事務所利用も可能
「市内中心部で、とにかく渋い物件が出た」
そんな情報を聞きつけ、やってきたのは曇天の本町通。交通量が多い大通りに比例し、一帯には多くのオフィスや店舗が並びます。
今のところ特に目を引く建物はありませんが、本当にそんな物件があるのでしょうか。”とにかく”なんて枕詞までつけて、ハードルはぐんぐん上がるばかりです。
ビルのエントランスに到着。拍子抜けするほど至ってノーマル。幾つかのポストには社名が表記されており、今回紹介する一室も事務所利用が可能です。
この時点でもやはり、”とにかく渋い”なんて前評判は半信半疑。「この奥に美味い中華屋がある」なんて言われると、うっかり信じてしまいそうな雑多感のせいかもしれません。
なんて言いつつ3階へ上がると、
共用部、激渋。
現れたのは、まさに別世界とも言える渋い空間。なんの変哲もない当ビルにおいて、この3階だけがインダストリアルデザインに差し替えられているというオンリーワンダーランド。
デザイン・設計事務所などクリエイティブな業種はもちろん、探偵事務所なんかも恐ろしくマッチすると思います。独特の雰囲気は、松田優作の一人や二人いたってすんなり馴染むに違いありません。
そんなフロアのなかで、最も渋い玄関口をしているのが目的の一室。
玄関扉が奥まった構造になっているのはこの部屋のみで、思わずアジトと呼びたくなるような門構えです。FBIが突入しそうな。
かつて見たこと無い部屋
FBIが踏み込んだ先がこちら。エージェントも思わず「いい部屋じゃん」なんて銃を下ろすでしょうね。
ボーダーレスな土間には自転車を突っ込むことも可能。突き当りにアイアンラックを置くと、ぐっと男臭さが増すジャンクなテイストに。
では、写真左手へ進みます。
「水回りが渋い」という感想を、かつてあなたは抱いたことがあるでしょうか。私はまさに今、初めて抱きました。
決して高年式の化粧洗面台ではありませんが、この空間にはこの洗面台が大正解。無いよりはマシという鏡のやっつけ感も好きです。
入浴はシャワーのみ。なぜガラス戸なのかという疑問はありますが、ホラー映画のシャワーシーンを撮るならこのアングルが打ってつけ。この後チェーンソーを持った男が登場します。
トイレはウォシュレット付きの逸品で、想像通りの無機質な空間に仕上がっていました。
ワンルーム、23帖
後半戦は居室を見ていきます。といっても、まずはこのインパクトを脳が処理できているでしょうか。
64㎡という広さを有する当物件は、巨大な棚によって分断された23帖のワンルーム。かなり振り切った間取り以上に、その仕様ひとつひとつが気になって仕方ありません。
ガス2口に魚焼きグリル付きのアイランドキッチン。
一段高くなったココは、アイランドというよりスピーチ台のような佇まいを感じます。ぜひとも料理の腕をふるったり、お小遣い交渉の熱弁をふるっていただければ幸いです。
こちらは本棚の向こう側。10帖ほどの寝室スペースになるでしょうか。
縦の写真にしたのは、ぶち抜かれた天井高を感じて欲しかったから。”造り物”や”魅せるためにつくられた物”ではなく、露わになったからこそ感じられる”生々しい無骨さ“が最高にいい仕事をしています。
では、おさらい。中央区本町橋から登場した64㎡のワンルームは、大阪メトロ堺筋線・中央線『堺筋本町駅』徒歩5分。谷町線『谷町四丁目駅』も徒歩8分ほどで、2駅3路線のアクセスを誇ります。
諸費用はなんと、礼金1ヶ月の月額10万円。
もう一度言いますが、市内中心部でとにかく渋い一室が月額10万円です。これはお手頃すぎる。一人でも二人でも事務所でも、まずは渋井不動産までお問い合わせください。
※改装前の写真のため、現状と異なる場合がございます。
【良かった点】
◎2駅3路線のアクセス
◎特別フロアのオンリーワン部屋
◎事務所利用可
◎お手頃賃料
【気になった点】
△浴槽なし
△採光力弱め