテーブル。普段、食事や読書のための家具。

これも前入居者の遺物。日当たり皆無の部屋に住むozawaにとっては妬み発生以外の何物でも無いガジェットだ。

しかしシングルベッドにしていた可能性もあるため、口内炎は増加せず。

抜群の眺望を眺める、半裸の不動産屋。

窓から飛び出せば、川に着水できるほど土佐堀リバーサイド。

幼少期、父が「川遊び」と連れて行ったくれた場所が、近所のドブ川だった記憶が蘇る。

口内炎がひとつ治った。

ここまで渋くて機能的で明るくて最高の部屋だったものの、風呂トイレだけは少し手を抜いたようだ。

洗面台も同梱された三点ユニットバス。ozawaの部屋はキチンと全部セパられてる。

「もうこの部屋はラ・フランス。」

『ようなしギャグ』を華麗に決めるozawa。暖かくして帰ろうと、カバンから取り出したタイトなジーンズを、ボディにねじ込んでいる時、換気口に書かれたあるメッセージが飛び込んできた。

「すぷれめ」

前入居者が残した不穏なメッセージに、ozawaの括約筋が引き締まる。

「嘘だろ?」

思わず声を漏らす。

ozawaが所有するコレクションを詰め込んでも、まだまだ余裕な大容量シューズボックス。

恐らく全入居者はやたらと靴持ちの輩だったのだろう。

*ozawaのコレクション:『エイリアン』主演女優、シガニー・ウィーバーのデスマスク。悲壮感verのみで20パターン以上存在する。現在は絶版。

以上。

土佐堀の川沿いで見つけた、リバービューだけじゃない渋い部屋は、現在絶賛入居者募集中。

ユニットバスでも良い。渋くて広いワンルームに安く住みたい。

そんなあなたからの問い合わせをお餅お待ちしている。

ozawa

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