夜のデザイナーズ
やってきたのは、暮れなずむ南堀江二丁目。無造作に並べられたチャリンコも、無機質な空間にかかればこんなにも画になる。
かの清少納言は、枕草子の冒頭で「春はあけぼの」と綴った。春は明け方がいい。だんだん白んでいく空、少し明るくなった山ぎわ、紫がかった雲がたなびく様子がいい、と。
では、今回のデザイナーズ物件はいつがいいのだろう。
答えは夜だ。正確には夜もいい。日中がうららかな温もりを感じる空間だとすれば、夜はグッと幻想的な空間へと変わるのだから。
オートロックを抜け、エレベーターで4階へ上昇する。共用廊下にはヒントを書き記したような行き先表示。
天井を這うように通ったパイプや等間隔でぶら下がった裸電球が、インダストリアルな佇まいを演出。そんな廊下を突き当たりまで進むと、目的の一室にたどり着いた。
光が主役のワンルーム
玄関ドアの先は、廊下と同じく白塗装の壁。視線を右手へひねってみると無垢材の床が視線を独占し、やがて躯体が剥き出された天井へと移りゆく。
奥は14.5帖のワンルーム。右手には水回りとキッチンが背中合わせで配置され、仕上げに大きなミラーが居室へ向けられた。天井ではシーリングファンがきりきりと舞っている。
そしてなんといっても、このブラケットライトなしで当物件の魅力は語れない。小さく灯るその照明は、日暮れとともに煌々と力強さを増していくだろう。
床に転がすボールランプや背の高いスタンドライトなど、様々な役割を担う間接照明を配役すると、この部屋の「夜」は完成するのだ。
外を覗いてみる。未だ暮れなずむ空は、辛うじて見えるスーパー玉出の照明より明るい。決して広いとは言えないバルコニーかもしれないが、洗濯物が干せないこともない気がする。
ちなみに当物件はSOHO利用も相談できるため、缶コーヒー片手にココで夕暮れを嗜むのも趣があっていいと思う。
※物販・来店型の業種はNG
自宅兼事務所にいかがでしょう
北と西の二面採光により、日中は柔らかな調光に包まれる当物件。直射日光とまではいかないものの、じんわりと穏やかな採光で部屋の雰囲気は優しい。
昼と夜でスイッチする印象は、オンとオフのメリハリが必要な自宅兼事務所にもぴったりだ。
キッチンはガス2口と魚焼きグリル付き。庶民的なキッチンタイルや洗濯パンが並んでぶことにより、生活感を凝縮した一角になっている。
キッチンの対面にはトイレと浴室をそれぞれ配置。特筆する機能面はなく、水回りは清潔感のみで勝負する。
では、おさらい。西区南堀江二丁目から登場した30㎡のワンルームは、大阪メトロ千日前線・阪神なんば線『桜川駅』徒歩5分。オレンジストリートもすぐのグッドリッチだ。
諸費用は、礼金2ヶ月の月額8.5万円。
昼も夜も楽しめる南堀江のデザイナーズ、間接照明などを駆使して是非ともあなたの感性を投影してほしい。お問い合わせは渋井不動産まで。
【良かった点】
◎住むも働くも便利な立地
◎インダストリアルな共用部
◎昼と夜の二面性
◎SOHO相談可
【気になった点】
△バルコニーのサイズ
△賃料に対して水回りが弱め