伝説の薬草を探すため、ダンジョンに迷い込んだわけではない。渋い部屋を探すため、エントランスに入っただけだ。

そんなＲＰＧ感満載のこの場所は、浪速区桜川。買い物をするときは歩いて堀江に行けばいいし、電車を利用するときは桜川駅か難波駅へ向かえばいいという、ハマる人が多い立地だ。

コチラ玄関前の共用部。今はバッチリ明るいが、エレベータが開いた瞬間はめっちゃ暗かった。照明が点くのがあと２秒遅かったら全身でチビっていたが、優秀な人感センサーのおかげでちょっとだけで済んだ。

玄関からバルコニーの様子が伺えるほど一直線な部屋。まばゆい光に照らされ温もりを出す無垢床、コンクリートの重厚感で覆われた壁、湿る股間。

全ての要素が計算されたデザイナーズマンションだということが、この玄関だけでわかる。

廊下の左手にある引き戸をガラガラすると、水周りが整列していた。まるで渋井不動産がこの部屋へ来るのを待っていたみたいだ。

目の細かいネイビーのタイルに美しく生えた映えた白の陶器。このスタイリッシュさも計算されたものであれば、いったい何枚の計算用紙がいるのだろうか。考えるだけで湿度が上昇する。

そして水周りの正面にはコレ。

全ての人類から「上らない」という選択肢を奪う魔具が、我々をさらなる高みへ誘う。

砂漠のような景色が一面に広がっているロフト収納だった。

無駄な生活感を出さないために設けられたシークレットスペース。ここまで計算できるデザイナーは、きっと暗算も得意に違いない。

リビングスペースには大型の収納とステンレスキッチン。収納は可動式になっており、自由自在に模様替えが可能だ。

ここで少し気になったことがある。あの計算好きのデザイナーの割に、リビングスペースは何の変哲もない。（もちろん部屋の雰囲気はカッコいいが。）今までの経験からみて何かがあってもおかしくないのだが、収納が可動式というくらいか・・・。

ん？もしや・・・

ピッタリじゃないか。

なるほど。入居してからカーテンを買うまでのタイムラグの間、これでしばらくはカーテン要らずの生活ができるな。

なんて神々しい収納なんだ。

本来の意図とは全く異なっているかもしれないが、我々は渋井不動産。他の不動産屋ができない様々な可能性を提案させていただく。

桜川駅まで徒歩１分、難波駅までは徒歩５分ほど。少し歩けばファッショナブルシティの堀江がお出迎えするこのお部屋は込７.６万円。

計算されつくされたデザイナーズマンションを、ぜひご堪能あれ。

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