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御堂筋線を北上すると到着する終点「千里中央駅」。

その周辺はセルシーやYOMIURITOを始め様々な複合施設が軒を連ね、日々の買い物も+αな買い物も全て完結する素敵な街。

需要があるのかは置いといて、前回の「千里山ロイヤルマンション」引き続き、今回も新町から遠路はるばるやってきた次第である。

もちろんその理由は、

「そこに渋い物件があるから。」

今回紹介させて頂くマンションは千里中央駅からセルシーを抜けて徒歩3分で到着した。

(空が晴れていればもっと素敵な写真になったのに…。)

■ メゾン千里 ■

日本初のニュータウン計画「千里ニュータウン計画」に則り、1970年1月に竣工された大型マンション。スクラップ・アンド・ビルドが当たり前の日本で、大切に残された建物は美しい。

1970年といえば大阪万博に始まり、江坂ー千里中央駅間を走る北大阪急行の開通・運行もスタートした年。

合計7棟のマンションが連なる敷地内は広大で、駅前とは思えないほど緑化された空間に癒やされてしまう。

敷地内に公園はもちろん、目を疑うような景色も広がっていた。

それは、竹林。

たけのこが取れそうだが、たけのこを取りに行く人の事故が多いため現在は竹林内に入るのは禁止らしい。チクショウ!

この八角形の屋根を持つ建物が、メゾン千里の管理棟である。

見事に緑化された木々でその姿は隠されているが、反対側の窓から見るとおじいちゃんたちがお茶を飲んでいた。

そして先ほどのゲートを越えてから約5分、ようやく目的のD5棟に到着した。

1970年代に建てられたマンションとしては数少ない、鉄筋コンクリート造・エレベーター付きという高いスペックを持ったマンションである。

丘の上にひっそりと建つ佇まいが素敵だ。

また、当時の集合住宅の一部屋辺りの区画が50〜60㎡だったにも関わらず、このマンションの一室の区画は平均76㎡。希少価値が高い。

エントランスの間口も広く取られ、重厚な存在感で私を出迎える。

エントランスからエレベーターを目指すと、最近見なくなった「住居表示板」が。

目的の部屋を目指して進む。

46年の築年数が全く感じられないほど管理の行き届いた共用部。あの管理棟でお茶を飲んでいたおじいちゃんの仕事っぷりが素晴らしい。

白を基調にしたドアパネルとさり気なく付いた新聞受け、立体的なプレートが付いた住居表示など、どこか海外のアパートメントを連想させる。

玄関を開けてみると視覚に突き刺さるナイスヴィンテージインテリア。

オリーブ色のタイルと、トーンを落とした無垢材のドア。そのコントラストがどこか無国籍な趣を感じさせる室内。

玄関から左手の扉を開けると、現れる納戸。

コンクリートむき出しの床で、広さは約3帖ほどだろうか。

透過性の高いガラスが埋め込まれた扉の向こうには…。

22帖のビッグビッグLDK!

玄関から続くオリーブの床タイルと、無垢材のフローリングで感じるヌクモリティ。

既存の掃き出し窓の高さよりも跳ね上げられた天井は、ヴィンテージマンションらしく段の付いた意匠が伺える。

大きな収納もリビングに用意され、その扉も無垢材で仕上げられていた。

造作された吊り棚やカウンター周りの棚も含めると、かなりの収納力を誇る。

長く時間を過ごせる住居に仕上げたくなるリビング。十分な広さで、家具のサイズを選ばないところも素敵だ。

敢えて空間を贅沢に使い選びぬいた家具を大胆に置いて欲しい。

新品に換装されたシステムキッチンは料理をしながら室内が見渡せるポジションに配置。

シンクも調理スペースも広い上に、ガスの3口コンロ+フィッシュグリルという高スペックっぷり。

深みのあるブルーのタイルに囲まれたスペース、小ぶりながら内開き窓がついている点も好印象だ。

大振りなキッチンの換気フード越しのダークモカ・カプチーノな色の壁はすべて「ペグボード(有孔ボード)」に代えられていた。

防音効果はもちろん、ペグボード専用の器具を使えば全面をディスプレイウォールとして使用していただくことも可能。ちなみにその防音効果が功を奏してピアノも設置可。

傷の付いた無垢フローリングは履き古したデニムのように味わい深い。

そんなリビングに面するリビングは広く、2階ながら溢れんばかりの緑地に隣接していた。

この横が敷地内の遊歩道のため、視線が気になりそうなものだが、生い茂った木々が上手くその視線を遮ってくれている。

朝起きてこのベランダで深呼吸、そして熱いコーヒーを飲むだけで健康になりそうだ。

そして付けられたこのスイッチは、空調設備の操作パネル。

メゾン千里を含める千里中央地区一体は、日本初のガスタービンコージェネレーションを導入し、地域全体を通る配管で空調を管理する画期的なシステムを採用している。

俗に言うセントラル空調なのだが、ビル一棟で管理するのではなく、千里中央地区一体637,141m²と、とんでもない規模で管理されているのである。

しかしながら、光熱費が少々かさむらしい。

導入して良いのかは不明だが、冬は弊社でもオススメしたコロナの石油ストーブが似合いそうな室内である。

(詳しくはコチラ→『石油ストーブはコロナがおすすめ!この冬オススメの暖房器具BEST3★★★』

リビングから少し離れて置かれた洋室は6帖。

無垢な扉が素敵な収納がパカリ。

共用部向きの窓から光も入る。

独立洗面台も木のヌクモリティ溢れるデザイン。

洗面鏡もミニマムなデザインながら、キチンと照明がついている点が嬉しい。

唯一当時の趣が残るのは、このバスルーム。

全面タイル張りで、浴槽が半埋没型。

追い焚きや自動湯はりのような超高級品はこの浴室には皆無である。

そして浴室で振り返ると目があったのは室内洗濯パン。

とてもびっくりした。こんなコラボレーションが実現するのか。

コレでは室内洗濯パンではなく浴室内洗濯パンである。大型家電を水がかかる場所に置くなんて何を考えているのだろうか。

しかしそこに用意されたカーテンレールがその不安を解消してくれた。

この設備があるだけで大事な洗濯機がビショビショになることもなく、安心した洗濯ライフを送っていただけるだろう。

(湿気も怖い方は、浴室のドアをあけておこう!)

北堀江の名作物件、スムースアンティークを彷彿とさせる可愛い便器にウォッシュレットがオン。

しかも次の入居者のためにトイレットペーパーも予め用意している。

水を出す時にもれなく床がベチョベチョになるミニ手洗いも紹介しよう。

日本初のニュータウン「千里中央」に住む。

本日ご紹介した「メゾン千里」は前回の千里山ロイヤルマンション同様、分譲売買でも値が落ちない(むしろ上がっている)物件である。

緑地が広がる、広大な敷地と子育てにも最適な環境。

そして御堂筋線に乗り入れる北大阪急行の始発駅で通勤も苦ではない。

そんなヴィンテージマンションから現れた一室は、ヌクモリティ溢れるインテリアがよく似合いそうな一室だった。

管理費と共益費がセットになって11.5万円

アナタのセンスで、素敵な室内にブラッシュアップして欲しい。

お問合わせと内覧申込は渋井不動産まで。

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