「めっちゃ素敵な物件が見つかったから、取材に来て欲しい。」

シュワちゃんからそんな連絡を受け、向かったのは難波。ハイエンドと下町感が交錯するこの街に、シュワの推し物件が見つかったらしい。

「前回の募集時も、寸前で取り逃がしました。」

悔しさを滲ませながら、今回の募集物件を丁寧に説明してくれた。

シュワ（以下S）「今回ご紹介する物件はコンパクトな１LDKで家賃が６万円なんですよ。」

私（以下K）「おぉ、安いね。」

S「ですよね。近隣相場よりもかなりお求めやすい家賃設定だと思うんですが、期待以上にエントランスが荘厳でした。もっとボロボロのほうが面白いですけどね。」

S「この場所で、この家賃でエレベーターが付いてますね。奇跡です。僕が前住んでた部屋、階段で５階まで登らなきゃいけなかったのに、5.8万円でしたよ。内装はフルリノベでしたが。」

K「しかも７帖のワンルームでバルコニーもなかったしね。あの部屋はフルリノベした独房だなって、店長と話してたよ。」

K「共用部も渋いね。古いけど、渋い。」

S「あの格子の窓とか堪らないくらい渋いですね。あの格子窓見ながら白飯３杯食べれます。」

S「ここで違う物件を紹介いたします。　ではないんです！」

S「あのたまらなく渋い共用部から、扉一枚隔ててこの空間が待っているんです！」

K「玄関周りも超広いね。以前シュワちゃんが住んでた部屋、この玄関くらいの広さだったよね。」

S「全く否定できません。この広さで5.8万円でした。」

S「コンパクトな１LDKなんですが、仕切りを引き戸にすることで解放的な空間に仕上げられています。しかも、内装の建具は全て新品です。」

K「外見はチクフルだけど、中身は新築ってわけか。しかも広い。これはシュワの大好物の物件じゃないか。」

S「そうなんです。シュワの大好物なんです。優しい色味の内装がヌクモリティを加速していて、すごく好きです。」

K「こんな都心の真ん中でヌクモリティが感じれるなんて、この部屋か浪速公園くらいだろうな。」

S「この採光グンバツの窓も見てくださいよ！眩しすぎて、ドラキュラなら即死ですよ！」

K「ドラキュラはこの時間寝てると思うよ！」

S「しかも眺望がなんばパークスビューです。４６階建てのザ・なんばタワーレジデンスインなんばパークスに見下さられる感じ、ドキドキしますね。」

K「高速道路をジャンプで越えたら２秒でなんばパークスに到着できる、いい立地だね。」

S「ただバルコニーはないので、この室内乾かし棒を駆使していただきます。」

K「シュワちゃんの以前の部屋もバルコニー無かったよね。住み心地はどうなの？」

S「なんの問題もありません。洗濯物を干して、急な雨にさらされる危険性もなかったですし。」

K「あれ？あの奥の扉は？」

S「よくぞ聞いてくれました。ウォークインクローゼットです！布団を敷けば縦に三人は寝れそうなほど広い空間が用意されております！」

K「おぉ！これは凄い！以前のシュワちゃんの家は収納少ない上に、室内洗濯パンがクローゼットにINしてるトリッキーなタイプだったもんね。」

S「しかも、きちんとオーソドックスな収納も用意されています。シーズン物はウォークインクローゼットで、今時期のものはコチラに掛けておくのが良いでしょう。」

K「いいね。」

S「では扉で区切られたキッチンスペースをご覧ください。」

S「独立洗面台も洗濯パンも全てココに置かれています。水仕事を一極集中させた素敵な空間なのですが、」

S「残念ながらキッチンが雑魚（ザコ）です。」

K「おぉ！以前のシュワちゃん家と全く一緒のタイプじゃん！」

S「はい。このキッチンのポテンシャルを１００%駆使しても、チャーハンが限界です。」

S「ですが、それ以外の水周りは素敵なんですよ。お手洗いも新品の便器に新品のウォッシュレットが付いていますし。」

K「本当だね。でもこの壁紙のクセが強すぎて、野外で用を足している気分になりそうだ。」

S・K「でも、お風呂はFUTOO!!!!!」

注※しかしながらコチラも新品です。

S「どうでした？僕の推し物件。これで家賃６万円ですよ。」

K「そうだね、コスパが良すぎる。こんな物件、また探してくれと言われても、絶対見つからないだろうね。」

K「いい仕事をしたと思うよ、シュワちゃん。」

というわけで、シュワちゃんの推し物件が入居者募集中です。

実際に私も足を運んで、見事にノックアウトされました。

お家賃は共益費込６万円。そして初期費用もコスパ良し。

さぁ、今すぐシュワちゃんにお問い合わせを。

彼はもう、物件の前で待っている。

以上。