北摂の名作建築
日々名建築を追い求め、いつか住めたらと憧れを抱いている皆様に年明け早々お知らせしなければならない事態が発生いたしました。それは、あの「ZEPHYR HILL」に一室だけ空き予定が出たということ。
当マンションの存在をすでにご存じの方はこれを聞いて身支度を始めているでしょうし、ご存知無い方もこの記事を読んで引っ越し準備に入ることでしょう。
それほど魅力溢れ、「一度は住んでみたい」と人の心を動かしてしまう「ZEPHYR HILL」とは一体どんな物件なのでしょうか。
❏物件名称：ZEPHYR HILL（ゼファーヒル)
❏主用途：共同住宅
❏ 設計：石橋清志建築設計事務所 (HPはコチラ)
❏ 施工：株式会社藤木工務店
❏ 築年月：2001年11月
❏ 構造：RC造地下2階・地上3階建
❏ 受賞歴：第23回大阪まちなみ賞大阪府知事賞
まず立地条件ですが、お世辞にも便利とは言えません。最寄りはモノレール「少路駅」で徒歩8分ほど。大阪市内に出るには千里中央で御堂筋線に乗り換えが必要です。地図上の赤い線は「ロマンチック街道」と呼ばれる府道で、ファミリーレストランやカフェなどが数多く立ち並ぶのでその点は嬉しいポイント。ただ、近隣にスーパーなどが無いので日々の買い出しは車で少し走る必要があり、総合して便利とは言いにくいエリアです。
学区は豊中市内でも人気の「上野小学校」「豊中第十一中学校」です。
ZEPHYR HILLというタウンハウスは、どこか異国の雰囲気をまとっています。それは日本ではあまり見ない大胆な色使いであったり、ひとつひとつの素材感であったり様々ですが、一歩一歩足を踏み入れるたびにワクワクするのは確かです。
建築家の本腰が入りデザインされた住宅は、デザイナーズやリノベーション、コンバージョンを問わず、一部の人達やクリエイターの趣向に尖ったイメージがありますが、ゼファーヒルは少し違います。誰もが豊かなデザイン空間で心地よく生活でき、人生の貴重な時間を費やす場所は本来こうあるべきだ、という本質的な感覚を訴えかけてくるよう入念に設計されているのです。
冒頭でお話したように、ZEPHYR HILLは空き予定。なので、これからご覧いただく室内は、過去に撮影した別部屋ということを予めご了承ください。（反転タイプです）
玄関から一歩入ると、上品な色合いのフローリングに白く塗装された壁。敢えてムラに仕上げた塗装壁にスポットライトをバウンスさせることで、空間に品の良さを漂わせています。
1階の洋室は約10.5帖。上部から共用部の自然光が差し込む設計になっており、日中は電気をつけなくてもいいほど。収納に関しても、大きなクローゼットが3つ並ぶパワフルっぷりです。
階段をのぼりきると、そこはLDKが約12帖。高く引き上げられた天井と、開口部が大きな掃き出し窓が相まって、その開放感は数値上の帖数を超えます。 また、正面に見える開放的なテラスが印象的。
石橋建築は日中の光の反射までデザインとして取り入れており、採光を部屋のデザインに落とし込む緻密な設計もこの物件が和製バラガン邸と呼ばれる理由でしょう。
誰もが違和感を覚える、薄いピンクの壁が特徴的なテラス。敢えてピンクを差し込むあたりも巧妙で、白で統一感を出すよりも差し色を取り入れることで、建築が持つ直線の美しさを表現しているのでしょう。
青い空と非常にいいコントラストになっており、自身が特別な空間にいることを再認識させてくれているようです。
キッチンはＬ字型のシステムステキッチンで、性能も抜かりない三口のガスコンロ。キッチン周りの収納も多く、使い勝手も申し分なさそうです。
2階の洋室手前に置かれたパウダールームは、天板が左右に大きく伸びており最新鋭の設備にも負けない機能性。 あえてダウンライトを採用せずに、バウンスさせて光が漏れるように手元を照らす上品な設計もグッドです。
バスルームも抜かり無し。浴室乾燥機付きで広大な床面積、そして広めに取られたシャワーエリア。 贅沢な空間設計が浴室までも、といったところでしょうか。
廊下の突き当り、8帖の洋室。79㎡の2LDKなので、全てがゆとりある空間。外の景色が窓一面に広がり、リクライニングチェアーでも置いてゆったりとした時間を過ごしたくなります。ぶ厚い無垢の家具とざっくりとしたファブリック、そして本や置物を置いて特別な空間に仕上げてください。
大阪の郊外に住むという選択肢の中で、北摂エリアは間違いない選択でしょう。私の大好きな建築家が作った名作ヴィンテージマンションも多いし、緑が多い街並みはファミリー層の人気が高い。そして高級住宅街の上野坂には、ゼファーヒルのようにデザインと住み心地の良さを兼ね備えた物件もある。 石橋清志氏の数多く建てられたレジデンスの中でも、ひときわ異彩を放つ本物件。もしかしたらいつかは文化財に選ばれるかもしれない。そんな場所を選んで住むチャンスが、やってきたのです。
お問い合わせは、渋井不動産まで。
