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私は今、北大阪急行緑地公園駅にいる。

西区にお住まいの皆様は聞き馴染みがあまりないかもしれないが、大阪の動脈とも言える地下鉄御堂筋線を北向きに乗ると到着する駅である。

有名な江坂駅の次の駅。弊社の代表取締役店長は豊中出身、私KINPONも江坂に8年ほど住んでいたので、渋井不動産的には馴染み深い場所なのだ。

その名の通り、駅を降りると「緑地公園」という北大阪最大の緑地が広がっていた。

その広大な敷地にはプールキャンプ場バーベキューのできる広場はもちろん、大阪を代表するスカバンド「ドーベルマン」がフェスを自主主催する野外音楽堂があったりと地域に根付いた公園だ。

そんな緑地公園駅から少し北に進むと見えてくる「阪急OASIS(オウェイシス)「Joshin」の複合店。休日のためか店内は混雑気味。

なぜ、今日は西区を飛び出して北摂までやってきたのか。

そう、それはもちろん、

「そこに渋い物件があるから。」

ただ、それだけである。

この外観から特徴ありまくりの一件を見るためだけに、心斎橋から片道370円使ってやってきた。

あの先端部分はなんなんだ。今にもあそこから「ブライト船長」が我々に指示を出しそうである。

千里山にそびえ立つ名作ヴィンテージマンションは、昭和55年に建てられてから今まで、その稀有な見た目から入居希望者が後を絶たず、分譲売買でもその名前を見ることは稀、今回のように賃貸募集が出るなんて小さな奇跡なのである

■ 千里山ロイヤルマンション1号棟 ■

1981年に第1回大阪市景観建築賞大阪府知事賞を受賞。日本建築界において花の16年といわれる昭和16年生まれの建築家の一人である「遠山剛生」の意欲作である。(同16年生まれには安藤忠雄氏や伊東豊雄氏がいる。)

1号棟から4号棟までが広大な敷地内に並び、この居室と共用部の空中廊下が入り組んだ姿は1号棟の見所である。

1号棟に続くコンコースを歩くと迎えられるエントランス。

大きな間口でモザイク状に並べられたタイルが大変モダンである。

エントランスの集合ポストを横目にエレベータを目指す。

管理人室や住民の方が集まる懇親室などの扉は赤く塗り上げられ、巨大なマンションの無機質な印象をガラリと変えることに成功している。

敷地内には屋外駐車場も有り。

現在空きも有りとのこと。(月額12,000円)

エレベーターで目的階に到着した。下から見上げた姿とはまた違う「空中廊下」が荘厳である。

ちなみに1号棟の空中廊下から見える目の前の建物が「4号棟」である。

あの4号棟も斜面を斜めに走るエレベーターや、各戸独立したルーフバルコニーなど見所が満載なので、機会があれば紹介したい。

この空中廊下は見てわかる通りデザインも素晴らしく、開放感もすごいのだが、めちゃめちゃ入り組んでいるため目的の部屋に辿りつくのが非常に困難だった。

実際私も空中廊下ですれ違った住民の方に道案内していただいたほどである。

この玄関に辿りつくまでにコンコースを抜けてから10分ほどかかった。(本当に)

初めての来客は敷地内で迷子になるかもしれない。

空中廊下から小上がった場所に各2戸置かれ、全ての部屋が独立している点も注目ポイントである。

玄関を開けると

「敷地内で迷子になっても辿り着いてよかったやろ、おい。」

と部屋が私に語りかけてきた。

「本当に来てよかった。」

私は部屋にそう語り返した。慣れない場所に来て震える私を包み込む、24帖のリビングルーム。大きな掃き出し窓から差し込む柔らかい光。

そしてその窓の両サイドに待機する2台のエアコンは新品。

広大なリビングルームを挟むように和洋室が2部屋置かれた間取りは秀逸で、個人的に今まで見てきたどんな間取りよりも使いやすそうだと感じた。

間取り of the Year 受賞だ。

天井は無慈悲にもぶち抜かれ、その躯体むき出しの姿を白く塗装。

そこに付けられたスポットライトレールには、ラギッドな印象のペンダントライトが揺れていた。

その奥にはピクチャーレールも装着。好きなアートを美術館感覚でディスプレイできる素敵な設備である。

広大なリビングに併設されたキッチンスペースだけでも7帖はありそうだ。

取り付けられたシステムキッチンは食洗機付き。今回のリノベーションで全ての設備が新品のため、現行品最高の一品であることは間違いない。

3口ガスキッチンのガラストップはピンク色。可愛らしい奥様に喜んでいただきたい一心でオーナーさんはこの色を選んだのであろう。素敵である。

キッチンの隣のスペースにな洗濯パンが置かれ、そのスペースもウォークインクローゼット級の広さであった。

リネン用品をうまく収めていただけそうな棚があるものの、キッチンのサイドバックという絶妙なポジショニング。

料理のオイニーがつかないか不安になる。

そんな不安を解消できるわけではないが、室内洗濯パンへの入り口はロールスクリーンで隠すことができることもお伝えしておこう。

先述の通りリビングを挟むように6帖の部屋が、洋室と和室それぞれ用意されている。

まずは洋室からご覧いただこう。

収納力も申し分なさそうなクローゼットがステイオン。

キングサイズのベッドと奥様のドレッサーを置くスペースは確保されている。

洋室の窓から網戸越しに見える空中廊下もまた渋い。

そして和室。照明がまだ取り付けられていなかったため、少々暗めの写真で申し訳ない。

こちらも洋室同様6帖の広さで、私の背後には大きめの押入れが息を潜めている。

和室の襖を開けると、そこに用意されたサービスバルコニー。

心が洗われそうな素敵な眺望については、後ほど詳しく語る。

システムキッチンと同様、今回のリノベーションで新品の設備に代えられたお手洗い。100年美しさが続く「アクアセラミック」を搭載したLIXIL社製のものである。

独立洗面台もバスルームの横にしっかりデザインを効かせてライドオン。

くどいようだがこの洗面台も新品で、洗面台の照明と曇り止め等の各スイッチがタッチパネル式であった。男心を擽るようなガジェットも搭載済みだ。

唯一残念な点は、お風呂が少しコンパクトだったところだ。1616サイズの浴槽と追い焚き・自動湯はり付き。なんなら防水テレビを期待した私としては少々がっかりだ。

76㎡の居室とは比例しない小じんまりとした浴室、しかし新品だ。

お風呂の小じんまりな室内からエスケープするようにバルコニーに飛び出た。

大きなリビングの横幅いっぱいに広がり、南向きで心地が良い。

バルコニーは南向きだが、このマンションは全室角部屋な建物構造のため、東西南北全面に窓が取り付けられている。

そしてバルコニーから見える景色はコチラ。

この方角は2号棟が見え3号棟が現在大規模修繕中である。この一角から見える景色に有名なヴィンテージマンションが建ち並び、北摂らしい眺めである。

「紅葉始まってるで!」

と訴えかけてくる木々たちは、そのマンションの築年月と比例して、この部屋がある7階まで枝を伸ばして轟々としていた。

この木が植わっている場所がエントランスに続くコンコースであり、多彩な植物で素敵に緑化されている。

大阪に建つ名作ヴィンテージマンションに住む。

SRC構造11階建て、その広大な敷地面積と特徴のある外観は80年代ならでは。遠藤剛生氏によってデザインされ、36年間の年月その人気は衰えること無くそこに存在している。

近所には緑地公園とスーパー家電量販店やコンビニも並び、最寄り駅から徒歩7分弱で到着する。そこに郊外のデメリットは一切感じなかった。

御堂筋沿線でお仕事をされる方なら通勤も苦じゃない。

そんなお部屋、オーナー様のご厚意で共益費込で10.5万円。(年内入居者限定)

このクオリティの部屋がこの値段しかも名作の一角、大阪市内では考えられない。

ゆったりとした暮らしを求めるアナタにオススメしたい至極のヴィンテージマンション。

お問合わせは渋井不動産まで。

以上。

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