アート集う北区豊崎のワンルーム
やってきたのは北区豊崎一丁目。辺り一帯は古い長屋が多く現存するエリアだ。
2007年度より大阪市立大のチームが大正時代に建てられた長屋群の幾つかを改修・耐震補強するプロジェクトが進行しており、街の再生とともに増えた若い住民層によって、新たなコミュニティも生まれつつある。
そんな豊崎で私が特にご紹介したいのは、有形文化財の古民家が並ぶこちらの路地。めちゃくちゃ渋くないだろうか。
不定期で個展やイベントなどが開催されているコチラは「gallery_yolcha」で、様々なジャンルのアーティストの企画展を開くギャラリーである。なんて覗きたくなる間口なのだろう。好奇心がそそられる。
“小さくて安価なアート作品に出会える宝探しのような場所”がコンセプトのようで、個展やサロンのレンタルスペースは常時利用者を募集しているそう。
ちなみに同通りには、同じく長屋を活かしたアンティークショップ「2m」も並んでいる。ネットショッピングが普及した現代だからこそ、空間そのものが楽しめる店というのは大変貴重だろう。
※gallery_yolchaのInstagram
2mのHP
手の届くデザイナーズ
さて、親しみ易いアートに触れたお次は、手の届くデザイナーズへ足を運ぼう。
マンションは1975年築の鉄骨造4階建て。オートロック有り・エレベーター無しと一長一短の設備である。しかし所在階は3階なので、トランペットが吹けない方の肺活量でも十分上りきれる。
王道・イズ・ベスト
室内は22㎡のワンルーム。無垢の床に塗装された壁、さらに天井は鉄骨むき出しである。これぞ王道のデザイン。だが、それがイイ。
くるりと角度を変えると、この部屋の全貌が見えるだろうか。あいにくバルコニーが無いコンパクトワンルームであるものの、ぐんと伸びる天高により閉鎖感は皆無だ。
収納はハンガーパイプ1本のオープンクローゼット。デザイナーズに住みたい方々は得てして服が多いだろうから、断捨離は必至だろう。だが、それでイイ。
そして右手のガラス張りが視認性抜群の水回り。浴槽は無く、シャワー・トイレ・洗面台がひとつに纏められている。
ここで注目
全てが計算された空間なので、水回りのドアにも匠の技が感じられる可動域。全閉・全開をお楽しみいただきたい。なお、ドアに神経を全振りしたのかウォシュレットは無し。
さらに特筆すべきは、右手の壁に流水音発生器が設置されており、用を足す音をかき消してくれる。いや、そもそもスケスケやん。などと野暮なことは言ってはいけない。何事も恥じらいは大切なのだ。
とは言ったものの、恋人や友達を招く際には引き戸で目隠しをするといい。その代わりと言ってはなんだが、
キッチン登場
キッチンが現れる。ガス1口と簡易的なキッチンであるものの、一人暮らしの自炊はだいたい麺類になるだろうから十分こと足りるはずだ。
では、おさらい。
北区豊崎一丁目から登場したワンルームは、大阪メトロ谷町線『中崎町駅』徒歩7分。再生された長屋により新たなコミュニティが広がる注目のエリアだ。
諸費用は、敷礼ゼロの月額5.5万円。
コンパクトな王道デザイナーズは、アートを好むミニマリストに最適。敷礼ゼロ・お手頃な賃料と、手の届きやすさは絶対に見逃せない。
【良かった点】
◎無垢床と鉄骨天井の王道デザイナーズ
◎敷礼ゼロ・お手頃な賃料
◎閉鎖感を打ち消す天高
【気になった点】
△エレベーター・バルコニーなし
△収納力弱め